[その他]マスク

4月の中旬あたりから、マスクをしていない人間に人権はなくなった様に思う。 でもありがたいことに、この辺りの時期からマスクは値崩れをはじめ、さらに布マスクをしている人も増えて来た。 布マスクにウィルスへの防御力はないと批判はあるが、実際問題不織…

ポストコロナとお茶

私はコロナ終息に関しては悲観論者である。ぶっちゃけ種痘くらいの画期的なのがないと終息できない論者。 でも安心安全を当然として来た社会に慣れているので「伝染したらしたでしゃーない」って死生観を変えて元の日常を送れるかっていうとそこまでみんな修…

當世茶会心得 肆

順に座敷を出た客は待ち合いに戻り、用足しなど致しますが、雪隠を使った場合は備え付けの消毒液できちんと手を洗うことを忘れないようにしましょう。 待合には煙草盆が置かれていることがありますが、これは形式的なもので、喫煙による肺炎リスクの上昇を考…

當世茶会心得 参

茶道口より半東が折敷を持って進み出ますので正客から順に受け取ります。 折敷には煮えたてのご飯が一口と汁、そして向付が載っています。 WHO勧告以来、向付には十分火の通ったものが入っている筈ですが、不心得にも刺身の類であった場合は食べずに残しても…

當世茶会心得 弐

客は順に座敷に入り、順次居換わりしながら、床の掛け物を拝見します。 最後の客は密になりますので戸を閉め切ってはいけません。「最後に入りますが戸は空けさせて頂きます」とご挨拶して入ってください。それが亭主への合図になります。 客は間隔を空け畳…

當世茶会心得 壱

さて、茶事の当日であります。 まず、身支度をする前に検温です。熱っぽい、咳が出るなどの症状の出る方は亭主へ連絡し、茶事への出席を避けましょう。 客は、少なくとも定時の30分前には亭主宅に着いているのが心得です。よほど遠方の客でない限り、公共交…

宜春亭という不可解

ひさびさに解せなかったのでここに書く。 六義園にある茶室「宜春亭」。 この貸し出し条件がひどい。 飲食不可で火気厳禁の茶室で何をすればいいんだ? 亭主が水点てでお茶を出すと客はそれを持って茶室の外に出て青空を見上げてお茶を飲み干すのか? お茶以…

京都国立博物館 国宝展

行ってきました国宝展2期。もちろん目当ては「龍光院の曜変天目」。あいにくの台風の雨のおかげでやや人入りの少なかった国宝展。30分程度の待ち時間で入れました。順路は最初に3階にエレベーターで上がり、ぐるぐる降りて来るのですが、龍光院の曜変天目は1…

龍光院の曜変天目

http://www.kyohaku.go.jp/jp/special/tenrankai/kyoto-kokuhou2017.html私は今、京博に行かねば!という強迫観念にとらわれています。展示期間半月もないのか…週末2回分。人を観に行くようなものじゃろうなぁ。

ごあいさつ

2007年の6月19日。私は本ブログを書きはじめました。本日はブログ開始10周年、と言うことになります。電波の届かないとこへ旅行に行く、病気、などの抜けはありましたが、おおむね毎日更新でここまで参りました。んでですな、10年という節目を迎え、これを機…

南方録と茶の湯

南方録の覚書を読み直してみた。南方録の覚書は、通常の茶の湯の伝書の形式をとっていない。普通、茶の湯の伝書は石州百ヶ条とか織部伝書のような、箇条書きを中心としたもので、南方録の記述は枝葉が多過ぎる。でも、この枝葉があるからこそ、南方録は歴史…

南方録14

○紹鴎ワビ茶ノ湯ノ心ハ、新古今集ノ中、定家朝臣ノ哥ニ、 見ワタセハ花モ紅葉モナカリケリ 浦ノトマヤノ秋ノ夕クレ コノ哥ノ心ニテこそあれと被申しと也花紅葉ハ、即書院臺子の結構にたとへたり、 其花もみぢをつく/゛\とながめ來りて見れば、無一物ノ境界…

南方録14

野点の心得について。 ○野ガケハ就中、其土地ノイサギヨキ所ニテスベシ、 大方、松陰・河辺・芝生ナドシカルベシ、 まずは風光明媚な所を選べ、という話。でも必ずしも「風光明媚」とは言ってないわけか。「いさぎよき所」という文の解釈次第だが、「いさぎ…

南方録13

○メンツノコボシ、トヂ目ヲ前ニセヨ、引切ノ蓋置モ目ヲ前ニセヨト、宗易ハノ玉フ、又道安ハ、トヂ目モ蓋置ノ目モ客付ニセヨトナリ、イカヤウカ決定スベキカト問候 ヘバ、 易云、惣而道具ダヽミニテモ棚ニテモ、道具ヲカザリツクニモ、炭ヲツギ茶ヲ立ルニモ、…

南方録12

小座敷の話。 ○小座敷ノ料理ハ、汁一ツ、サイ二カ・三ツカ、酒モカロクニスベシ、ワビ座敷ノ料理ダテ不相應ナリ、勿論取合ノコク・ウスキコトハ茶湯同前ノ心得也、 ○小座敷ノ花入ハ竹ノ筒、籠・フクベナトヨシ、カネノ物ハ、凡四疊半ニヨシ、小座敷ニモ自然…

