2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

12月の展覧会

秋展示終了。今年はあんま茶道具美術館に行けんかったとですが、急遽所用で関西美術館巡りになる予定。 いろんな意味でかなりのギリギリ感。 東京 期間 タイトル 備考 三井記念美術館 12/3-1/29 室町三井家の名品 卯花墻と松の茶屋 出光美術館 -12/23 茶陶の…

茶道辭典 その4 宗旦示遺書

久田家に宗旦の書が伝わっているという。 ソウタンジイショ(宗旦示遺書) 宗旦五ヶ條 又宗旦教示とも。久田家に傳はるもので全文次の如きものである。茶の湯は昔今能所を取は目きき心かねばならぬ事也。 大昔の茶の湯書を見てする者の茶の湯其書物を鼻にあて…

茶道辭典 その3 唐物と漢作

茶道事典(1979年)で「漢作」を検索する。 漢作 (1)→唐物(2)唐物茶入 つまり唐物と漢作は同じ物を指すのだが、末宗廣のそれはちょっと違う。 カラモノ(唐物) (1)藤四郎景正が唐より將來の土、釉藥を以て尾張瓶子窯で燒いたものを云ふ。漢作参照。 (2)今日の所…

茶道辭典 その2 エクソシスト

アクマバライ(悪魔拂) 黒樂茶碗。如心齋手造七種の一。厚手で威厳備はり左入の窯である。 変な銘…。 ………。 ……。 …。 正客の首がギギギと廻り、びゅばっと緑のものを吐く(抹茶)。 「結構なお点前で」

茶道辭典

末宗廣/晃文社/1944年。戦局悪化した時期に、意外にいろいろ茶書が出版されているのが第二次大戦の不思議な所だ。現実逃避だろうか。 さて、末宗廣による裏千家の解説。 ウラセンケ(裏千家) 宗旦隠居後、今日庵に暫く居住したが、後更に又隠に移り、今日庵は…

侘びの花入

山上宗二記では、「花入の事」として以下が紹介されている。 蕪無×3 桃尻×3 そろり×3 鶴一声 槌の花入 砧花入 筒 トウ(竹冠+甬)×2 つのき 釣舟×2 全て青磁か銅の花入である。ところが、別の項目で「侘び花入」として以下が紹介されている。 手燈籠 紹鴎備前…

茶券

大寄席茶会。 大寄席茶会では事前に茶券を購入して、その券で茶席に入るのが普通。グレードによるけど、大衆的な奴は4席とか5席つづりで5千円〜8千円くらいか。 で、実際には待ち時間もあったりするし、早々に終了にしちゃう席もあったりで、3席も回れないの…

つまみ

実はこの水指に付けた蓋。作るのに1年以上掛かっている。理由。つまみが大変難産だったのだ。 水指の蓋のあの細いつまみ。どうやって作るか御存じか?私は知らなかった。 どうやら、細い蔦を曲げて作るらしい。でも、その具体的な方法はいくら調べても判らな…

自作水指

骨董市で購入したボウル。高台にボーンヘルムって書いてある様な気がする。 てことはデンマーク陶器かな? 釉の感じとか面白いが、茶碗にはでかい。 蓋を自作して水指に。うちの流派ちょいと水を使いまくる流儀なので、小さ過ぎるかも。

スーパーカー

子供の頃。スーパーカーブーム、ってのがあった。 フェラーリ512BB ランボルギーニ カウンタック LP400 ポルシェ911カレラ スーパー、今でもそう言わざるを得ない特別な車達。 小学生の私は、スーパーカーの写真を眺めては一日を過ごしていた。んで、そうい…

挽家

棗の原型は茶入の挽家だという。 でも、美術館で見る挽家は、棗と似ても似つかない形態だ。まぁ挽家まで展示されるような茶入は、漢作唐物肩衝ばっかりなので、背が高くて大きいものなのは仕方がない。漢作唐物肩衝の挽家は、棗が入りそうなくらい大きい。 ……

茶道雑話その6 天狗

井口海仙の話の中で、これは…お上品な私のブログではちょっと紹介できないな、というナニな話があった。でも紹介しちゃう。 先日、陶器師の久世久寳が來て−爐蓋を造つて上げるから、何なりと望みの型を云へ−と云ふ。 久寳が、私に爐蓋を造つてやるといふ約束…

霧吹き

水屋について書いた本はいくつも出ている。 でも、水屋で使う道具として霧吹きについてちゃんと書いたものが、ないような気がする。あ、私の読む本がやたら古いというのも理由かも知んないけど。 佐々木三味さんの「水屋」の本にはさらっと触れている程度。…

梅澤記念館の謎

梅澤記念館。 いろんな茶道美術館の展示目録で目にする、茶道具の所蔵者である。が、梅澤記念館がどこにある、どんな美術館なのかとんと判らなかった。ネットで調べても、誰も「行ったよ」という人が見付からない。「全国美術館ガイド」を調べても載っていな…

茶道雑話 その5 閑中獨言

井口海仙の語る、昭和初期の茶会の経費について。 此の頃の茶會は、やれ時代が合はぬの、時候に適せぬのと、道具の取り合せを、第一に、姦しく云ふから(中略) とにかく釜を掛け、客を招待して、先づ/\無難なお釜で……と云はれるには、すくなくとも、二百圓…

