2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

年末年始の美術館

年末年始の予定を立てる為の茶道具美術館状況。 美術館 12/28 12/29 12/30 12/31 1/1 1/2 1/3 1/4 1/5 展示 三井記念美術館 × × × × × × × ○ ○ 楽茶碗と新春の「雪松図」 五島美術館 × × × × × × × × ○ 茶道具取合せ展 一乗谷朝倉氏遺跡資料館 ○ × × × × × ○…

12月の展覧会

北陸がなんだか面白そう! とはいえ七尾から一乗谷なんてあんまり流したくないなぁ。 東京近郊 期間 タイトル 備考 三井記念美術館 12/4-1/25 楽茶碗と新春の「雪松図」 畠山記念館 -12/15 書の美 御所丸 堅田 根津美術館 -12/15 井戸茶碗 戦国武将が憧れた…

普齋書入便蒙鈔11 薄茶の事

茶道便蒙鈔の記述: (前略) 一 薄茶立る時ならひの心持あり。 濃茶はさむる事をいとひてさら/\と立る也。 薄茶ハ其いとひなけれバ。しづかに爰にて茶を立る手前の心得を眞に致すへし。 惣て薄茶の立樣一通り手塾すれハ。萬事の手前成能物也。 此ゆへに宗易…

普齋書入便蒙鈔10 茶立樣之事

江戸初期の茶の点て方。茶道便蒙鈔の記述: 一 茶碗を左手にて取右へ移し其座に置。扨茶入を右の手にて取り 茶碗と我膝との眞中に置。 むすびめの輪を兩手の中ゆびにて少をしくつろげ。 むすびめを兩手のゆび二つ充にてときのばし置。 左手にて茶入を持。 前…

普齋書入便蒙鈔9 置合の事

置き合わせの章にあるが、置き合わせの後の座入りの話。茶道便蒙鈔の記述: 座敷掃除して。道具置合も相濟みて。客座入の案内にくゞりの戸三つぶせほとあけ懸る也。 客是を見て手水つかひ入事也。 又此時くゞりの戸あけず鉦打事あり。 是ハ古織より初る也。 …

普齋書入便蒙鈔8 十四 膳出す事

茶道便蒙鈔の記述: 一 客の勝劣によらず亭主膳を持。 (後略) 客のレベルに関係なく亭主が膳を持って出ろ。 この後の文は膳や椀の出す順序の話。でもこの一文に対する普齋の朱書が超!長いのよ。 此ヶ條殘ルトコロナク候 茶湯ノ本意ハ亭主ノハタラキノモノ也…

齋田記念館 茶の湯の心

齋田記念館で行われた會津八一記念博物館所蔵「富岡重憲コレクション」の展示。現川茶碗。 端正な轆轤に青黒い釉薬。そこに白い模様が散る。キャプションには雪華文模様とあるが利休梅にも見える。端正でお洒落な茶碗。絵唐津草文茶碗。 こういう唐津茶碗に…

普齋書入便蒙鈔7 第十二 客をむかひに出る事

茶道便蒙鈔の記述: (略) 一 又客により。召つかひの者を中くゝりへ出し請しいれ。我ハ座敷のくゞりまで出。それにて御入あれとの挨拶あるへき事也 迎え付けで、召使いを使う場合の処理に付いて。…そういえば「半東」という用語は出てきてないね。 この用語…

普齋書入便蒙鈔6 第九窓之事

茶道便蒙鈔の記述: 一 朝會にハ座中あかりを好むゆへに。皆々戸をはづし簾を懸へし。 能あかりの來る窓ひとつハ。簾もはつすへし。 又晝の會にハ。あかりつよき方の窓に必簾懸かそれにてもあかりつよくは戸を立へし。 夜咄の時ハ窓四ツあらハ二つ必戸を立へ…

普齋書入便蒙鈔5 第三床之事

同じく床の事より、香炉の事。茶道便蒙鈔の記述: 一 嗅(きき((原文では鼻+臭)))香爐ハ。名物か。拝領の物にてなければ床に。をかれす。 置時は。盆にのせ軸前眞中に置也。 此盆は底にほり物あるもよし。 灰のしやうハ何となくかきあげ。香敷は。雲母を九分…

