2012-01-01から1年間の記事一覧

正月の展示

1/1〜1/6までの間の美術館開館状況。 新春早々でもそこそこ行く所があるのはうれしい限りです。…でもBunkamura 入館料高過ぎザマス。 東京近郊 1/1 1/2 1/3 1/4 1/5 1/6 三井記念美術館 × × × ○ ○ ○ 五島美術館 × × × × ○ ○ 東京国立博物館 × ○ ○ ○ ○ ○ Bunk…

1月の展覧会

静嘉堂がかなりリキの入った展示ですな。 あとなにげに石川〜福井も楽しそう。 東京近郊 期間 タイトル 備考 三井記念美術館 -1/26 ゆくとしくるとし 茶道具と円山派の絵画 五島美術館 1/5-2/7 時代の美 桃山・江戸編 畠山記念館 1/9-3/20 春を祝う ―仁清・…

床柱

「とびだせ どうぶつの森」を楽しくプレイしている。私は「どうぶつの森e+」からのユーザなのだが、携帯機だとどこでもプレイできていいやね。12時間ずらすとかしなくてすむもん。 さて、今回の「とびだせ」では、3DSのすれ違い通信を利用し、住宅展示場に他…

中国と茶碗と日本と4 龍紋

中国ではポピュラーな龍紋。日本ではちっとも流行らなかった。著者は言う。 日本には元来、龍がいなかった。日本の龍は中国から渡来したものである。 (中略) だが、日本人の中国龍に対する受容はこれ以上の展開がない。日本の天皇は太陽神とされているために…

中国と茶碗と日本と3 祥瑞

祥瑞の底に有る銘「五良大甫 呉祥瑞造」。 中国人の著者が読んでも意味がわからないという。 さて、足利義満の時代から招来されていた染付磁器だが、天正まで茶の湯に利用されなかった。 それは: 渡来した染付磁器は、碗にしても更にしても日常生活用具ばか…

中国と茶碗と日本と2 天目

曜変天目が何故日本にしかないのか?の謎について。 中国最初の陶磁専門書である清・朱えん(王+炎)の『陶説』(一七七四年成立)はいう。窯変極佳、非人力所可致。人亦多毀之、不令伝窯変は非常に素晴らしい。だが、人力でできるようなものではないので、世に…

中国と茶碗と日本と

彭丹/小学館/2012年。中国人の著者が、日本文化に潜む中国文化の影響を考察する本。…最初読んでて「イザヤ=ベンダサン」みたいな偽外人の本かと思ってしまった。それぐらい違和感がない。 あっち側とこっち側を語る文化論で、あっち側出身だけどこっち側の…

茶筅の評価軸

茶筅が思いのほか品質まちまちなので、今後、茶筅を買ったらレビューしていこうと思う。まずは 購入場所 製作者 価格 という基本情報。 見た目、仕上げ という使用前の情報。 固さ(つっかえるか?) しなやかさ(弾力性はどうか?) 10回くらい使用後の癖の付き…

出来の悪い茶筅

茶筅の品質が悪い、という話は以前にしたが、実は先日私が買った茶筅も、ひどかった。数回使うと先はバサバサ。まぁこれは手入れが悪いと言われれば反論しづらいが。 しかし、そもそも曲がった竹で作られているのが判るだろうか? 良く見てみると:茶筅は竹…

茶器の見方5 仕覆の鑑定

著者の眼は茶入だけでなく、仕覆へも向かう。ただし、言及は裂だけだ。茶人にとって縫製やなんかは割りとどうでもいいものの様だ。 金襴の時代別けに就いて金襴の製作の時代を分けるには、従來、其の切れ地が我が國に舶來した時代を基として、何々の切れは、…

茶器の見方4 挽家と薄茶器

今日の中次と云ふ薄茶器は、文琳や丸壺の挽家から轉じて出來たものである。 又、今日の棗は、肩付の挽家から轉じて出來たものである。 昔、未だ、中次とか、棗とか云ふものが、出來なかつた時分には、薄茶を、挽家に入れて、持ち出したものなのである。 (中…

茶器の見方3 腰帯

古瀬戸の肩付、殊に、唐物肩付には、箆を以て、其の茶入の腰を一周して、一條の線を畫したものがある。是れを、腰帯と云ふのである。 胴の太い部分の線、胴紐ともいう奴。 著者はこの由来を説明してくれる。 却説、此の腰帯と云ふものは、往昔、支那、我が國…

茶器の見方2 頽れ

却説、茶入の鑑賞法は、先づ、其の姿を見、継ぎに、其の釉を見るべきである。 茶入の鑑賞の優先順位は、先に姿であり、次いで釉薬だと著者は云う。 姿の鑑賞は、口造り/捻り返し/肩/胴/畳付/糸切と割りと知っている話なのでオミットする。 だが釉の話の…

茶器の見方

今泉雄作/雄山閣/1924年。東京美術学校の創立者の一人が書いた「茶入鑑賞法」の本。序文から。 凡そ、茶器と云ふものは、茶入にせよ、茶碗にせよ、或は又、水指にせよ、何にせよ、其の鑑賞の眼目とするところは、其の器物が、果たして、茶の湯に用ゐられて、…

茶筅

大寄せの時、先生が準備した茶筅がエラク固かった。内穂の部分の剛性が高過ぎ、つっかえる感じがする/点てててゴリゴリ感があった…といえば感じ判ってもらえるだろうか?感触としては、茶を点てているというよりは、中華鍋をささらで洗ってるのに近い。 な…

