2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

8月の展覧会

夏枯れ…のはずが、関東中心にそれなりの状況ですな。 というか、8月から秋は始まっている、とみるべきか? 東京 期間 タイトル 備考 五島美術館 -8/8 陶芸の美 日本・中国・朝鮮展 五島美術館 8/28-10/24 茶道具の精華 畠山記念館 -9/20 涼を愉しむ 書画・茶…

茶道献立集

古本を漁っていると「茶書は古けりゃ古いだけよろしい!」という、意味不明な陥穽に陥っている自分に気付く。 テカテカのコート紙の背表紙を前にするより、擦り切れた布表紙の前に立つ方が興奮する。布表紙より薄汚れた和綴じの山の前の方がもっと興奮する。…

新宿歴史博物館 酒井忠勝と小浜藩矢来屋敷

かって新宿区に存在した大名酒井家…に関する資料展示。 家光からの書状とかが展示されているが、「此天下ごんげん様の」とかの書き出しで、家光どんだけ家康好きなんだ、とか思える。 それはさておき。 茶道具は二点、展示されている。 ひとつは「師匠坊肩衝…

黒田家と南方録

私の茶道史の解釈では: 1580年以前。茶の湯は割とおもしろおかしいものだった。1580年頃、突然千利休という男が現れ、茶の湯に改革をもたらし、人気者となった。1590年頃、古田織部という男が茶の湯をやや武家向きに変えて人気者となった。それ以降、遠州や…

茶の湯と筑前

松岡博和/海鳥社/2010年。 表題通り、筑前国…というか福岡市というか博多と茶道のかかわりを書いた本。 力作でかなり読みごたえがある。 場所柄、当然ながら、話の軸は神屋宗湛と、南方録の立花実山の一族を中心に進む。 立花実山が京都大文字屋から妻を貰っ…

年中行事

カレンダーを読み返す。新暦と密接に関係している休日は、春分と秋分がある。しかし、毎年の変動は許容されている。二十四節気の様に、カレンダーに無いイベントでも毎年の変動が許容されているものは多い。じゃあ旧暦と密接に関係している休日はどうか、と…

片口

片口を茶碗として出す事ができる、という。 私はまだ出した事も出された事もない。 でも、片口を使えば、いかにも「見立てで使ってます、よろしく」みたいで、ちょっと楽しい感じがする。 片口に蓋を付けて水指にする事もできる。片口を水注に使っていた時代…

源喜堂書店古書目録

神保町の源喜堂書店が出している目録。A4で178ページ。立派な本で1500円の値が付いているが、時期遅れなのか200円で売っていた。 古書もいろいろあるけれど、中には茶道具に使えそうなお軸も含まれている。 武野紹鴎消息幅 33万円。…安。紹鴎の消息って、茶…

子供の茶

私の稽古場では、小学生に上がったばかり、くらいのおこちゃまも稽古している。 非力な彼女が点ててくれるお茶は、やわらかい口当りでおいしい。ちとヌルいけど。 もしかして自分は、一生懸命にお茶を点てようとして、かえっておいしくないものを作ってしま…

給湯流茶道

ちょっと東京を離れていた(あ、小笠原は東京か)。そんな気づかぬ間にトーキョーワッショイのサイトに:http://tkyw.jp/ いつの間にか?「給湯流茶道」という記事が。 【給湯流1】茶道をお金持ちおばさんから開放せよ! http://tkyw.jp/archives/9000000_910…

楽水園

博多、キャナルシティ。…うわついた場所の近く、その公園はあった。http://www.azd-g.co.jp/shitei-kanri/rakusuien/ 元々、明治期の博多商人の庭を整備したものらしい。池泉廻遊式の庭。茶庭。んで、復元茶室。 正直、庭もそれほど凄くない。茶庭も、ごく普…

福岡市美術館 漆芸の極み−蒔絵 + 田中丸コレクション

「漆芸の極み−蒔絵」は割と大名道具系のごってり蒔絵のコレクション。純粋に茶道具なのは2個だけ、かな。 菊文蒔絵螺鈿入四方香合。比較的「よくあるー」って感じの蒔絵の四角い香合。 柳桜文蒔絵棗。全面に蒔絵のかかったゴージャスな棗。 上蓋の蒔絵の銀が…

