2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ザ・美術骨董ショー

2年ぶりの美術骨董ショー。今回は見どころいまいち少なかった様な気がする。もともとややお高い感じのお店が多いのだが、値段の高さに相応しない内容だったんじゃねーかなーってっ感じがする。 気になったのはひとつだけ。楽山焼の刷毛目の鉢。鈍翁の箱書き…

5月の展覧会

GWの展示が出揃うと、なんとも西高東低な感じが否めない。 つまり西の方が楽しそう。大阪を中心に回り、ついでに大阪歴史博物館で http://www.mus-his.city.osaka.jp/ 鎧を見るのも一興かもしれん…。 東京近郊 期間 タイトル 備考 出光美術館 -6/10 悠久の美…

二ツ置

天王寺屋 宗達他会記 天文廿年の記述より。 同十二月十一日朝 紅屋宗陽會 人數 達 宗可 一 ゐるり しやうはり 一 床 かたつき、四方盆 後ニ墨跡懸候 知愚 一 一枚板ニつるへ ほねはき 天目 茶タツ この文章からすると、釣瓶の水指と骨吐の建水の長板二ツ置と…

埋れ草5 影響のない部分

ここから戦後。"わび"昭和39年4月号「点前はけっして変わっていない」より。 点前とは茶室における一切の手順や動作がみがきにみがかれて、もっとも合理的であり、かつ最も美しい動きをもつものなのです。 むだな動作をすべてとりのぞいたものであるはずの点…

埋れ草4 同門会

"わび"昭和18年1月号「来る年のために」より。昭和17年を回想する即中斎。 何といっても、すぐ頭に浮かぶのは、二月十一日の佳節に呱々の声をあげた千家同門会のことである。 現代も続く表千家同門会は、戦争の産物だったのか…。 卒直にいうならば、従来の茶…

埋れ草3 献茶

"わび"昭和17年1月号「献茶のこころ」より。 献茶といえば、知らない人からみると、茶会程度に考える人があるかもしれないが、もしそうなれば非道の極というべく、奉仕担当の私にしてみると、実に大きな心の仕事で、慎んで神前に奉仕、この一句につきる。 献…

埋れ草2

"わび"昭和15年8月号「不審庵について」より。 茶室不審庵については、既に本誌に発表されたように、篤学の学究の方々によって、熱心な研究が続けられていることは、私にとっては大きな喜びである。 この時期に不審庵研究がまとまりはじまっていたみたいだが…

埋れ草

千宗左/講談社/1988年。即中斎の書いた戦前戦後のエッセイの再録本。"わび"昭和18年10月号「前線に茶箱を」を紹介。 わたしはかねがね茶箱を前線の勇士におくる運動を展開したいと念願している。 (中略) 戦地の勇士が寸刻の間、一服の茶によって動中の静を求…

古本市の法則

古本市で茶書を漁っていて気付いた事。 ブーブー紙に包まれた本が多い棚は純文学専門で茶書はない。 歌舞伎の本が並んでいる棚に茶書はない。 落語の本が並んでいる棚に茶書はない。 概ね茶の湯以外のジャンル専門書店の棚に茶書はない。 でもなぜか仏教書と…

関守石

大寄せで、お客さまの行列ができる時がある。 行列ができること自体申し訳ないが、しかしこちらとしては列を整理し、入ってはいけないところは止め、一列なり二列なりに整列をお願いしなければならない。 しかしながら、お客さまはそう簡単に言うことを聞い…

茶事の小道具6 総括

本書はお茶事の道具を 待合 露地(含む腰掛) 水屋 夜咄 に分類し、その紹介と、使いかたの解説をしてくれる。 特に、亭主として、客として、どういう事に気を付ければ良いかが詳細に書かれている。 炭切りだめの炭炭切りだめとは、手前用の炭斗に組む炭を用意…

茶事の小道具5 夜咄

油差し油次(油皿)の大きさにもよりますが、一会のうちに一度か二度は油を差し加える必要があります。 ふつうは客の中立ちの間に油をつぎ足せば十分ですが、すべて定石どおりにまいらぬのが茶の湯ですから、客の前でそれをせねばならぬことも出来てまいります…

茶事の小道具4 水屋

水屋道具はまったく知らないってわけじゃないし、いろんな本が出ている。 なので、この本で気になったところを。 茶巾だらいむかしは宣徳と呼ばれた銅製の小さな盥で むかし、明製の銅メッキされた銅器(おもに火鉢)を、明の宣徳年間に作られたという事で宣徳…

茶事の小道具3 露地

露地草履露地ではく履物は、露地草履と呼ぶ特殊な草履です。 (中略)露地下駄これもふつうの下駄とはやや趣の変わった形をしており、雨あるいは雪降りの日に用います。 材料は赤杉の柾で、竹の皮を縒ってつくった鼻緒がつけられています。 露地草履はともかく…

茶事の小道具2 寄付

まずは用語から。 しかし明治期になると、待合の語感が好ましくないというところから、現今の寄付に変わったようです。 茶屋と葉茶屋といい、お茶業界とラブホ業界(当時)の用語のカブリってのはなんなのだろうね? 寄付は床の間を欠く簡素な造りの部屋です。…

茶事の小道具

数江瓢鮎子/主婦と生活社/1992年。懐石道具の次に、同じ作者の茶事の本を。 茶の湯をする人のことを茶人といいます。 ではお茶さえすれば、誰でも茶人になれるのでしょうか? どうもこの言葉は曖昧で、どことなく胡散臭い感じさえつきまとっています。 何故…

