2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

5月の展覧会

GWは関西がおすすめ。この充実度はすごいですよ。 東京近郊 期間 タイトル 備考 畠山記念館 -6/12 光琳とその後継者たち 根津美術館 -5/15 国宝燕子花図屏風 永青文庫 -7/3 千利休と武将茶人 中部〜北陸 昭和美術館 -7/3 人から人へつながる茶道具 木村茶道…

美術骨董品投資の秘訣16

偽物の話、というより詐欺の方法。 ところが、いわゆる仕込物などより、うんと金を惜しまずに、本物にも優る衣裳を着せて極めて大がかりに贋せ物を作つた例が二つある。 その一つは当時世間を驚かせたいわゆる春峯庵事件である。 これは、徳川時代の肉筆浮世…

美術骨董品投資の秘訣15

偽物の話の続き。 竹田や春琴の画は、これに頼山陽の賛が入ると、値段がぐんと高くなる。 松花堂の画なども、高僧の賛が入ると、同様に値段がぐんと高くなる。 そこで本物の竹田や春琴や松花堂に、贋せ物の賛が入れられることになる。 これは本物の画を素材…

美術骨董品投資の秘訣14

偽物の話の続き。 大雅堂や蕪村の贋せ物にはその弟子の描いた画が化けているものがある。 もしその画に入つている落款が切り落せるような位置にあつたら、それを切り落として画を細くして、大雅堂なり蕪村なりの落款を入れる。 落款は割と端に入れるからなぁ…

美術骨董品投資の秘訣13

これは、ある故老から聞いた話であるが、当時一流の画家と書画屋との間で、極めて巧妙な贋作の取引が行われたことがあつたそうである。 例えば、その画家は渡辺崋山の系統の画家で、腕は一流である。 書画屋はこの先生に、崋山の偽物を描いてもらいたいたい…

美術骨董品投資の秘訣12

偽物の話。 しかし、贋せ物は決して高価品に限つたものではない。 贋せ物を作る者は、昔の金なら一点で五銭、十銭、今の金なら一点で十円、二十円しか儲からぬ士ごとでも根気よくやるのである。 だから、こんな安物には贋せ者は無かろうと一寸考えられる品に…

美術骨董品投資の秘訣11

玄人が怠り勝ちなことで素人の人にすヽめたい鑑定法の行き方が一つある。 それは前に述べたように、玄人は書画の一端を見てそれが誰の作品かということを直ぐにいい当てるくらいに特徴をのみ込んでいる。 そしてこの特徴があるからこの品は本物だと判断し勝…

美術骨董品投資の秘訣10

書画の交換会に出席して見ていると、一点十万円以上もする書画が、抛り出すようにそこに展べられると、玄人がそれを取り囲んで、かわる/”\さつと眺めて、すぐに何万円、十何万円という入札をする。 あんな短時間で真偽が判るのか、評価ができるのかと見て…

美術骨董品投資の秘訣9

この眼力、この直観力を身につけている者は学者や研究家ではなく、毎日真剣勝負をやつてきている商人の中に多く見出される。 これはある古書屋から聞いた話であるが、その古書屋が、客から預った刀剣を、丁度そこへ古本を探しに来た博物館の刀剣専門家に見せ…

美術骨董品投資の秘訣8

約束に合うもの必ずしも本物ならず ということで、鑑定時の「約束」の話。 美術骨董品の鑑定は本物と贋せ物との判定を目的とするもので、これには基礎的な研究があるに越したことはない。 つまり、まずは「本を読め」という事である。 例えば、祥瑞と称する…

美術骨董品投資の秘訣7

鑑識力を養う方法 (略) 素人はまず、見ることから始めるべきである。 何を見るかといえば、博物館を見ることである、美術館を見ることである、画集を見ることである、美術倶楽部の売立を見ることである、美術倶楽部の売立目録を見ることである。 これは判る…

美術骨董品投資の秘訣6

そこで私は、美術骨董品の買入先は、商売人一辺倒であるべきことを強く主張したい。 (略) そりゃまぁそうだろうなぁ。 まずいかなる商売人から買うべきかという問題に対する解答は至つて簡単である。 美術骨董品の種類にしたがつて、信用のある第一流の専門…

美術骨董品投資の秘訣5

また素人の中には、博物館や、美術館や、学者や、美術批評家に頼めば、優れた美術骨董品が手に入るだろうと考えている人がある。 しかし、美術骨董品の実状をみていると、これらの方面に出ている品物が、ほんの僅かな一部分であるのがよく分る。 本当に一級…

美術骨董品投資の秘訣4

投資対象として如何なる美術骨董品を選んだらよいか この話、特に投資とは考えていないが、道具購入の参考にはなる。 「分に過ぎた物を買え」 (略) 柄にもない高価な美術品が欲しくなるというからには、その美術品の魅力は、その人だけはでなく、他の人々を…

美術骨董品投資の秘訣3

この本の「いくらあったら何を買うか」が、当時の相場を偲ばせて結構面白い。 五万円あったら何を買うか資金の五万円は洋服二、三着分の金額である。 これは、大正から昭和にかけての時代の百円か、百五十円の金である。 昭和元年の公務員初任給換算で、現代…

