2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

茶の湯作法2 茶の湯本來無差別

また現今の社會−これは現今でなくとも何時の世何れの時代に在つても同じことでありますが、殊に現代に於ては階級意識といふやうなものがあつて、私共は偶々不愉快を感じるやうなことがあるのであります。 (中略) 斯ういふ點から考へますると、茶の湯には差別…

茶の湯作法

亀山宗月/榎本書房/1928年。富貴庵旭亭のではない、別の本。 ややこしい。 本書は裏千家亀山宗月が、昭和2年にNHK(当時東京中央放送局)で放送したラジオ講座を元にした著作。NHKがラジオを開始したのは1925年。ラジオは普及途上で、おそらく金持ちの聞くもの…

8月の展覧会

基本的に夏枯れ。 気になる展示と言えば…備前長船刀剣博物館「ヱヴァンゲリヲンと日本刀」だな。http://www.city.setouchi.lg.jp/~osa-token/ …お茶関係ないけど。日本刀匠会「魔法の刀匠鍛冶屋シスターズ」も併せてお読みください。http://www.tousyoukai.j…

残菜

懐石では、できるだけ食べカスが出ない様な料理が要求される。魚の骨は抜き、食べれない部分は切り取る。…。残菜が残るような料理はどうしてダメなんだろう?本膳料理にはその縛りは無かったはずだ。 もしかすると禅の精進料理の関係だろうか? 野菜食ってる…

茶の湯作法8 道具の拝見

この本の教える道具の拝見もちょっと変わっている。 (ト)正客『お形は何形でございます』と尋ねる。 此の時も主人は棗の形を答ふ。 つまり丸形の棗なれば『丸形でございます』と答ふ如し。 丸形の棗…? 日の丸とかの事だろうか? (リ)正客『御作は何處でござ…

茶の湯作法7 茶を汲む

こんどは不思議な濃茶のお茶の汲み方。 順序として茶の入れ方から申します。 先づ茶碗を置きまして、左手にて茶入を持ち少しく横にして茶入の口を茶碗の左縁の上へすれすれ位にして持ちかためます。 そして右手にて茶杓を持ち、茶入の中から茶を汲み茶碗に入…

茶の湯作法6 茶杓を払う

薄茶の仕舞の時の茶杓の拭き方。 左手にて服紗をとり、両手で服紗さばきをして左手に持つたまゝ右手にて茶杓を取りて拭く。 拭き方は折つた服紗を左掌にのせ最初一回拭いた時に服紗に茶が附着するからその附着した部分を右手で輕くポン/\と拂ひ落す、併し…

趣味DO楽 茶の湯表千家もてなしのために8 風炉・正午の茶事(後編)

解説が生形先生にチェンジした! …中立で掛け物を巻く様なもんですかね? 亭主が花を入れる。うまいのか下手なのかよくわからん。花入+お花、両方可愛過ぎるチョイス。…カピバラ顔のおっさんの癖に。 鳴り物はしゃがんで聞く。表もそうなのね。足元の飛び石…

茶の湯作法5 建水を運ぶ

本書の著者の流派は不明。帛紗の捌き方は表千家をモデルにしていたので、表かもとか思っているのだが、なんだか知らない手続きもあるので油断できない。女点前の建水の運び方。 ふつー建水持つときはもう片手空いてるもんな。そっちで支えりゃええやん。千家…

茶の湯作法4 道具の図

茶の湯作法の紹介する道具の図。棗、と説明されているが、どうみても中次。 茶入、と説明されているが、芋の子。茶杓は笹の葉? この時代、利休形中棗や肩衝はメジャーじゃなかったんだろうか? 茶の湯の道具を代表させたら、今はそのあたりを描くよな、フツ…

茶の湯作法3 社交上より見た茶道

当時の茶道観その二。この本には「お茶をやっとくといいよ」と言う為にふたつのエピソードが紹介されている。 編者の知己に他人の世話をする事を樂しみにして居る中老人があります。 (中略) ところが或る時、その人が或る人から縁談の媒介を頼まれたのです。…

茶の湯作法2 天王山

序文から、当時の茶道観がほの見える。まずは茶の湯の「精神修養」の面について。 即ち古來より名将武家等が比較的に斯道に精進することの多きは何が故であつたでせうか。 無論、これは高尚であり、風流であり、雅致あるものとして禮讃せられたことは云ふま…

茶の湯作法

富貴庵旭亭/荻原星文館/1937年。昭和12年の茶の湯入門書。著者の流派は不明。この作者の語る茶道史はちょっと変。 珠光は南都の人。 少時南都稱名寺の僧となつたが、法業を怠り勝ちなので、十年餘で破門されて了つた、ところが、年三十の頃、紫野大徳寺に行…

趣味DO楽茶の湯表千家持て無しのために7 風炉・正午の茶事(前編)

茶事編の前編。 この季節、やたら朝茶事の話が多いので正午の茶事はうれしい。 道具の準備からはじまる、という構成がおもしろい。熊倉先生向けの案内状。…熊倉先生は前礼しにいったんだろうか? そういう部分はオミットしないでほしい。 寄付。…たたんだ羽…

出光美術館(門司) 利休と桃山茶陶

利休時代の茶道具を中心にした展示。今回の目玉は古天明菊水釜。 なんだろう?青銅器の様な、中華の香りがほのかにする。宝尽地紋甑口釜。 宝尽しの文様が全体を大きくおおっていて、とてもカワイイ雰囲気。 黒楽茶碗「黒面翁」。小ぶりな長次郎楽茶碗。赤楽…