茶道雑話 その4 茶わん

海仙がある茶会で遭遇したできごと。 ある日、ある茶會で、私は、慶入の茶碗で、薄茶を飲んでゐた。 茶碗は、私の兩の掌に、コツソリ入る位の大きさで、ジツと持つてゐると、湯の温みが、やはらかい土の豊肌を通してほのかに、掌に傳つてくる。 私は其快い感…

茶道雑話 その3 桂籠異聞

赤穂浪士の討ち入りの時、偽首になった桂籠について。 今晩庵雑記という玄々斎の業體だった人の手記から知った異説を紹介してくれている。 それによると、討ち入り當時、宗偏は、吉良邸に宿つていた。 門の扉を打ち破る物音に目を覚ました宗偏は、サテこそ赤…

茶道雑話 その2 たばこ

圓能斎の遺品としてもらった煙草盆の話から、たばこについて調べ出した井口海仙。 その時分、茶道具等に興味がなかつたので、遺品分けの時、自分からすゝんで、此の煙草盆一つを貰つたのだ。 24歳の井口海仙には、茶より煙草ってことだったのか。 裏千家の形…

茶道雑話

井口海仙/河原書店/1936年。戦前の茶道月報に寄稿したエッセイをまとめたもの。 今回は「春臺と信充」を紹介。ここでいう春臺は、太宰春台のこと。以下で紹介した茶に反感を持つ儒者である。http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20100406 http://d.hatena.ne.…

帛紗挟み

帛紗挟み、って何だろう。そう疑問に思ったので調べたんだけど、茶道辞典にも帛紗挟みの項目はない。 私は帛紗挟み、は、着物の「懐」の代用だと思っている。 ただ、NHK趣味悠々の藪内の回だと思うのだが、着物の客が、帛紗挟みを席に持ち込んでいるのを見て…

技−手づくり一筋

飯田一男/東京図書/1981年。私は職人に関する本が好きで、良く読んでいる。 自作茶道具のヒントになったりもするしね。で、そのつもりでこの本を買ったが、割と意外なラインナップで茶道具系の知見としてはあまり役には立たなかった。 伝統系でない職人…「廃…

茶杓の作意

さて、昨日の茶杓ですが、銘は“てんごう”すなわち悪ふざけ。 実は税込み630円の茶杓をちゃちゃっと削って見所っぽい傷を付けて、透き漆をまだらに拭いたものです。元はこんなの↓ アートナイフでさくっと削ってモーターツールでギャーと仕上げて。漆を乾かす…

てんごう

茶杓。銘:てんごう

碧眼随想その2 古道具屋

本書の著者は、日本に来て3年で、花や茶を嗜み三味線と琴も習いに行っている。 しかしたった3年で日本文化を見抜き過ぎです。 古道具屋 むずかしい"掘出し"ジャングルみたいにまっくら ということで古道具屋について。 日本にいろいろのミセありますけれど一…

碧眼随想−日本生活見聞記−

MARTIN B.PRAY/春陽堂書店/1953年。昭和20年代に青山大学教授として3年日本に滞在したガイジンの随想録。日本で出会ったいろんな事に関してエッセイを書いています。でもこのガイジン、とてつもなく鋭いですよ? オ茶 免状のティー、イエモト・システムは商…

らくご

ある茶会の朝。 こんな私でも早起きして着物を着て、茶会の場所へ向かうのですよ。 と、家を出た所で、お隣のおばちゃんと遭遇する。 おばちゃんは植木鉢の手入れ中。 おばちゃん、ためすがめす私を見た後言った。「高座ですか?」 お茶帰りのある夜。馴染み…

茶の湯古今春秋 その8 夜桜茶会

夜桜茶会のテーマは、釣釜。著者は言う。 松屋会記の慶長十三年の釣釜の茶会を最後にして、釣釜が出てこないので、慶長十三年までの茶会について述べる事にしよう。 (中略) このうち釣釜は、一、0二八会で、二七パーセントである。 夏の釣釜は、非常に少な…

茶の湯古今春秋 その7 利休の点前

利休の点前の再現茶会。といっても、利休と同時代の道具を集めただけで、どう利休の点前が再現できていたかは良く判らなかった。でも、以下の文は注目であろう。 数江さんの説だと、利休時代の濃茶は、今のように濃くない。 江岑夏書によると、左手を膝にお…

茶の湯古今春秋 その6 江岑三百年忌茶会

江岑宗左の三百年忌茶会。まぁ茶会の内容はどうでもいい。今回問題にしたいのは“江岑織部流覚書”である。 この覚書は、江岑が良休に与えた、織部流の伝書に対し表の流儀がどう違うのかを書いたものである。表千家家元から著者が借り出した書なので、まぁ江岑…

吉左衛門X

本ブログはあくまでも私の為の覚書、という位置付けで書いている。 毎月末に翌月の茶道系美術館の催しを書いているが、私の興味の有無、という視点で書いているの為に大きなバイアスが掛かっている。 伊万里とか全然興味ないので、戸栗美術館とかは一切無視…