福岡市美術館 茶人 松永安左エ門

福岡市美術館に寄贈された耳庵のコレクション。 さほど量はないのか毎度毎度似た道具組を工夫で頑張っているって感じ。でもなかなか好感もてる。今回は耳庵の茶会記を中心に、そこ出て来る道具を中心に、耳庵の茶風に迫ろう、という展示である。 柿蔕茶碗「…

福岡市美術館 シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展

福岡市美術館で開催されている「茶人 松永安左エ門」。行ってみたら表題の展示会が巡回してたので、せっかくなのでまずはそちらへ。 屏風にお軸、仏像仏具に面、陶芸に漆芸。実にいろんな名品が海の向こうに持って行かれたもんだな、というのが第一の感想。…

小笠原諸島

東京から南に1000キロ。そこに小笠原諸島はある。 空港は無いので、船で。片道25時間。あらゆるライフラインが週1で往復する船に支えられた南の島が小笠原諸島である。一度行くと、帰り便が出る4日後までは島を離れられない、と言うなんか大変な島である。 …

お知らせ

旅に出ます。ちょいと早い夏休みです。 3月に凄く遅い夏休みをとったので、その反省。一週間ちょいくらい、ブログをお休みします。長くて海の日くらいまで? ではまた。

七夕のこと

最近思う事。堀内議司男さんのblog 壷中日月長。http://gishio.tea-nifty.com/kochuan/ここのお菓子の写真は、なんかうまそう。 専門の写真スタッフでもいるのかしらん。 って事で、「七夕」がおいしそうに見えたので一幸庵に買いに行った。 残念、売り切れ…

割箸

割箸は、江戸時代から使われているグッズである。 私の持っている天保年間の伝書にも懐石の説明に「割箸付ル事」とか書いてあるので、茶道に取り入れられ、普通に使われて来たのだろう、と思う。 さて、「エコ」という立場から、割箸の使用を否定し、マイ箸…

不可得斎茶事之序 附茶と陶瓷

中尾生/寶雲舍/1939年。不可得斎茶事家元 不可得斎の三回忌に出版された、不可得斎茶事の本である。 不可得斎茶事家元 不可得斎こと、薬学博士 中尾生は、本願寺の大谷光瑞の支援を受けて、自流派を立ち上げた、らしい。 さて、不可得斎茶事とはどんな茶事か…

加賀の茶道

牧孝治/北国出版/1983年。タイトル通り、加賀の茶道についてまとめた本。 まずは加賀の歴史的な茶人。 中川宗半だとか、片岡休庵だとか、亀田是庵とか、マニアックすぎて良く判らん江戸時代の茶人達。中村記念美術館の中村栄俊、林屋辰三郎の叔父林屋林鐘庵…

灰形の歴史

鑑賞に足る風炉の灰形、というものがいつ頃成立したか?というのを考えてみる。 まず第一に。おそらく、最初期の茶の湯に風炉の灰形というのは無かったと思う。 切合風炉に鑑賞用の灰形は別に必要ないからである。 では、いつ頃成立したか? 歴史順に史料を…

灰さじ

茶話指月集によると 灰さじも、むかしは竹に土器などさしはさめるを、安、金にして柄を付けたり。休、はじめは、「道安が灰すくい、飯杓子のような」とて笑いけるが、是も後はそれを用ゆ。 灰匙を金属スプーンみたいなのにしたのは道安で、それ以前は竹に土…

灰と灰形

灰の手入れについて: そこで、ときどき篩にかけますが、目が細かすぎると灰が軽くなり、扱い難くなります。 ってあまり細かい灰は灰形作りには向かない、という事? 実験してみた。 まず、買って来たままの風炉灰。ゴミが多くて話になりません。 荒い篩でふ…

灰の技法

田中仙翁/茶道之研究社/1994年。茶道学会の灰形の作り方の本。上下巻。 まずはさすが茶道学会、と言っておく。最初は半田焙烙などに灰を入れてその中で練習しなさい、みたいな、すごく実際的な本。こんな感じ。 その説明の詳細さは山藤宗山先生の「風炉灰の…