市中の閑居

人混みに溺れそうになると、人のいないところに行きたくなる。

池袋三越がそんな場所だ。

外がどんなに混雑していても中はがらがら。客より店員の方が多い。この店がやっていけているのがとても不思議だ。人はいないけど居心地は良くない。三越の店員は露骨に足元見やがるしな。

私はこのデパートを「市中の閑居」と呼んでいる。

越後屋がここまで静謐な場所となってしまうとは三井高利さんも思わなかったろう。

ところで「市中の閑居」なんて言葉、存在しないと思う。でもぐぐると「ことわざデータバンク」なんてのがひっかかってきて驚く。ないだろ、こんな言葉。