2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

6月の展覧会

目黒美術館の紅心 小堀宗慶展。来る道具すげえよ?馬蝗絆に喜左衛門井戸に柴田井戸、山の端に初花に遅桜。各美術館等の目玉が勢ぞろい、みたいな。どんだけ人脈凄いんだ。 実は先代はそんな嫌いじゃない私。この際龍光院の曜変天目も見たかったっス。 東京 …

禅心の茶と書

古田紹欽/春秋社/1957年。古田先生はこ難しい事を、よりこ難しく説明する、という根本的に間違っちゃってる人。前半は、禅僧と禅語の解釈。 内容は通り一辺倒なので説明は省く。後半は、禅僧とその墨蹟。 墨蹟と書道の書の違いに関し、簡単には言及してくれ…

東山殿と闘茶

私は、足利義政が珠光にお茶を学んだ、という事を信じていない。理由。証拠がないから。 それはそれとして置いといて、もし、足利義政が誰かにお茶を習ったとする。でも、珠光を奈良から呼び出してまで茶を学ぶ必要ってどこにあったんだろう?近所にいくらで…

茶の湯散歩−茶人の足跡再発見

黒田宗光/淡交社/1994年。堺での茶の湯の創始から、織田信長、秀吉の天下取り、利休の台頭から死。 そういった歴史の流れにしたがって、その時々のエピソードの紹介と、その場所の紹介、が書かれた本である。とはいえ。黒田さんのちょっとだらだらした歴史蘊…

實業之日本 昭和十二年 一月十五日号

古本屋でたまたま見掛け購入。 戦前の近代数寄者に関して、なんか載っているかな?と思ってね。まず巻頭グラビア部分に「名士の御庭拝見その二」というコーナーがあり、南禅寺の稲畑勝太郎所有の和楽園と、野村徳七氏所有の碧雲荘が写真付きで紹介。和楽園は…

漆の層

春になって、気温が上がって、漆が乾く様になった。漆を塗り重ねる、というのは、とどのつまり、こういう事だ。 下の層に、筆や刷毛で新しい塗膜を重ねる。 筆目、刷毛目ができるので、それを削り落す。すると新たな平滑面ができる…筈なんだけど。実際はそう…

茶室−もてなしの空間−

佐藤京子/相模書房/1995年。「まえがき」を読んでいて、嫌な予感がした。 茶室を造形空間としてとらえてみれば、そこに展開される空間構成の巧みな技の冴えをつよく感ずるとともに、驚嘆することばかりである。 文章としてもどうか、という部分あるが、当り…

日曜美術館 大名家とアート

東京国立博物館「細川家の至宝」連動の細川家持ち上げ企画。録画ミスによる一週遅れの感想文。茶関連は利休フォロワーの、細川"ヤンデレ"忠興を中心に話は進む。 んで肥後古流の紹介。三指突くおじぎ、は武家茶道の草の礼としては「ごくごくふつー」。 釜の…

スーパーゲル

私の足の甲には、中央にわずかな突起がある。 よくわかんないけど、第2楔状骨が突出している、のかな?どんな感じか足を写真に撮ったのだが、なんか生々しいのでヤメ。 さて、正座すると、この突起が畳に突き刺さり、皮膚が破れそうな激痛が走る。 痺れと別…

宗春行状記

海音寺潮五郎/富士見書房/1990年。ただしこの本と「尾藩勤皇伝流」と「吉宗と宗春」は「風流大名」の改題らしい。ややこしい。海音寺潮五郎を扱うのに茶道太閤記、ではなくてこれにしたのは、どこぞで名古屋の気風、茶道隆盛が徳川宗春の治世に由来する、…

シリコンへら

100円ショップで買ったシリコンへら(ミニ)。 これは羽の替わりにならんだろうか?茶漏斗も、小さい金属のは使いにくいので、ハンズで理科実験用の漏斗を買った。んで、口が小さいので、先を切断。試してみた。お茶自体は結構綺麗に掃ける。これはかなりいい…

料理用ハケ(小)

100円ショップで料理用のハケ(小)を購入。 あと金属の漏斗。これで羽&茶漏斗の替わりにならんか試してみた。漏斗に掃いた茶を入れ、ハケで落す。 漏斗の先が細いので、若干落しにくい。が、まぁなんとかなった。しかし、ハケの隙間に残された抹茶がいつまで…

