2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

7月の展覧会

夏枯れ開始ですが、関西の方はまだなんとか少し…って感じですかね。 東京近郊 期間 タイトル 備考 根津美術館 -7/20 江戸のダンディズム 季夏の茶 中部〜北陸 サンリツ服部美術館 -7/12 茶の湯を支えた鉄と竹の道具 サンリツ服部美術館 7/18-11/15 花ひらく…

茶と禅5 掛物の禅語

本書の後半は、禅語の解説である。 現今、日本家屋にある床の間は、禅宗の書院建築の床の間から工夫されたもので、むかしは仏画の掛物を用い、その前に香炉と花瓶を置いて、花をたて、香をたいたものである。 そうしたことから、茶道においても床の間を置き…

茶と禅4 茶礼

本書には、ごくわずかだが禅の茶礼について触れたところがある。 茶の湯の本意は仏祖の行に習い、茶をたてて、仏祖に供え、それを多くの人に施し、我も飲むというところに、これがおごそかに行われるのである。 禅宗では「煎点法」と呼んでいるが、これは厳…

茶と禅3 道具茶のこと

世に「道具茶」という言葉がある。 茶を飲むことよりも、茶の道具を集めて茶会を開き、茶器の自慢に、客も賞め、主人も鼻高々とそれを披露するありさま、これはべつに悪いことではないが、茶の道からいえば邪道であって、正しい道とはいえないのである。 禅…

茶と禅2 茶道と禅との交渉

浮世の世界にあきたらなくなり、住みにくくなったとき、そういう世界を捨てて、その生活から離れて、侘びの人となり、侘びの営みをするのが茶道の生活であって、その生活体系に一つの筋金を入れることが、禅の修行であると思う。 禅は…まぁお題目はともかく…

茶と禅

伊藤古鑑/春秋社/2004年。 但し新装版。原著は1966年。「一、茶道のこと」より。 およそ茶道といっても、その奥儀に達するには、十年、二十年の修行を要することであろう。だた飲むということでなしに、その術、その法、その道の三段階を経て、奥儀に達する…

電子レンジ

ご飯の話だが、生煮えの状態で急速冷凍。良く炊けたご飯も急速冷凍。それぞれタイミング良く解凍してチンして出せばいいんじゃないか? …と思ったが、冷凍飯はやはり炊きたて飯に劣る。日本の電器メーカが、冷蔵庫と電子レンジをその為に最適化できてこなか…

炊飯

どういうわけか…昔の茶書には載っていないのに…茶の湯ではまずお客様に生煮えの飯を出す事が常識になっている。そして、きちんと炊き上がった飯は飯器に入れて出すのだと言う。 迎えつけ、客入り、初炭…その時間を見計らい、完璧なタイミングで生煮えご飯を…

茶の美2 懐中紙

わが家では、必ず来客に薄茶を出すことにしている。 茶を知らない人は、一瞬たじろぎ、茶だけをグッと飲んで、菓子まで手をつけるユトリがないらしい。 何も客を困らせようというコンタンなどはさらさらないので、ただこちらの好意が裏目に出たのだと諦めて…

茶の美

葛西宗誠/文化出版局/1982年。裏千家業躰から写真家になった葛西宗誠氏の写真&エッセイ集。ちょっと文章が残念な感じ。でもいくつか。 利休箸有名な庭はたいてい夢窓国師か小堀遠州が造ったことになっている。 作者不明の場合はどうもこの二人が引っぱり出…

茶筅洗い

茶筅は本来、使い捨ての道具である。なので洗う必要はないのだが…そうも言っていられないというのも事実。 茶碗の中で振り洗い…では綺麗に落ちない。 茶筅の先を指で一本一本水洗い…は、中の穂が洗えないし、痛む。 メラミンスポンジも試したが、中の穂が洗…

利休切腹

中村修也/洋泉社/2015年。 天正十九年二月二十八日、京で茶の湯の名人・千利休切腹。この歴史的な事件に疑いを抱こうとは思ってもみなかった。 神津朝夫の「利休の切腹場所は堺」説からはじまり、同時代資料をひもとき、利休が堺で切腹したのか?それは二月…

仙叟宗室居士の遺芳7 茶室

慶安四年、仙叟に命じて、その葭島に新たな茶室の造立が計画されたのである。 仙叟は前田利常に出仕早々、茶室の造営を命じられた様である。 とすれば、承応元年の秋までに仙叟が造立した小座敷は、二畳は利休とはいえ、待庵ではなくて聚楽屋敷の二畳に類似…

仙叟宗室居士の遺芳6 箱書

「仙叟宗室居士の手捏ねと好みの釜」赤沼多佳より。 かつてこの世界に通ずる方より「昔から仙叟書付のあるものに名品が多いといわれている」と聞かされたことがある。 まさにこの言葉を裏付けるのは長次郎の茶碗である。 ここに仙叟居士の箱書付とされる長次…

仙叟宗室居士の遺芳5 臘月庵日記

金沢の茶人、臘月庵浄全の日記に見る仙叟の茶会。 No. 年 旧暦日付 茶杓 菓子 1 1687 9/25 自作 栗餅、干瓢にしめ 2 1687 10/4 自作 真餅実寒、煮しめ椎茸 3 不明 口切 自作 餅、にしめのたけ 4 不明 不明 紹鴎ふしなし にしめ、干椎茸 5 1686 11/11(10/11?)…

