2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

3月の展覧会

そろそろ春展示開始。 関西勢がなかなかすんごくなってきた。 でもGWまでやっているのでちょっと待ちだな。 東京 期間 タイトル 備考 宮内庁三の丸尚蔵館 -3/8 三峰窯の思い出−宮様とやきもの 三井記念美術館 -4/5 三井家のおひなさま 茶道具有 畠山記念館 -…

週刊モーニング 2009年13号の表紙が凄いこと

めでたく?アレな話に達した「へうげもの」とのタイアップで柄杓を構える事となった島耕作さん。どこに座ってんの&風炉先の向こうにあるのは襖?それとも押し入れ?ポン引きめいた事で社長まで登りつめた島さんですが、近代数寄者の方々の仲間にはなれなさ…

眼の力 夢の美術館

戸田鍾之助&博/小学館/2006年。廉価版の方である。道具屋谷松屋戸田商店の社長、前社長親子が語る道具の数々。そして取りおろしの超美麗な写真達。素晴らしい。廉価版でない方はもっとすごいんじゃろうな。…所々に出る社長親子の大アップ写真は、いらない…

尻が肥える話

数年前まで、デザイナー家具でおしゃれインテリア、つーのが流行していた。私もブームにのっていろいろ椅子を探しまわっていた。 試着というか判んないが、それこそ本当にいろいろな椅子に座ってみた。そして、だんだんと椅子の座り心地に一家言あるひとにな…

×入さん

樂家の当代の名乗りは樂吉左衛門さん。 この名で創作活動を行っておいでです。この方が隠居するか死ぬと×入さん、に名前が変わります。 ご当代が何に変わるのかは存じませんが、この時点で樂家歴代の中での名前が確定するわけですな。当分先でしょうけど、御…

三徳庵茶話 茶と人

田中仙翁/木耳社/1966年。田舎の地主の息子が京へ登り、家族の「やめてー」の懇願もはねのけ茶を続け、財産を食い潰してしまう物語、の様な感じのエッセー集。やっぱ老茶人の話は拝聴する価値があるな、とこういう本を読むと思う。 若干過激な所はあるけど…

焦げる

風炉の炭を火消し壷に入れる。この時、そそうをすると炭のかけらが落っこちる。当然、畳は焦げる。中板だって焦げるよ。 考えてみると火起こしから風炉に移す時も油断できない。炉には焦げ縁ってものがあるが、風炉の時はどうしたもんか。 なにかこう、耐熱…

沸く

やっとこさ、風炉で湯が沸いた。胴炭サイズの炭を3本。途中1本継ぎ足しで1時間半。こぽこぽと泡がたった時はめちゃめちゃうれしかったですよ!さて、コツは2つ、いや3つ。まず一つは炭と炭の距離。付かず/離れず。でも付きすぎず/離れすぎず。 8mmから1cm…

数寄屋の職人

伊藤ていじ監修。京の大工、東京の大工、銘木屋、銘竹屋、北山杉屋、木挽、鋸鍛冶、鉋鍛冶。さまざまな職人にインタビューしたインタビュー集。京畳と田舎畳の違い: 伊藤 内法勘定の場合が京間になるわけですね。すると真勘定の京間ということはないわけで…

熱効率

久々に釜の話。いまいちお湯が沸かない. どーも釜のせいもあるのでは?という気がして、いろんなもので湯を沸かして比較してみた。炭四本を風炉で燃やし、500ccの水を10分間きっかり風炉に掛ける。前後の温度を計測する。本当はガスに掛ける方が安定した火力…

ツン読

べ、べつに読む為に買ったんじゃないんだからね。 …いえ、そんなことはないハズです。 最近、本の買いすぎで予算超過。古本は出会った時が購入日なので優先しており、紹介頂いた新刊も買えない状態です。そろそろ積読が把握できなくなったので、出先でダブリ…

侘びしい話

さて、中流階級にお茶はできるのか?というお話です。実は中流階級にはピンキリがあります。年収2000万の中流階級の方であれば、お茶はできそうな気がします。でも私の手取りは700万くらいです。一億総中流意識、のおかげで中流気分ですが、実体はとてもとて…

花見

週末、春らしくお花見に行きました。 桜を見ながらこんな感じで野点しました。桜の木の向こうにはやしの木。手前にはハイビスカス。ま、ぶっちゃけ沖縄に行ったのですが。2月でもぽかぽか陽気で半袖Tシャツ生活。ところが町の書道教室の前には書初めが。「冬…

自分の未来像

自分はどんな茶人になるのか。…最近、とても悩む。見通しが悪いと言うか。 お茶の楽しみは人それぞれ。稽古自体が楽しい。新しいお点前を覚えるのが好き。着物を着る機会を作る為。いろいろあっていいと思う。 でも、私はお茶事の出来る茶人になって茶人とし…

近代数寄者の茶

近代数寄者の茶はどんなものであったか? 私なりに総括してみる。"東都茶會記",高橋箒庵より: 其の壁床に内藤鳴雪翁の 花一山紫衣の僧あり若衆あり の短冊を掲げられたるに依り、略ぼ當日茶會の趣向を知る事を得たり、 寄付の掛け物から薄茶までの道具組全…

