2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧
秋展示開始。関西のボリューム感が凄い。関東では根津が楽しみ。あと湯島はノーチェックでした。失敗失敗。 東京近郊 期間 タイトル 備考 畠山記念館 -9/13 涼づくし 根津美術館 -9/6 絵の音を聞く 清秋を楽しむ茶 根津美術館 9/19-11/3 根津青山の至宝 湯島…
入口に飾られた「名品ずらり。めっちゃええやん!」に、パチモノ関西弁のスメルを感じるが、サントリーは大阪の企業だった。虎屋化が進んでいるのかもしれない。 さて、結論から言う。藤田美術館の蔵は、親しみは持てるが、やはりあのモコモコのガラスとへっ…
客座入り作法、茶道便蒙抄に比べ大幅に増えている。 江戸時代に比べ、約束ごとの多くなったジャンルと言える。 一 座入の事。惣て能々考へざれば騒々敷ものなり 上座は正客に随て定むべし。 他流の者と客中組合たる時當流はかやう。末流は非儀などヽ思ひたる…
茶道便蒙抄にないことが、聞書にはある。便蒙抄の 一 朝會には手水つかはず。朝は會前に茶を不呑故なり。 但し時宜によるべし が 一 朝會にも手水遣ふがよし。夜深に行く故に食前薄茶呑ざれは遣ふに及ばずといへども時宜によりて遣ふべし。去ながら寒中手水…
茶の湯当日の参集のしかた。茶道便蒙抄ではこんな感じ。 第二 茶之湯に行時分の事一 朝の會は丑の中刻より以後に行く それより以前は僻事なり 乍去雪中は各別 若夜明方に成らば表に待。夜明はなれ案内を乞べし。 (略) ここでいう朝会は、夏の朝茶事ではなく…
客作法編。茶道便蒙抄ではこんな感じ。 一 茶主より何幾日に。御茶進度との状來る時。必其節可參と返状遣すべし。 (略) 亭主から「何日に御茶しますよ」と連絡が来たら「必ず参ります」と返事しなさい。え?でも都合が悪い日だってあるよね?という疑問に、…
聞書第一の最終章は「露地と塵穴」の項。 でも構成のミスなのか茶道便蒙抄にない上に「露地と塵穴」に関係ない事が入っている。 一 口切又は尊貴へ茶上る時は所々改むるなり 侘び人は茶點前の疊一疊計りを替る。 末流には客居をかへる事あしヽ。 尊貴へ上る…
茶道便蒙抄における薄茶の心得。 一 薄茶立る時ならひの心持あり 濃茶はさむる事を厭うひてさらさらと立る也 薄茶は其いとひなければしずかに爰にて茶を立る手前の心得を眞に致すべし。 惣て薄茶の立つやう一通り手熟すれば萬事の手前成能物なり。 此故に宗…
薄茶の道具について、茶道便蒙抄にはこうある。 客亭主隙にて緩々とはなしある時は薄茶立べきよしを云て、水壺持出茶を點る事なり。 其品濃茶の時とおなじ事にて。釜の蓋をしめざるものなり。 外に替る事なし。 諸道具も最前の者にてよし。 品を替ゆるは惡し…
後炭手前の際の底取りについて。茶道便蒙抄にこうある。 一 此の火直す時。爐中つかへたらば下取の土鍋を持出。 灰を取らるがよし。 當代は客より下御取あれと申すなり。 一切不心得。 下取事客への不禮にて有間敷事也 不斷茶の湯仕懸候へば時ならず灰つかゆ…
薄茶の際に、広間に移る風習について、聞書は批判している。 數奇屋を茶の別席と心得茶の湯一通り首尾能濟 御草臥にてあらん座敷へ御通り休息あれと云はん計りの仕かたなり 數奇屋は茶入の居所なり 夫へ訪ひむつましく語ることなり 然るに其席があきて外座敷…
聞書には茶道便蒙抄では書かれない茶の点て方自体の注意事項もある。 手は左の膝の上にふっくりと伏せて置べし 左右ともに膝に置時も此心得なり 末流にては疊に手をつく時あふぬけてつく者あり 異樣にてあしヽ 平日のごとく是もふつくり伏してつくべし 是古…
服加減の挨拶のあたり。茶道便蒙抄ではこう。 一 客茶碗を取茶をのむべし。 時節寒天なれば釜に懸置たる柄杓を取左へ持直し釜の蓋をして柄杓を建水の上に置 服加減の挨拶はしない 寒いときは中仕舞いする 聞書は以下のよう。 一 客茶碗を取に向ひ亭主に對し…
茶の点て方。茶道便蒙抄にはない心得が面白い。 第十八 茶點やうの事 (略) 例令ば茶碗にても茶入にても向ふ下りに持行て器の底を向ふの方より疊につけ唐臼をふむ如くするは惡し底のこらず一度に眞直に置くべし 宗伯の兄弟子中村五郎作茶入を置に疊なくんば奈…
茶具置合は、中立の間の亭主の話である。 茶道便蒙抄にはこうある。 第十七 置合の事 (略) 一 座敷掃除して道具置合も相濟て。客座入の案内に潜りの戸三つぶせほど明け懸るなり。 客是を見て手水を遣ひ入事なり。 又此時くヾりの戸明けず鉦うつ事あり。是は…