わたくしの懐石 その心と料理6 茶事の種類とその心得 飯後

しかし宗旦の弟子の杉木普斎の説によると、昔は飯後に客を招くと、小座敷では初座に水指と茶入れを置きあわせて飾ってから、客に席入りを願ったようです。そうすると客の初入り前にはすでに炭(初炭にあたる)がつがれていたことになります。 初座の挨拶がすめ…

わたくしの懐石 その心と料理5 茶事の種類とその心得 朝茶

朝茶について。 それゆえ朝茶の趣向は、利休の「夏は涼しきように」の訓えを、茶事の細かい点にまで神経をゆきとどかせて実現すればよいわけです。 それにはまず撒水からはじまります。 できる人の理論。…いや、持てる人の理論だな。 朝茶に必要なものは何か…

わたくしの懐石 その心と料理4 料理の演出・盛りつけ

懐石の料理では、料理屋の場合のような盛りつけをすべて省きます。 (略) それゆえ懐石料理の盛りつけは、無造作であることが反ってむずかしいといってもよいでしょう。 懐石料理は飾り切りも廃し、盛りも無造作…という事になっている。 でも近代以降、懐石っ…

わたくしの懐石 その心と料理3 懐石料理の移り変わり

瓢鮎子の懐石史観。 将軍義政を中心とする武家貴族が茶の湯を独占していた初期のころは、喫茶のあとの豪奢な酒宴で華麗な唐物の観賞会が仕上げになるということだったのでしょう。 そういう贅沢な食事のもてなしの影響は、その後ながく利休の頃まで尾を引い…

わたくしの懐石 その心と料理2 用具の種類とその撰び方

本書では懐石道具について、かなり詳しく教えてくれる。 このあたりの知識が全くない私には、大変にありがたい本である。 折敷にどういうものがあるのか、四ツ椀にどういう種類が有るのか。黒丸椀、黒一文字椀、黒上り子椀、黒碁笥椀、吉野椀、面桶椀。どう…

わたくしの懐石 その心と料理

数江瓢鮎子/婦女界出版/1983年。 実にタイトル通りの本。多くの写真が載っていて楽しい。序文から。 戦前のことですからずいぶん古いことになりますが、小さな女の子たちが、木蔭の砂場に敷いた茣蓙の上で、飯事に夢中になっているのを見たとき、思わず「あ…

夜桜2012

近所にちっちゃなちっちゃな穴場の公園がある。桜が数本植えてあり、公園とその周囲の街灯が適切なライトアップになっている。 こんな小さな公園も、最近除染なんて事をやっていて、椿の枝がばっさり落されたりしているけれども、桜の美しさに変わりは無い。…

回転式茶漉し

しもきた茶苑大山さんの回転式茶漉し。 http://www.setagaya-1.com/ooyama/_pc/index.php?f=detail_goods&goods=2614 …。 紅茶マニアとしては慣れ親しんだ商品だけれど、これで抹茶を漉せと? 抹茶茶碗にこれ引っかけて直接ゴシゴシしたら、茶碗の縁が欠けそ…

大炉の逆勝手

シーズンも終わってからこういう話題もどうかと思うのだが、今日は大炉の話。 裏千家限定のお点前、大炉。 では大炉はなぜ、逆勝手なのだろうか? まず大前提として、大炉を切れる人と言うのは、以下の条件がある。 大炉の切れる茶室を持っている。 当り前の…

茶の湯と生花6 銅鑼の音

ここも種本不明だが; 亭主座敷の置合出來たらば案内の爲にくゞりの戸あけかけ候か又はどらを打べし其時右の如く一人づゝ手水をつかひ入るなり 明治時代の常識的には、やはり銅鑼は蹲踞わずに聞くものだった様だ。銅鑼以外の方法としては潜りの戸を少し開け…

茶の湯と生花5 椅子手前の事

椅子手前は明治初年の頃某流家元の考案にして數寄屋の手前とは差て器具の取扱に替りたることはなく都て向切の逆勝手と心得て差支なかるべし 明治の頃。裏千家が「某流」扱い、という所に、まだまだ千家の分家扱い程度というのが程よく反映されている様な気が…

茶の湯と生花4 餅

この辺種本が不明だが 茶菓子出たらば取て廻すべし面々に出たる時は餅類をば再進を望みてよし 全員に餅が配られた場合は再進してよい、という常識があったというのはちょっと驚いた。 菓子の再進、というのは意識にもなかった。 でも考えてみると、餅は家で…

直伝和の極意 茶の湯藪内家春と出会う茶の湯 燕庵で楽しむ春の茶事

若いアナウンサーが燕庵でお茶事に参加。 腰掛で待つ客。亭主が蹲踞の水を入れ替える。その音を合図に挨拶して席入り。 若宗匠の炭手前と軸の読み上げ。若宗匠、口の中が腫れている様なしゃべり方でちと聞きにくい。 懐石は向付と煮物の映像で終了。え?こん…

4月の展覧会

やっとこ新しいPCに移行できました。ただしまだしばらく更新自体不安定になるかもしれません。とりいそぎ今月のイベントを。 東京近郊 期間 タイトル 備考 三井記念美術館 -4/8 茶会への招待 三井家の茶道具 出光美術館 4/3-6/10 悠久の美 唐物茶陶から青銅…