インフレ

佐々木三味「茶の道五十年」より、大正時代の話。 道具も見るも買うも気安い時代、十万円出せば一売立て全部、トラックにして三台分くらいの品物がゴッソリ買えたのである。 当今ではチャチな楽焼一枚も買えないのである。品物が豊富だから茶会も催しやすか…

侘び茶の楽しみ

丿貫は、伝承からすると結構いろいろな趣向のお茶である。粟田口善法は手取り釜一つ。ただしこの釜は結果的に評判の釜となった。長闇堂と宗旦は良く判らない。勉強不足だな。"千利休の「わび」とはなにか"によると、利休はいっつも同じ道具だての茶事をやっ…

侘びと貧乏

侘び、というのは貧乏の事である。侘び人、というのは貧乏人の事である。侘び茶、というのは貧乏人の茶の事…ではない。かならずしも。唐物の茶への対比に過ぎない。唐物の茶は金持ちにしかできない。でも侘び茶は金持ちにもできる。侘び人は侘び茶しかできな…

風雅の虎の巻

橋本治 著。茶道批判を含む日本文化論橋本節。 お茶のややこしさというのは(略) 「(略)こっちは"どこがいいんだこんなの"としか思えない」っていう(略) こーゆー外からの批判はある意味あたりまえだと思うわけですが、でも、それって内側にいる当事者から見…

茶を語る

山田宗圍 著。昭和18年。 月の出も待遠いやうな暮れ易い秋の夕、六時頃であらうか、ここ二畳の待合では三人の客が煙草盆をさし挟んで話合つて居る。 からはじまる、いくつかの茶会を小説風につづった、変わった茶書。呂宋殿、教授、定家卿などと名付けられた…

畠山記念館 日本の春 華やぎと侘び

今回はおめでたいもの揃え。食傷するほどおめでたい感じ。光悦の赤楽"雪峯"。割れすぎ。こんな大割れの継ぎ茶碗が、なみなみお茶をたたえて出て来たら、はたして手に取って持ち上げる事ができるだろうか、不安。格好はいいけどな。もう一つの光悦"李白"。き…

60メッシュ

古道具市の帰りに合羽橋で60メッシュの裏ごし器購入。 100円ショップで買った裏ごし器は多分40メッシュ相当。灰をあらためてふるってみる。 ずいぶんと砂が取れた。きれいになったと思っていたんだけど、まだまだそうではなかったのな。って事で灰洗い完了。…

古色悄然

浅草の古道具市に行く。形の良い徳利を購入。古び方もなかなか素敵。 口にはいるものなので、良く洗う。 少し古色が消える。…。色が付いてる?口にはいるものなので、色が落ちる状態では使う気にならない。思い切って漂白する。古色がぐわっと消える。オレン…

割り稽古

ちょっとだけ趣味悠々の話。 今回は実用講座っぽい。 よそ様の流派の割り稽古って今更そんなに面白いもんでもないなー、と思いました。 それはともかく、あの若い衆、あんな足にトゲでも刺さっている様な顔で帛紗さばかなくてもいいのに。恐ええよ顔が恐ええ…

灰がダイヤモンド

灰を洗う話の続き。バケツに灰を入れて洗ったんだけど、単純に灰に水を注いだだけでは混ざらない。 底に固く重い灰の層が溜る。手を突っ込んで底からかき混ぜてやる。 とたんに灰は散って抵抗が無くなり、ゆるい泥水の様になる。 でも手がぬるぬる。アルカリ…

平瀬家と木津家

久田家と堀内家。久田家は千家の親戚。堀内家は長い間表千家の門人。この二家には"京の茶家""日本の茶家"でも、独立した項目が与えられている。なにかしら、表千家への貢献があったからだろうか。表千家家元直門になるにはまず両家で…みたいなルールがあった…

茶史點描

川上帚木 著。昭和十九年七月。よく本が出たとも思う。扱っている内容は 東山義政 織田有楽 江戸将軍の茶 毛利秀元 立花立斎 小堀遠州 あと、棗の歴史と南方茶器について。でもこれ、かなり異色のラインナップでない? 同仁齋を茶席なりと斷定する説には同意…

テクノクラート小堀遠州

太田浩司 著。はじめに、の冒頭を引用する。 小堀遠州という人物は、二面性をもっている。 一つは、"茶の湯"、造園などに通じた芸術家としての姿である。 (略) しかし、彼はもう一つの顔ももっている。 忠実な幕府の官僚としての姿である。 その後者をあぶり…

茶道史の散歩道

林左馬衛 著。「歴史読本 武家茶道の系譜」でこの人を知って、おもしろいな、と思った。武士の家系に生まれ、今も武家であることを意識している、という人はそうはいないからだ。 んで、この本は林先生の随筆と、林先生がいろいろな方に行ったインタビューが…

供出

太平洋戦争。物資は困窮し、市井の金属は兵器に転用する為に供出された。昭和16年の金属類回収令により、渋谷のハチ公像も、武器に化けた。家庭の鍋釜も供出され、代用品として土鍋が使われるようになった。母に言わせると「国のエライさん達は、私達が苦労…