第十四 膳出す事 一 膳出す時座席狭くは見合て烟草盆取り入るべし。座鋪廣く邪魔にならずば取入るに及ばず 茶道便蒙抄には「煙草盆」が出てこないように思う。 正客ポインタとしての煙草盆が成立したのはもっと後の時期ということだろうか? 一 尊貴より家臣…
第十二 客來る時迎への事 一 小座敷へ入り爐中へ薫物くぶる(略) 手燭持出て中潜外の潜口際の踏石に置は惡し(此石には亭主居て客へ挨拶する所也) 見計ひて脇の石に置くべしとなり(略) 一 手燭は常に用ゐる長柄然るべし笠をかくるなり雨降りには竹の子笠の下へ…
茶道便蒙抄にこうある。 第十 廬地の事一 水を打事中くヾりの戸雪隠の戸内外水にてしめす 樹木飛石殘らず水をうつなり 寒天の時は水少し打なり 雪降には少しも水不打 雪は通り道おき土飛石の上ばかりをはきてよし 聞書の該当箇所はこうである。 第十 廬地の…
一 初座入に香盒棚に飾る事は客より到來か或は烏府(すみとり)ちひさく入れがたき時等の事なり。 拝領の品は新物にても名物に准じ取扱ふ 棚なき時は常の器に等しくし同じくは棚を釣べきなり。 名物拝領の品は棚の眞中たるべし 左なき香合は二寸程明置 (略) 一…
前半は茶道便蒙抄通りなので略す。 一 爐中廣さ九寸六分(略) 當代は客の案内等を聞き炭仕よき位に下火入るは惡し 能き時分を考へ常の如くに臺炭、相手炭、細炭迄恰好よく置くべし 左なければ釜をあげたる時客下火を見て流れの樣子迄ほむるの理に叶がたし (略…
一 古代眞の手前四疊半にて眞の臺子の時三幅對を置たる事あり、 其時は中祖師の類なれば左右は花鳥にても宜し一幅物も用ふ 茶道便蒙抄にない項目。台子が書院のものであることを考えると三幅対はありだと思う。 この場合三幅の中央は仏画でないといけないと…
茶道便蒙抄ではこうある。 一 客の中。所持の道具と。同然の道具亭主所持ならハ。其道具ハ出す間敷事也。 乍去一方。名物か。拝領の道具ならハ不苦。萬時是にて心得へし。 但侘ハ各別の事也。 客の持ってる道具は出すな でも名物拝領の道具なら可 侘びは別 …
本書は、一巻を開くと栞が入っていて、こう書いてある。 初學者は第四巻茶道便蒙抄聞書を主とし、第二巻の圖式を併せて研究せられたるがよろし。 第一巻茶道便蒙抄及第三巻茶道要録は參考資料とせらるヽがよし。 御親切にドーモ。 というわけで第四巻を読ん…
続いて關嶺宗の緒言。 凡茶道の書世に多しと雖も本編は利休正傳を主とし茶道便蒙抄茶道要録に基きて物したるものなり 然れども両書とも茶法の大體を示したるものにて其微細の節目に至りては口授によりて傳ふるがゆえに其師により區々に分れ甚だ祖翁の精神に…
關嶺宗編/蕪木淳太郎/1925年。關嶺宗は宗偏流家元總監、と名乗っている。 本自体越後長岡周辺の人脈で出来ている。序にこうある。 余カ祖 宗偏ノ茶道ハ利休居士ノ正傳ニ出テ茶禅一味ノ高風久シク世上ノ重スル所タリ 然ルニ宗偏没後茲ニ二百有餘ノ全国ノ同流…
某日。某「ある意味有名な」茶道具店に入った。店の名前は書かないが、思い当たる店が浮かぶ人もいるかもしれない。 店に入ったとたん、店の人がすりすり寄って来て「掘り出し物揃えておりますんで、どうぞ見て下さい」と来た。茶道具を適正な値段で買い、適…
「広島藩の茶湯」に、30年前の上田宗箇流の話が載っている。 私が御訪ねしたとき、十五代当主の宗源氏は、免状授与の儀式の最中であり、若宗匠宗嗣氏にお会いした。 一万石家老の嫡流は爽やかな好青年である。 「父は今でも殿様です。家元とか、茶湯の宗匠と…
会津若松城にある麟閣。移築前の話が本書に載っていた。 城内から森川家に移築の際に、朽ちた木が多かったので大部分を取り換えたが、構造は寸分違わぬように再現されたとのことである。 (略) 庭のつくばいには「天正五」の彫銘があり、芦名時代のものである…
信政に召し抱えられた野本道安は、古儀茶道、四世一樹庵と称しているが、この古儀系の茶道は津軽にだけ伝播されたものである。 『古儀数奇道樣統』(弘前図書館蔵)、『古儀茶道の栞』(同)によると、紹光明玄という足利義満時代の学僧を祖とするものであって畠…
新発田藩の茶湯の特徴は藩主自らが石州系の茶湯の伝授者になり、石州系の一派を樹てたことにある。 これは会津保科、肥前松浦、出雲松平、福知山朽木と共に、戦国茶湯大名とは違った徳川茶湯大名の特徴でもある。 四代重雄は文人藩主であり、文学・茶湯に造…