美術骨董品投資の秘訣2

昔読んだ本だが、また読み直している。http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20110130あの頃読み飛ばしてた所がむしろ面白い。 美術蒐集家の中には、随分変わつた人があつて、絶対に商売人から買わぬことを信条としている者がいる。 美術骨董界の中心近くにい…

茶庭の話3

したがって少なくとも表千家の主要部は、建物も露地も嘉永年間ごろの模様を現在によく保持しているものといえる。 どうも各流派の家元の茶庭は、さほど古いものではない模様。増築したり、木が枯れたり、いろんな事態で手直しするだろうし、その時代その時代…

茶庭の話2

「九山八海石」とか「三島一連」とか、「心字池」「三尊石」など、実例付きで茶庭の構造を説明してくれる。それはいいんだ。 茶の湯の教典の一つである「南方録」につぎの一節がある。 (略) この意味は、茶の湯の目的は小さいながら、この世に清浄無垢の仏土…

茶庭の話

中根金作/淡交社/1969年。 日本庭園のうちでも茶庭は特殊な形態と役割を持っている庭である。 (略) この茶庭はまた、特殊な形態を持つ庭であるけれども、忽然としてその形態が発生したものではない。 それは飛鳥・奈良時代に始まった日本の庭をやはり母体と…

木炭着火コンロ

ガスレンジをガラストップ/センサー付にしてから、炭を熾すのに苦労してきた。センサー解除可を唱っていた炒め用の火口が、解除しても結局センサーされ、強火力の維持を許してくれなかったからだ。そんなこんなで以下のものを買った。http://www.fnw.gr.jp/…

ここんとこのデパートガイド

デパート展示をまとめてみることはできるか? 場所 期間 内容 東武池袋 なし 該当無し 京王新宿 4/14- 茶の湯さまざま展 日本橋三越 4/13-19 黄瑠璃・林恭助展 こんな感じで。だが、いろいろ問題があるなぁ。 デパート側の情報提供が薄いので、茶陶展示かど…

デパートのギャラリー

古道具屋で買った道具は茶の湯で使いづらい。 箱もなきゃ来歴もあやしいからだ。茶道具屋で箱があって来歴がある道具は買えない。高いからだ。 「掘り出し物が見つかる!」とかうそぶいている店で安く道具を買うのは、たぶん古道具屋で買うよりヤバい。とな…

天王寺屋にとっての天王寺屋会記

天王寺屋会記の記述粒度はかなり粗い。亭主と相客の名前しか書いてないことも多い。 というか亭主と相客の名前だけはしっかり書いてある、と言ってもいい。たぶん宗及は、いつ、誰が、誰と誰にお茶を出したか…の、人間関係に特化させたのだと思う。後で「去…

天王寺屋会記に見る返礼

宗及に対し、亭主をして、客にもなって…という人は意外に少ない。 天正4年だと9人である。 名前 間隔 天王寺屋道叱 1日 銭屋宗訥 2日 千宗易 6日 草部屋道設 20日 住吉屋宗無 20日 佐久間信盛 40日 伊勢屋常益 1ヶ月 春花曲庵 2ヶ月 網干屋道琳 10ヶ月 後ろ…

天王寺屋会記に見る一客一亭

天正四年に 宗及とサシでお茶をした人の一覧。 日時 亭主 客 天正4年1月10日 古田出羽守 天正4年1月22日 養花曲庵 天正4年1月24日 養花曲庵 天正4年2月不明 京の道三 天正4年3月6日 松井友閑 天正4年3月7日 仁木梅友軒 天正4年5月12日 伊藤十衛門 天正4年6月…

天王寺屋会記に見る交遊関係

宗及が複数回亭主をし、客になった人々。 ここでの客回数は「宗及が亭主の時の客」以外にも「宗及と同席し他の亭主の客となった」を含む。合計4回以上のメンバーが以下の7人である。 名前 亭主回数 客回数 銭屋宗訥 2 13 天王寺屋道叱 2 11 住吉屋宗無 2 7 …

天王寺屋会記に見る宗及詣で

宗及が亭主の茶会。リピーター率はどんな感じだったのか。 客回数 名 % 0 7 8.97 1 50 64.1 2 11 14.1 3 5 2.56 4 2 1.28 7 1 1.28 11 1 1.28 13 1 1.28 1年範囲でしか統計をとっていないのでアレだが、リピート率は低い。0回ってのは、宗及を客に迎えたけ…

天王寺屋会記に見る宗及の亭主ぶり

天正4年、宗及の茶会参加は、こんな感じで繰り返される。主主客主主客主主主主主主主客客客客主主主客主主主主しばらく連日亭主をして、突発的に、あるいは連続して客になり、また連続して亭主をする…という感じである。が、子細に見るとむしろ「連日亭主を…

夜桜2016

近所にちっちゃなちっちゃな穴場の公園がある。 桜が数本植えてあり、公園とその周囲の街灯が適切なライトアップになっている。毎年ここで夜桜を見る。実は数日前まではなんらかの工事をやっていて、公園の半分はフェンスで覆われていた。 除染だろうか? 「…

蘭坊録

1966年、舟岡山山頂から発掘された通称「紫野文書」。 その中でも大徳寺僧蘭坊が書き残した千利休に関する覚書が「蘭坊録」である。大徳寺僧蘭坊は、千宗易が大徳寺で利休居士となる為禅を修行した際の同門といわれており、後世の偽書がオブラートにつつんで…