畠山記念館 利休と織部 茶人たちの好みと見立て

今回の展示はたぶん、長次郎の赤楽 早船がメイン。でも私は早船そんなに好きでない。長次郎にある独特の緊張感が足りない気がするから。しかしこの茶碗の金継ぎは凄い。こなごなに割れたのを継いであるのだが、割った時、持ち主はもんのすごい青ざめたんじゃ…

千利休6 利休を批判すること

本書ではこの後、キリスト教や松尾芭蕉の話が出てくるが、そういう話はずっぱり切り捨て、本書の位置付けについて考える。 明治以降、千利休は茶聖扱いされて来た。それが戦後になってから、批判的な…というと言い過ぎになるが、とりあえず「聖人扱いしない…

千利休5 切腹

著者は先行研究や小説などを引用し、さまざまな利休の賜死の理由を考察している…が、いまひとつ歯切れ悪い。というか、語りたいのはそういう事ではないんだと思う。何を原因に死を賜わったか、ではなく、何故賜わった死を回避できなかったのか?が重要なのだ…

千利休4 傘亭

待庵への対比として、傘亭について。 私は高臺寺の傘亭の外貌をみて、本願寺の書院とのきはだつた對照を感じた。 (中略) 「さびたるはよし、さばしたるはわるし」といふ言葉があるが、それを利用すれば、これはわびではなく、むしろわばしてゐるといつてもよ…

千利休3 待庵

待庵、という特別な茶室について。 利休以前の茶座敷は「座敷之廣狭、貴人御茶湯之座ハ六疊敷相應、其謂レハイカニ茶湯と申共膝詰ニアラヌ物也。御相伴モ少間ヲ置テ、恐アル風情ニミナ着座ス。ソウナミ(總並)ハ四帖半ヨシ」(『數寄道大意』)が通例であつた。…

千利休2 禅と茶人

著者は、禅と茶人の関係に関し、非常に疑念を抱いていた。 堺の豪商出の茶人たちには、丿貫の示す無常觀はない。 色即是空もないわけである。だから紹鴎の侘びは「正直に愼み深くおごらぬ樣」といふにとどまつた。 鋭い指摘である。無一物というには紹鴎名物…

千利休

唐木順三/筑摩書房/1963年。 「千利休とはどういう人物か」を研究した本。 今の視点で見れば、論旨は観念的に過ぎるし、資料の取捨選択もどうかと思う部分もあるが、鋭い視点で色褪せない部分はある。むしろ唐木順三という人物は、千利休を通して何を語りた…

東京の茶どころ

京都の表千家、裏千家、武者小路千家の場所は、それぞれ水脈の上に立っているのだ、という説がある。では東京の各流派の所在は、どんな基準で立っているのだろうか?主要流派の東京道場や本部をマップに置いてみた。屋根千の不忍通エリアと、神楽坂市ヶ谷台…

茶道の實際6 茶事

襖をあけ主人は用意せる膳部を持出て先づ正客に供する、 客は香物を取りまわし湯桶の湯を飯汁椀に取り分け湯漬けとして香物にて食し終つて膳椀の汚れ箸の先きなど懐中紙にて拭ひ清め元の如く置きつけ連客そろつて箸を落す。 主人の打鳴らす合圖あれば正客以…

茶道の實際5 配列布置

道具の置き方についての冒頭。 所定の用具は此れを點茶の法式に従つて布置配列せられて初めて共用を為すのである、點茶は大體坐つて為すものであるが用具の布置は此の坐つて居て手のとどく範囲と云ふ限定を受けるのである。 規矩にうるさい著者であるが、肉…

茶道の實際4 茶道具

點茶に用ひる種々の道具は其れ/゛\の目的に随つて實用になれば宜いわけであるが茶道の目的が單に茶を點てる事にあるのではないから實用にさへなれば其れでいいと云ふ譯にはいかなうなる。 茲に茶人の審美眼によつて點茶に適當と思はれる諸種の器物が選まれ…

茶道の實際3 割稽古

點茶手順の基本となる處を分割して稽古するを割稽古と云つている、最もよく手慣れて貰ふ點を順次申述べる。 明治の末年には無かった(と思う)割稽古、という用語が、昭和23年には普通に受け入れられている。 おそらくこの30年の間に、教授法が整備体系化され…

茶道の實際2 習ひ方

習い方について。当然先生からの視点であるが: 習ふ人は何事にも懐疑的である事はよいがあまり過ぎると横徑にそれてしまい其本質をつかみそこねる、 反面機械的に繰かへし習うただけで何の為めの一舉手一投足であるかを知らうともせぬのも困る、初めは素直…

茶道の實際

山村宗謙/實雲舎/1948年。終戦直後の茶道書。 茶道は日本に創成されたものである。 喫茶の慣習や形式は初めに他國から傳來されたものであつて又幾段階の變遷があつたとしても、現在行はれている茶道は日本人の民族性の然らしめた方法形體をもっている道であ…

薄い本みたい

ふと思ったのだが。京都の歴史ある茶道流派の家元の息子。そこそこハンサム。マッドサイエンティストの息子。ハンサムだけど悪役面。 二人は学徒動員の特攻隊で友情を育んだ。 …とか、なんか薄い本向けの設定過ぎないだろうか? …どうでもいいか。※なにがし…