普齋書入便蒙鈔4 第三床之事

床の事より掛け物について。茶道便蒙鈔の記述: 一 掛物に禁好あり。繪の類ハかけず。 墨蹟或は道人の哥。 或ハ祖師筆の畫賛を用ゆ。 哥ハ道哥の外ハ惡し。 戀哥ハ猶更不用。 選択肢の第一が墨蹟。んで道人の和歌そして僧侶の画讃。 和歌も道人のでないと駄…

普齋書入便蒙鈔3 第二 客により道具取合心持の事

茶道便蒙鈔の記述: 一 客の中。所持の道具と。同然の道具所持ならハ。其道具ハ出す間敷事也。 作去一方。 名物か。拝領の道具ならハ不苦。 萬事是にて心得へし。 但侘ハ各別の事也 これで全文。 客の持っているような道具を出しては行けない でも名物か拝領…

普齋書入便蒙鈔2 第一 客約束の事

茶道便蒙鈔の記述: 一 客我と同輩ならは何日の何時に御茶可申候。御相客ハ誰々に可仕候と書状に認め遣すへし。叉相客を連状にても可遣也。 一 敬客ならハ何日の何時に御茶進上申度候。御相伴ハ誰に仕可然候哉と。參て伺てよし。状にて成とも時宜によるへし…

普齋書入便蒙鈔

山田宗偏の茶道便蒙鈔に杉木普斎が朱書きを入れたもの。 茶道全集巻の十二、文献編に収録。便蒙とは「子供にも判る」ぐらいの意味。 江戸前期(1680年)に、そういう入門書が出版される状況だった、というのは面白い。この時期、宗偏は三河吉田小笠原家の祿を…

片口

民芸の陶器はもっさりしている。 大抵厚口の陶器で、重いし変な模様が付いている。ときおり抹茶碗が置かれている事もあるが、変な色だったりぼってりしてたり茶心は何処?という感じではっきりいってお茶に使えるものは少ない。 ところが、片口だけは「おお…

チョコレートからヘロインまで2 興奮剤を安全に使用する為のルール

お茶のような興奮剤を安全に使用するにはどう工夫すれば良いか。本書は8つのサジェスチョンを提供している。 1.使用頻度を制限すること。興奮剤に関するトラブルの全ては使い過ぎから生じる。興奮剤のもたらす作用が大好きなら、使用頻度が上昇することは目…

チョコレートからヘロインまで

Aワイル,Wローセン/第三書館/1986年。ドラッグ文化について書いた啓蒙書。 我々の嗜む茶の湯の本質はドラッグパーティーなので参考になる(かも)。 ドラッグではセットとセッティングが大事だと著者は言う。 “セット”とは人が薬物を用いる時、何が起こると期…

茶杓用治具

茶杓を圧力釜で熱する。茶杓の曲げに関してはこの方法が一番望ましい結果が出るが、乾燥までの間の固定が問題である。そこで私は考えた。二本の釘で櫂先部を固定し、切り止め附近の別の釘からタイラップで締め上げながら曲げる!これなら望んだ角度のまま固…

靴下

お茶に行く時。お茶席に着いてから、外で履いていた足袋や足袋カバーあるいは靴下を、綺麗なものと交換する。これ常識である。 しかし、大寄せの場合、必ずしも待合があるわけではない。女性の方々は廊下を使いうまいこと雨ゴートとか畳んで居られるが、その…

井戸茶碗の見込み

喜左衛門井戸の実物を初めて見た時、「目跡がある」という先入観が否定されて驚いた記憶が私にはある。そう。井戸茶碗には必ず目跡がある、というわけではないのだった。 根津の井戸。せっかく72も碗があったんだから、目跡に関して調べてみた。 種別 有 無 …

