2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

10月の展覧会

秋本番、って感じで盛況です。でも怪我とかで全然行けなかった。これから取り返せるかなー? 東京 期間 タイトル 備考 五島美術館 -10/24 茶道具の精華 出光美術館 -11/3 仙涯 禅とユーモア 畠山記念館 10/9-12/19 織部が愛した茶碗 高麗 割高台 根津美術館 …

弱者の気持ち

ちょいと不注意で足を怪我した。もうほとんど直ったんだけど、しばらく松葉杖ついて歩いてた。 さて。松葉杖ついてても仕事しなきゃならかった時のお話。 電車に乗る。普通の座席の前に立って席を譲られるのも気マヅイので、優先座席の方に行く。 たまたま優…

迎え付け

お茶事の手本 風炉編から、迎え付けの風景。 正午の茶事/武者小路千家: 門をはさんで正客と向かい合ってしゃがみ、無言の一礼を交わす。 初風炉/遠州流: 寄付の戸を静かに開け、羽箒で敷居をひと掃きし、黙礼して茶室へ戻る。 朝茶/江戸千家: 一同終始無…

お茶人の友 お茶事の手本 風炉編

世界文化社/1981年。 ハンドブック形式で、風炉のお茶事の実例をいろいろ載せてくれている本。しかも実例に使われているのが田中仙翁、千宗屋、小堀宗慶、川上閑雪、松尾宗倫、という錚々たる面々。千宗屋だけは亭主を佐伯良一という人を亭主に出していたが…

しんじゅく一色

いつの間にか、しんじゅく一色が業態変更していた。 http://www.shinjuku-isshiki.com/top.php しんじゅく一色ビル、なんて持ちビルを持っているのに、そこでの店舗販売を辞める、という事みたいだ。 もっとも: 完全予約制のお得意様サロンを設置致します …

茶道具をそろえる

別冊家庭画報/世界文化社/1982年。 茶道具をどうそろえて行けばいいのか。金のある茶人には大きなテーマだが、侘びの茶人にはいっそう大きなテーマだ。 そう思って買ったのだが、これは役には立たないや。 序文では堀内宗完宗匠が 昔から、道具はその分に応…

直伝和の極意「裏千家暮らしにお茶の楽しみを」第8回

第8回は「茶会の楽しみ」。わきあいあいとした流し点の風景。 風炉の流し点ははじめて見たのかな?簡単そうで、でも楽しそうで、これはこれでイイネ!多分、うちの流派にはないだろうけど、真似する分には構うまいて。 しかし、正客が呑みはじめてから次客が…

茶人言行録8 お茶の弊害

小早川隆景について。 (前略) 平素好茶事、 (中略) 遂斷不復爲、 (後略) 原典は野史。お茶好きだった小早川隆景が、茶の弊害に愛想をつかせて茶を辞めた、という話。どういう弊害か。 之は單に隆景の生存時代にのみ生じたる不祥事ではなく、三百年の後の今日…

茶人言行録7 遠州の醜聞

小堀政一について。 小堀遠江守政一は五畿内の總代官なりしにいかなる故にや、急に御納所の勘定被仰付しに夥敷引負有て既に家滅亡に及ばんとせし所に、 (後略) 原典は細川家玉露叢。 細川家所蔵の飛鳥川の茶入は、小堀遠州が公金使い込んでやばくなった所に…

茶人言行録6 織部の破滅

古田重能について。 織部正は古き玩器の全きをば餘りに思ふ所なしとて好まず、 (中略) 松平伊豆守信綱の實父大河内金兵衛久綱常にかたへの人に言ひしは、必ず禍に罹りて死すべき者なりといひき、 (後略) 原典は藩翰譜。 藩翰譜では織部を茶道具を壊しては自…

茶人言行録5 華麗なる黒田正圓

千家十職の黒田正玄。その先祖、黒田正圓の項にこうある。 黒田正圓、正玄二男、住京都、受茶法於小堀政一、動作活様、茶事無枯稿之意、嘗在衆座曰、凡技藝所病者、壮即雅麗、老即枯淡、衆藝皆然、諸友倶議、我茶事過華麗、我窺悦之、聞人皆服 原典は茶家系…

京都 天下無双の別荘群

NHK BShiの特集番組。 野村美術館に行く途中、豪華なお屋敷があるのは気付いていた。特に何有荘は目立つもんね。 そういうお屋敷の特集。 最初は細川さんが案内する自分とこの別荘。武家らしくひどく地味。 あとででてくる実業家達の豪勢なお屋敷に比べると…

茶人言行録4 瀬田掃部の茶杓

徳川家康の項に、瀬田掃部の茶杓に関するエピソードがある。 一日、氏郷見享茶於瀬田正忠、而瀉血數斤、竟得疾、(中略) 他日、東照公聞氏郷薨、命悉取瀬田掃部所製茶匙、破折擲棄云、 原典は野史。 つまり、瀬田掃部が茶室で蒲生氏郷を毒殺した。後にそれを…

直伝和の極意「裏千家暮らしにお茶の楽しみを」第七回

今回はお菓子の作り方。老松の職人が作る、薯蕷練切。 関西では「こなし」だと思っていたんだけどなぁ。 でも、つくね芋の薯蕷練切の方が、手亡豆の白餡よりもずっと入手しやすい、という配慮なのかもしんない。あと、白餡より薯蕷練切の方が、きれいな白だ…

茶人言行録3 将軍のお茶

井伊直澄について。 寛文九年家綱公御手前にて光圀卿へ御茶を下さる時、御相伴は井伊直澄なり、 御自身則御茶なれば、相公も掃部へと讓らるゝ事もならず、されど大服なれば引兼給ひし故、掃部頭かゝる御坐に列なり奉らずば争で御茶を拜領申すべき、 御殘りを…

