2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

4月の展覧会

三井記念美術館は6/19まで展示中止…なんでやねん。 東京 期間 タイトル 備考 畠山記念館 4/9-6/19 国宝 離洛帖と蝶螺鈿蒔絵手箱 伝えられた日本の美 ? 畠山記念館 4/28-5/1 藤田登太郎 茶陶展 延期→11月 根津美術館 -4/6 古鏡とひなかざり 入館時間制限有 …

茶道四祖伝書4 利休居士伝書 不時の会

利休居士伝書には、利休のぼーじゃくぶじんなエピソードも並んでいる。天正七年己卯九月の松屋自会記から。 同廿四日朝 不時ニ 千宗易 万代屋宗安 少庵 三人 久政へ 菱釜 真手桶 ヤろう 高中 大壺所望ニ付装束して出す。宗易口ノ緒ヲ解、口覆を取、アヲノケ…

茶道四祖伝書3 利休居士伝書 茶入のせんさく

利休居士伝書には、利休の性格の悪いエピソードが並んでいる。 曲直瀬道三の孫翠竹院*1から聞いた内容を伝え聞いたものの中に以下がある。 易へ常ノ朝食ニなやノ宗及と翠竹と両人参テ色々様々御咄在之。 日本国ノ名物共のせんさく在(之)。 たとへバ、口広、…

茶道四祖伝書2 利休居士伝書 平釜の話

利休居士伝書には、利休の性格の悪いエピソードが並んでいる。 易こう釜を佐久間(殿)へ五百貫〔ニ〕売、其後頓テ信長公平釜ヲ御望ノ由易ニ被仰候得バ、御無用と達而申上ル。何程よく候とも平釜数寄ノ用ニハ立間敷候、か様ニ申儀曲事ニテ太刀取向候ハゞ、太刀…

茶道四祖伝書

松屋久重著 松山吟松庵,熊倉功夫訳注/思文閣/1974年。刊行版としては戦前の松山吟松庵版もあるが、古本屋でやや手頃なこちらを。 松屋久重が松屋会記(他会記)と、今に伝わらない自会記と、その他諸々から編纂した、利休、織部、三斎、遠州に関するエピソード…

体調

お茶のお稽古でたった1、2時間の正座をする。 それだけで私の足の甲は激しく痛むのだが、それはまぁ仕方ないと思っている。で、お稽古が終わった後。残りの一日、ずーーーっと体がだるく/眠くなる事が多い。稽古の前後の掃除、水屋仕事もやっているから、は…

市場

大正時代、いろんな茶道具が市場に出回り、いいものは値が上がっていった。しかし、一般茶人が茶をやるにも道具は潤沢にあり、安かった…と佐々木三味は言っている。茶は盛んで、道具は買いやすく、買えない道具も頻繁な入札会で拝見でき、場合によってはいい…

バブル

御所丸茶碗“夕陽”の落札価格が約11万。その年、大正14年の日本の一般歳出が15億。 つまり国家予算の0.007%で茶碗一個が落札されている。現代でいうと、国家予算が100兆として、その0.007%って70億円に相当しますよ?ま、米価換算だと1億1000万だけど。この辺…

近世道具移動史

高橋義雄/有明書房/1990年(原著は慶文堂1929年)。 高橋箒庵が、江戸末期から昭和初期までの茶道具取り引きについてまとめた本。箒庵は、この期間を三つに分けている。 かいつまんで説明すると、第一期 明治元年〜明治二十八年: 明治十二年頃までの茶の湯の衰…

利休さんに学ぶ

もう最新号に変わっているが、本屋で和樂の3月号を見掛けた時の事。特集が「利休さんに学ぶ」、だった。 買うかどうか考えて、結局買わなかった。だって和樂、つっこみがいまいちなんだもん。 で、それとは別に思ったこと。 「利休に学ぶな!」ってタイトル…

石州秘伝 石州三百ヶ条 番外 茶の湯さびたるはよしさはしたるはあしき事

石州秘伝本: 茶の湯さびたるはよしさはしたるはあしき事座敷其外道具にてもあまり風流を好毎事異風にさはしたるはあしく自然とさびたるをよしとす。 有名なフレーズなので特に異論もなんもない。 では、「寂ばしたる」を現代で探してみようか。 昭和レトロ …