根津美術館 井戸茶碗 戦国武将が憧れたうつわ

根津の、井戸茶碗大集合展示。なんと合計72碗(現時点)。背伸びして見込みを覗く。 軽くバックステップして全体を眺める。 屈んで梅華皮を覗き込む。 サイドステップして次の茶碗に移る。…バスケが上達しそうだ。膝悪いとこりゃテキメンやな。しかしこれだけ…

五島美術館 光悦 桃山の古典

光悦の、書と陶芸をドーンと集めた展示。あとちょこっと漆芸。 展示室1の、外周を埋めつくす書。展示室1の、センターを埋めつくす器。ド迫力である。 書を展示順に見て行くと、いろんな消息が軸装されている。六日付書状「十四之朝 御茶申度候」。 当時の茶…

利休真流茶の會圖式11 茶碗客へ出し禮いたしたる圖

亭主茶をたて中をよく見て左の手へ受 膝廻して客へ茶碗出し置 上客辭儀をし 上客すゝみ 茶碗取り元座戻り 次は挨拶して茶碗採上戴き 一二口呑たらば主よりふかけんと挨拶いたす 重要なのは最後の2行だけ。この頃のお茶では、一口喫んだ後「お服加減は如何で…

利休真流茶の會圖式10 後入主人出迎の圖

客中立いたし腰掛にゐる亭主迎參るか或は主老体ならば鑼呼鐘打つことあり この時客一同腰掛をはずし聞くべし やゝありて席入りをする 例の話。銅鑼は亭主が迎えに行くのの略式。だから本来亭主が迎えに行くものである。 銅鑼を使っていいのは老人くらいのも…

利休真流茶の會圖式9 亭主席の掃除の圖

客が中立したら、亭主忙しタイムの開始である。 主菓子器煙草盆ひき掛物をはづし座をはき出し床胴釘へ花入を掛る 但し竹の花入土器とふは水に入れをき露けき程を掛べし 折には掛物以前のまゝをくときは置花入になすべし 竹や陶器の掛花入を使う場合は、水に…

利休真流茶の會圖式8 腰掛の圖

炭手前が終わったら中立。 腰掛へ移動である。 客腰掛へ參りすぐ厠へ行きてのち休ミゐる さて迎受てより厠へ行人有るも多はあしゝ 是主の都合もあり湯相もあるゆへよく/\心得べきものなり 中立で腰掛についたら、まずトイレへ行け、というだけの部分。昭和…

利休真流茶の會圖式7 菓子を差上る圖

亭主長盆に菓子器のせ持出客へ各手渡にする 客菓子いたゞき一本の黒もじにてきりそれを味ふべし 但し煮〆水栗付添へる事あらば先にしめ次に菓子次に水栗を食するものなり 現代との違いは: 黒文字付きの銘々皿が前提である。 煮〆や水栗が出る場合もある。 …

利休真流茶の會圖式6 膳を引に出る圖

八寸と盃、湯漬けまで終わった後の話。 主宮仕口徐ろにあけ鉢湯桶等をひき更にすゝみ出る 上客も稍々すゝみ膳を初めの如く主へ手渡しにす其次々も同じ 折には客箸膳椀迄紙にて拭く人あり箸はふきてよし膳椀ふく事あしゝ 紙にてしめりをおさへとるべし という…

利休真流茶の會圖式5 碗盛の出たる圖

碗盛持出膳近に置けば客美酒の挨拶すべし 次客へ碗もり持出なば上客碗もり風味して主へ挨拶あり 御詰迄あけ置き主は櫃再び持出置き銚子ひくなり 銚子が出た後に煮物だが、煮物を出す際に「酒の挨拶」があるというのは面白い。地酒の吟醸ブームの今と違って、…

利休真流茶の會圖式4 會席膳出圖

熨斗の次は膳が出る。 膳持出て客へ手渡す 但し貴人なれば供(そな)へ置くべし 相客これに同じ 膳そろへば宮仕口しめる つゞいて上客より箸とりはじむ 飯。汁。向と喰初むべし 静に喰し いそぐ事なきものなり 飯、汁、向と食べる順が指定されているのは新鮮で…