南方録11

○掛物ほど第一の道具ハなし、客・亭主共ニ茶の湯三昧の一心得道の物也、墨跡を第一とす、 超有名な一節である。…もしかすると現代の茶の湯をこんな風にした一節である。天正の茶の湯は、必ずしも墨跡を掛けるとは決まっていなかった。 墨跡は愛好されたが、…

南方録10

○名物のかけ物所持の輩ハ、床の心得あり、 横物にて上下つまりたらば床の天井を下げ、竪物にてあまるほどならば天井をあげてよし、 別のかけ物の時、あしき事少もいとふべからず、 秘蔵名物にさへ恰好よけれバよき也、 繪にハ右繪・左繪あり、座敷のむきによ…

南方録9

○小座敷の道具ハ、よろづ事たらぬがよし、少の損シも嫌ふ人あり、一向不心得の事也、 今やきなどのわれひヾきたるは用ひがたし、唐の茶入などやうのしかるべき道具ハ、うるしつぎしても一段用ひ來り候也、 四畳半以下の侘び茶の道具は、なんか足りない感じで…

南方録8

○曉ノ火アイトテ大事ニス、 コレ三炭ノ大秘事ナリ、 「覚書」に秘事書いちゃうのはいかがなものか。 …「覚書」書いた段階での宗啓の伝授状況はどうだったんだろう? 秘奥まで進んだ後だったんだろうか? 易ノ云、曉ノ湯相ナレバトテ、宵ヨリ湯ヲワカス人アリ…

南方録7

○或人、炉ト風爐、夏・冬茶湯ノ心持、極意ヲ承タキト宗易ニ問ワレシニ、 易コタヘニ、夏ハイカニモ涼シキヨウニ、冬ハイカニモアタヽカナルヤウニ、炭ハ湯ノワクヤウニ、茶ハ服ノヨキヤウニ、コレニテ秘事ハスミ候申サレシニ、 問人不興シテ、ソレハ誰モ合点…

南方録6

○小座敷の花ハかならず一色を一枝か二枝かろくいけたるがよし、 勿論花によりてふわ/\といけたるもよけれど、本意は景氣をのミ好む心いや也、 四疊半にも成てハ、花により二色もゆるすべしとそ、 茶の湯の花は一色、というのは当時でも当然の感覚だったと…

南方録5

○露地ノ出入ハ、客も亭主もゲタヲハクコト、紹鴎ノ定メ也 草木ノ露フカキ所往來スルユヘ、如是、互ニクツノ音、功名不功物ヲキヽシルト云ヽ、カシガマシクナキヤウニ、又サシアシスルヤウニモナクテ、ヲダヤカニ無心ナルガ巧者トシルベシ、得心ノ人ナラデ批…

南方録4

○露地ニ水うつ事、大凡に心得べからず、茶の湯の肝要、たヾこの三炭・三露にあり、 能ゝ巧者ならでハ、會ごとに思ふやうに成がたき也、 大概をいはヾ、客露地入の前一度、中立の前一度、會すミて客たゝるゝ時分一度、都合三度也、 昼、夜、三度の水、すべて…

南方録3

第3センテンスは南坊宗啓までの茶人の系譜である。 ざっくり省略して最後の所。 (略) 愚僧モ二代ノ菴主、南ノ坊ト申テ、茶修業ノミノ隱者、大笑ゝゝ、 南方録の「覚書」は、南坊宗啓が茶の湯に関し利休から学んだことを書き記し、 最終的に利休に内容確認し…

南方録2

第2センテンス。 ○宗易へ茶に參れば、必手水鉢の水を自身手桶にてはこび入らるゝほどに、子細を問候へば、易のいはく、露地にて亭主の初の所作に水を運び、脚も初の所作に手水をつかふ、これ露地・草庵の大本也、 手水鉢の心得え。利休の茶では亭主が手桶を…

南方録

何回か扱ったことのある南方録。偽書である、とか、そういったいろいろを忘れて、茶の湯の思想書として肯定的に読み直してみる。当然、覚書から。 ○宗易ある時、集雲庵にて茶湯物語ありしに、茶湯は臺子を根本とすることなれども、心の至る所は、草の小座敷…

実山の動機

南方録には、大別して三つの位置付けがある、と私は考えている。 実山が入手した真の利休茶書である。 実山かその周辺が書いた偽書である。 誰かが書いた偽書で、実山はだまされたのである。 場合分けとしてはこんなもんであろう。九州の事蹟が多いなどの理…

南方録と立花実山11

「南方録」は実山の編集あるいは著作ではないかといわれながらも、それを直接的に裏づける資料は未だ見つかっていない。 しかし実山の死より四、五十年後の福岡の茶人許斐積翠が著した「南派茶伝集」の中に次のような史料を見つけることができた。実(山)公在…

6月の展覧会

うーん、宇和島の気になる…。 東京近郊 期間 タイトル 備考 出光美術館 -6/4 茶の湯のうつわ 出光美術館 6/10-7/17 水墨の風 畠山記念館 -6/18 茶の湯の名品 根津美術館 -7/2 はじめての古美術鑑賞 五島美術館 6/24-7/30 料紙のよそおい 静嘉堂文庫美術館 6/…

南方録と立花実山10

「ふすべ茶湯」とは自然の風物を背景にして催す茶会であり、 土を掘って石を組んで炉を造り、また樹の枝に釜をつるしたり松葉や柴をくすべて湯を沸かすなど、季節によって場所によって工夫を凝らすところに妙味があるという最も野趣豊かな野点のことである。…