てとりなべ おのれはくちが さしでたぞ

てとりなべ おのれはくちが さしでたぞ ぞうすいたくとひとにかたるな いろいろな本で、一路庵禅海だったり、粟田口善法だったり、あるいはうっかりすると丿貫だったり、いろんな人が詠んだ事になってる句。 最初の部分が“手取りめよ”だったり“手取り釜”だっ…

茶人言行録2 手取鍋

茶人言行録では「手取鍋の侘び茶人」と称される者を三人紹介している。 一路庵禅海(原典:堺鑑) 大津道観(原典:野史、安澹泊史論) 粟田口善法(原典:野史、叢語) 本書が単なる人名辞典で終わらないのは、この三人に対し、調査や検討を惜しんでいない事であ…

茶人言行録

石田誠齋/河原書店/1937年。茶人の逸話集というのはいろいろあるけど、この本の記載ルールは大変優れている。 逸話原文 引用元の明記 考証 例えばこんな感じ。 細川幽齋蒲生氏郷、嘗聞幽齋多蓄蔵茶具、使人請觀其器、(中略)乃出數品視焉(野史) 此茶入元來は…

茶道用語集

井口海仙/淡交新社/1962年。私は井口海仙、という人が何だか好きだ。 なので、井口海仙の魅力をみんなに伝えたい。 茶道用語集は、その井口海仙の編纂した茶道用語辞典である。 会所 かいしょ茶道が完成されない足利時代初期では、闘茶や連歌を催す場所を会…

数寄屋の思考

石井和紘/鹿島出版会/1985年。 建築家の書いた、数寄屋に関する本。ぶっちゃけ「夢色☆クラシック」。 ページを開くと章題が「絶対的遊戯者の皮膜」とかで萎える。 草庵茶室のクリスタルともいうべき一畳台目は茶室の極限である。 (中略) 私は利休の到達した…

直伝和の極意「裏千家暮らしにお茶の楽しみを」第六回

盆略→風炉の運び→炭点前→涼を呼ぶ→テーブル→今回は点心&次回は菓子。 うむ。やっぱよく判らん構成だ。懐石にせず点心。座敷にせずテーブル。と言うことは気軽な懐石をどう構成するか、という話か。…なら炭省略すりゃいいのに。行にしたいのか草に崩したいの…

しろうと骨董道楽のすすめ

杉江唐一/池田書店/1981年。 古美術や骨董に関する本は、ずいぶん読んでいる。 よい著書が多いので感服するが、自分の蒐集品を書いた本には申し合わせたような共通点があり、それを読むたびに首をかしげたくなる。 おのれの蒐集品に対する自画自賛、うぬぼれ…

トンデモ名水

「水からの伝言」というのがある。内容は紹介しない、が、なにがし庵はこーゆー疑似科学とか信じない奴である事は言っておくぜ。せっかくだからな。 でも、お茶をやっている人でそーゆーの信じている人とか、いそうである。 …… 「おや、水指にしめ縄が。本日…

古作 茶の湯釜

細見古香庵/徳間書店/1964年。細見古香庵は細見美術館のコレクションの元になった人。 「茶の湯の釜」の長野垤志とも交流して書いた本の様。 http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20091030長野垤志が徹底したフィールドワークをしていたのに対し、細見古香庵…

茶道具の愉しみ

池田瓢阿/主婦の友社/1985年。 二代目池田瓢阿のエッセー集。池田瓢阿の考えた事、出会った事が綴られている。 例えば加藤泰造と青山二郎の厳しい交流の場。 「先生、その水指をどけてちょっと御覧になって下さい」 「は?」 「水指をちょっと動かして長板を…

burieさんちでお茶を

burieさんにお招き頂く。 御趣旨その他、私からは触れない。ただただ、ありがとうございました、お茶話いろいろできて楽しうございました、と申し上げたい。 さて、茶話の中で出たネタを一つ。 おむすびがいきなり出てくる茶事はどうかなぁ?という話の中で…

やきものの秘密とナゾ

田賀井秀夫/三修社/1980年。 焼物の製法や、歴史に関する考察をまとめたもの。例えば: 井戸茶碗は朝鮮のサバルと同じか日本では井戸茶碗はこうして茶人に尊重されたわけですが、朝鮮では日用雑器として使われていたようです。 (中略) 朝鮮生まれの作家金達…

直伝和の極意「裏千家暮らしにお茶の楽しみを」第五回

今回は「生活空間で気軽にお茶を」。 おお、ようやくテーマタイトルっぽくなりました。 まずは光華中学三年の茶の湯の授業。三年で盆略点前〜薄茶点前、という事だが、中三が盆略してたって事は、中三でスタートして高二で終了だろうか?学校机で点てたお茶…

茶懐石

魚谷常吉/河原書店/1936年。神戸の料亭主人の書いた、懐石の本。 …という事は関西風懐石の本、という事になるのかな? もちろん、料理のレシピがいろいろと載っているわけだけど: 猶この煮物は、如何に御馳走であるとは申し乍ら、餘りに大量になるのは考へ…

ダンボールハウス

長嶋千聡/ポプラ社/2005年。 侘びとは、本来、貧乏の事である。 我々は侘びの草庵茶室について語る時、「中途半端な侘び」を前提に茶室を評価している、と思う。 だって、床柱の材質が云々、なんて言っている侘び茶人はエセ侘びであり、貧乏ごっこを徹底でき…