仙叟宗室居士の遺芳4 臘月庵千仙叟宗室居士の生涯

筒井紘一著。 晩年の居士は、末子相続ともいうべき今日庵の遺跡を守り、これを重代していく礎が整ったことに大きな満足を感じていたと思われる。 筒井さん文章うまいなぁ。 末子相続は今日庵にかかり、重代も今日庵にかかっている。千家の本家を末子相続した…

仙叟宗室居士の遺芳3 伝授

坂口休与宛消息。茶之湯の伝授に対する注意事項のメール。 (略) 茶之湯伝授事 人ニ御おしへ候而も 不苦候得共されとも 家ヽ之致秘*1蜜ニ むさと伝授不仕候 得共貴様達而御望 故乍病中いたし懸 御目申候致秘蜜ニ候 茶之湯伝授の事 人に教えてもいいえど、我が…

仙叟宗室居士の遺芳2 画讃

本書には仙叟の茶碗、茶杓、その他好み物や掛軸が紹介されている。その中で画讃の文字を。蛸画讃 扨、ヤクシ(薬師) ミカケ写て マイラスル 夫は塩たこ 是ハなま蛸 海老画讃 いかはかり 海老をとり喰ふ むくひあらはつゐにハ 老のこしやかかまむ どーしてこん…

仙叟宗室居士の遺芳

今日庵/1996年。仙叟宗室三百年遠忌を記念して作られた本。 値段表示がないとこを見ると、多分記念茶会かなんかの記念品。千宗室著の「はじめに」が冒頭から表千家に喧嘩を売っている気がする。 元伯宗旦居士の遺跡を末子相続によって継承し、千家茶道の礎を…

野狐禅2 禅

禅の有り方について。 偖て一般に禪の講話には能く解脱といふことを力説する樣に思ひます。 解脱とは人間界に對する執著を離れ貧富、貴賤、苦樂、夭壽などヽいふ二端に亘れる煩悶を受けざるに至ることを云ふのである。 併し斯る執著が無くなると其人には自然…

野狐禅

近重眞澄/人文書院/1929年。幹利休の遺偈の話で知られる近重物安の禅に関する昭和4年のエッセイ集。 武者小路と縁の深い著者なので、お茶の話があるかと思ったが、残念。無かった。昭和17年には「茶道百話」を出しているのだが、まだこの時期にはお茶はやっ…

サンリツ服部美術館 茶の湯を支えた竹と鉄の道具

サンリツ服部の、主に茶杓と茶釜の展示。ずらりと茶杓が並ぶ様は壮観。紹鴎から、覚々斎ぐらいまでの茶杓が17本もならぶ。意外にも利休のは一本も含まれていない。 こうやって比べると、遠州の茶杓が際だって端正だが、スケールが小さい感じがする。 覚々斎…

日本の茶道の流れ7 流派の選択

遠州流の中の人による自己分析。 茶の本質には、各流派とも変わりはないが、利休を祖とする流派は町衆茶道であり、遠州によって大成された武家社会の武家茶道は禅、とくに儒学的背景をみることができ、また形態にも武家の礼法が同化されていることが大きな特…

日本の茶道の流れ6 宗舟

小堀正行家の、小堀宗舟について。 小堀本家八世・小堀宗中に茶法を学び、江戸下谷練塀町に住み、宗舟と号して茶道を子弟に教授した。 明治二十六年(一八九三)茶道普及のため関西に赴き、京都紫野大徳寺塔頭孤蓬庵で小堀遠州二百五十年忌を修行した。 同三十…

日本の茶道の流れ5 小堀遠州流

小堀遠州流の独立について。 昭和三十四年のころ、東京の古美術商の近善社長・竹内善次氏(故人)を仲介人として小堀宗通が、小堀本家十一世・小堀宗明を訪ね、独立する旨を申し出た。 その際、現在の十二世・小堀宗慶も同席し、「共に手を携えて遠州侯の業績…

日本の茶道の流れ4 流派

本書の大半は日本の茶道流派の紹介である。その登場順とページ数をカウントしてみた。 遠州流歴代 57 小堀権十郎家 5 小堀正行家 10 小堀左馬助家 11 石州流 8 上田宗箇流 3 宗和流 3 表千家 4 裏千家 5 武者小路千家 3 藪内流 3 久田流 4 宗偏流 5 普斎流 2…

日本の茶道の流れ3 小堀遠州の生いたち

遠州流茶道は、小堀遠州を流祖として、代々その直系によって受け継がれてきている流派である。 現在の十二世・小堀宗慶まで、嫡子が欠けることなく確実に引き継がれており、この意味では血筋争いとか跡目争いとかいった問題は、これまでに一度もなく、極めて…

日本の茶道の流れ2 儒学

儒学によって部家社会では幕府、諸藩の権力集中にともない忠が重視され、知行・俸禄の給付は、主君の恩であるとする観念が浸透した。 (略) こうした教学思想は、今世紀の第二次大戦が終るまで続いているが、それはともかく茶の湯も、徳川幕府の儒学文教制作…

日本の茶道の流れ

戸川宗積/大絖書房/1985年。 非常に重要な茶の湯の家筋本筋を尊ぶ現在に伝えれている各流派の茶の湯は、その本質において何れも変りはない。 また変るものであれば、もはやそれは茶の湯ではないということになる。 (略) ということは珠光、紹鴎、利休、織部…

ぼやき

風炉の鐶。アレ持って持ち上げたらダメなんだろ?役に立たない飾りじゃん。なのに上げたり下げたりめんどくさいよ。誰だよ。風炉に鐶付けた奴…。