綺麗に切った炭

なぜ、炭を寸法通りに綺麗に切る必要があるのだろうか?炭を綺麗に切り揃える理由は、以下の三つが考えられる。 炭手前の様式化の為 拝見の時にかっこいい 一定の量と形状の炭を用意する事で、安定した火力を得る。 なんとなく、1、ついでに2の理由の方が大…

炭切り

割りぎっちょとか、そういう事で、お茶の世界では炭は望む長さに切断するもの、らしい。手元にあるのは、半端物の切り落とし炭なので、割ったのがない。なので、自分で切る事にした。炭を切るには“炭切り鋸”というのがいるらしいのだが、どこで購入できる物…

根津美術館 国宝燕子花図屏風

根津さんは、超大金持ちなのに、遅れて数寄者になったが為に、 「嘉一郎、午後ティーとコロッケパン買ってくるでゲス…シェッシェッシェッ」 みたいな事言われてたんじゃないかと思える、なんかパシリイメージの人。 そんな根津さんとこの、琳派の屏風の展示(…

漆職人の昭和史

森伊佐雄/新潮社/1992年。宮城県古川市の漆職人の語る昔話。漆職人、というより、漆塗り屋の息子が老職人の引退で慌てて漆職人になる話、という方が正しいか。職人の生活とはどんなものか? 木地師や漆掻き職人とのつき合い。 いろいろ面白い。特に、柿渋下…

合理

お茶の点前は、単なる礼式の様でも、それぞれ意味が在って、実は合理的なもんなんですよ、と門外の人に言ったりしませんか?でもそれって本当かな?例えば裏千家、風炉薄茶平点前の場合、 茶を茶碗に入れ、茶杓は棗の上に置く。 水指の蓋を取る 柄杓で湯を汲…

手水の使い方

私は時々、変な事が気になる。手水を使う時。 右手で柄杓を取る。 右手の柄杓で水を汲む 右手の柄杓の水の半分で、左手を清める。 右手の柄杓を左手に渡す。 左手の柄杓の残りの水で、右手を清める。 左手の柄杓を右手に渡す。 右手の柄杓で水を汲む 右手の…

「せんしゅうらく」とりあえず1年経ったので、茶杓の銘終了、なのだ。

日本人は、何でも道にしてしまう。茶道、華道、香道などの芸能、柔道、剣道などのスポーツで、「道」と明示的についているものはもちろん、野球道だったり、ゴルフ道だったり、まんが道だったり(違うか)、この世のあらゆる作業に道と言うのは用意されている…

「せいらん」

ニッポンの縁起食

柳原一成、柳原紀子/NHK出版/2007年。江戸懐石近茶流宗家夫妻の語る、日本の縁起食。赤飯を炊くのは何故か。 雛祭りの料理のエロさ。みたいな事が書いてある。とりあえず、蘊蓄は増えるよ、この本読むと。なお紫蘇を「ゆかり」と言うのは近茶流さんがはじめ…

出羽桜美術館

ホームページの作りが悪く、いったい何の展示をやってんだかさっぱり伝わって来ない出羽桜美術館。http://www.dewazakura.co.jp/museum.htm 行ってみると、天童の駅から遠い遠い。 歩いて行くのは止めといた方がいいね、ここは。たくさん歩いて到着したのは…

「うすぐもり」

「あんうんはれる」

かみのやま温泉

所要あって山形へ。かみのやま温泉に宿泊。この温泉地で、数寄の面で予期せぬ喜びがあったので報告。まず春雨庵。ここは沢庵和尚が紫衣事件の時に流刑された場所で、地元の領主が沢庵に庵を寄進したそうな。で、その庵、が再現されている。そこに、茶室が二…

「ゆけむり」

温泉にて

どぶん。男湯では、脱衣場から入って来ると、洗い場に向かわず、そのまま湯舟に使ってしまう、という人は結構居る。ちなみに私は全身洗わないと湯舟に入らない主義だ。だから、私が洗い場で表面積の多い全身を洗っている間に、うしろでどぶん、どぶんと体を…

「とおりあめ」

自慢できる茶室をつくるために

根岸照彦/淡交社/1986年。タイトルは「ろくでもない茶室を作らないために」の言い替えである。中は、淡々とお茶室を作る時の注意事項が書かれている。 語り口が面白く、楽しく読める。中板は、炉を閉じる時に木目を繋げる為に、長く高価な一枚板が必要、とか…