茶の湯のこころ 利休の世界展

博多織の千年工房さんのところで開催されている表記の展覧会。http://news.1000k.jp/?eid=44利休にちなんだ道具を並べ、博多織りで表現した利休消息柄の出帛紗を販売する、と言う企画。 利休の消息や長次郎茶碗とか蘭引とかいろいろあるんだけど、ものすごい…

足捌き

大寄せの会場では、お客さまがお運びさんの所作にも注目する。 お客さまの目線は下を向いているので、足捌きに気を付けなさい。 …そんな注意を受けた。もっともなことだ。 …だが。http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20100614 お運びさんが「和服の男性でも…

大和遠州流茶道教本10 菓子

末客の戸をしめた音を合図に、茶道口の戸を亭主開け、扇子を出して「お濃茶を一服差上げます」と挨拶をし、主菓子を盛ったお菓子器を出し、(中略) 客早目にお菓子を取りて、たべて待つ。 この流派は懐石→菓子→中立→濃茶という流れではない。実は懐石の最後で…

大和遠州流茶道教本9 中立

室内の準備が出来たら、此の間に、亭主又は半東ある場合は、半東はつくばい附近の樹木に水打をして、庭の感じを生々とさせ準備ができたら大小中中大と五ツ鐘を水屋にて、亭主が打って後入りを知らせる。 此の音を聞いて、再び腰掛待合に一同集り、全員揃った…

趣味DO楽 茶の湯表千家もてなしのために6 濃茶 匠の技と道具

先週は薄茶だったが今週は濃茶の道具。まずは濃茶の頂き方。 茄子形茶入から茶杓で汲む亭主。3服くらいだと回し出しはしないのかな?できた濃茶は、拭かないでおんなじ飲み口から呑むのか。めっさ間接キッス。 うちの流派は拭くし、飲み口少しづつずらすなぁ…

大和遠州流茶道教本8 茶事の作法2

亭主は正客から順に酒をついで廻り、一巡したら、正客「こちらにおまかせ下さいまして御亭主も御相伴を」とのすヽめに、亭主、半東のある場合は、これからお通いを半東に托し、自席に膳を運び「それでは、お言葉に甘えましてお相伴させていただきます」と言…

大和遠州流茶道教本7 茶事の作法

正客腰掛に行き、たばこ盆出ている場合は、円座から降ろし正客と次客の間に置き、円座をとってそれぞれに配置し、全員腰掛け、露地其の他の風景をながめ、全員揃いたるを見て正客鳴物にて(大小 中中中中(人数分) 小大)と揃えたる事を亭主に知らせる。 …えっ…

大和遠州流茶道教本6 濃茶点前 割稽古

拭き浄めた濃茶々碗に人数分の茶を入れ、茶杓は茶碗の後半部に横一文字にのせ、茶入は軽く二度ポンポンとたたいて、くすり指にてくるりと口の周囲を拭き懐紙に拭い、蓋をして右手でその定座に置く。 両手を茶碗にかけ、よくほぐしひとところによせあつめて茶…

大和遠州流茶道教本5 薄茶棚物扱 丸卓飾り

水指を運ぶことなく、丸卓にのせ棚の上に飾りつける。 飾り方は六種あって、一段かざりから六段かざりまである。 一段は柄杓蓋置を丸卓上段にトの字に飾る。 二段は柄杓蓋置を丸卓上段にハの字に飾る。 三段は棗を丸卓上段に飾る。 四段は丸卓上段に棗と畳ん…

大和遠州流茶道教本4 お点前

定座につきて柄杓をとり、蓋置を据えて、その上に柄杓を引き一礼。 (中略) 茶筌出して帛紗を腰へつける。 柄杓を鏡構えにし、茶巾にて釜蓋をとり、茶巾は蓋にのせて湯を汲み茶筌通しをする。 茶巾! その手があったか!http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20…

大和遠州流茶道教本3 薄茶の飲み方

次客に会釈し、進み出て茶碗を右手でとり、左手にのせて定座にもどり、へり内八ツ目に坐り、へり外に茶碗をおき、姿勢を整えて(頂戴いたします)と言って、茶碗の横をとり、内側に二度回して押しいただき泡きりをして一口飲み、茶色をながめて(結構)と挨拶す…

大和遠州流茶道教本2 帛紗さばき

左手にて帛紗を三つにとり、ひざ上正面で上の角をとり、左ひざ角で全開す。 左手でしごき、さばいて、もう一度しごき正面に直して内側に三つにたたみ、更に二つ折とし、右手にてもう一度折り、ひざに構える。 「しごく」という言葉はあるが、遠州流の「こき…

大和遠州流茶道教本

蓼沼紫水/静月庵事務所/1968年。非売品。大和遠州流は小堀遠州の子 小堀権十郎政伊を祖とする流派。著者の蓼沼紫水は十九代家元。大正十五年に小学校訓導をしていたとあるので、もはや御存命では無いんじゃないかと思うのだが、誰が二十代目以降の家元なのか…

趣味DO楽 茶の湯表千家もてなしのために5 薄茶〜匠の技と道具

薄茶の道具編。 道具の拝見。若手アナは隣で拝見している人をガン見しすぎ。薄茶器の拝見の時、向こう側の抹茶が取られていた。 という事は、表千家は向こう側からお茶をすくうのか。 そして千家十職から中村宗哲、飛来一閑とダブル女性職人の紹介。 中村宗…

高橋箒庵と護国寺

高橋箒庵は、護国寺に茶室を寄贈し、他人にも寄贈させ、不昧の墓を作り、ここを東都の茶の総本山にしよう、と考えていた。 その甲斐あってか、護国寺は、東京で最もメジャーな大寄せの会場になったと言えるだろう。 が、それだけ。 大徳寺の様な茶との繋がり…