石州秘伝 石州三百ヶ条10 路地の景は利休堺にて海の見へ候路地にて合点あるべし朝がほの路地も是又同前の事

石州三百ヶ条も今回で一応最終回。一個一個やってると1年たちかねないので。今回は朝顔の茶の湯の話。 石州秘伝本: 路地の景は利休堺にて海の見へ候路地にて合点あるべし朝がほの路地も是又同前の事(中略) 利休の路地に朝顔を多く植盛に茶の湯せられしに又人…

石州秘伝 石州三百ヶ条9 蓋置の置所の事

蓋置の場所の話。石州秘伝本: 蓋置の置所の事ふたの大小により縁へもふちへもかからざるやうに置也 いや、これで全文なのよ。蓋置は釜の蓋の大きさに合わせて調整しなさい…私もそう教えられている。 もちろん蓋から垂れる雫が畳の縁や炉縁に落ちない様にする…

石州秘伝 石州三百ヶ条8 風炉の内の仕様土器に割土器立土器有事

風炉の灰形なんかの話。風炉の灰形ってのは意外に新しいものなんじゃないか?というのは以前書いた。 http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20100704さて、この時期は? 石州秘伝本: 風炉の内の仕様土器に割土器立土器有事 (中略) 風炉の内灰に名所あり。 きり…

石州秘伝 石州三百ヶ条7 茶入袋へ入候事

茶入と仕覆のお話。石州秘伝本: 茶入袋へ入候事茶入景あれば其方へ前へなす也ふたも其通也。 茶入のふたを取り三ツ指にて取入申候口伝。 茶入の景色のある方が前ですよ、牙蓋もそうですよ、という当り前のお話。 わざわざ箇条に解釈入れといて口伝はないだろ…

石州秘伝 石州三百ヶ条6 めんつうの置様宗二宗及また宗易三つの事

面通の向きについて。石州秘伝本: めんつうの置様宗二(紹鴎)宗及(道安)また宗易(利休)三つの事曲げ物の水こぼしをめんつうといふ宗二とぢ目を向へなす宗及わきへなし宗易右の方へ向け持つにもとぢ目持たぬもの也。 ひさの通りか又半分かけても置也。 道安は…

石州秘伝 石州三百ヶ条5 水指の置やう水指により又座敷にもよるべし

水指の置き方について。石州秘伝本: 水指の置やう水指により又座敷にもよるべし水指の置所は定まりたる事なれども大きなる水指は前をくつろげて少し向へよせて置べし小なる水さしは少し前へよせて置ひろき座敷にては小なる水さし小座敷には大なる水指置くべ…

無事是貴人

この週末は皆様テレビの前で、惨状の映像を見つつ、なんともいいがたい時を過ごされたのではないかと思う。お茶のお稽古や、あるいはお茶事が中止になったりという方も居られたのでは? かくいう私も、先生んちでの自宅稽古が中止になった。 稽古は神聖にし…

石州秘伝 石州三百ヶ条4 床に墨蹟と花入と有之事

墨跡と花の話。石州秘伝本: 床に墨蹟と花入と有之事常は初に墨蹟後に花を入る也これを片飾りといふ。 二色共一度に飾るを諸飾りといふ。常にはせぬ事なり。 然れども旅立の客が又は事により急ぎの時早々しもうやうにする事あり又は同じやうなる 置合のつづく…

石州秘伝 石州三百ヶ条3 諸道具表前後の事

地震、大変でしたが皆様恙無くお過ごしでしょうか?私は高層エレベーターは止まるし、電車は止まるし、とぼとぼと徒歩で家まで帰って来ました。 それでもたまたま家に近いトコで仕事してたので、ずいぶんと楽をしたのだと思います。 さて。一応、茶道ブログ…

石州秘伝 石州三百ヶ条2 茶立候時身のかね居すまひの事

石州三百ヶ条から、茶を点てる時の姿勢と向きについて書いた章を紹介。 石州秘伝本: 茶立候時身のかね居すまひの事茶を立るに身のかねを本とす。両の膝を左右へ開き臀を畳につけて座す。危座する事を嫌ふ。 四畳半にては炉に真ろくに向かい片膝を少し引き候…

石州秘伝 石州三百ヶ条

本庄宗泉訳/浪速社/1965年。以前、“茶道秘伝 和泉草”については書いたことがある。 http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20100117/1263687999和泉草は「台子座敷飾様」みたいな内容だが「茶立候時身のかね居すまひの事」みたいな内容になっている。内容的には…

丸粉

某所にある金箔や蒔絵粉を扱う店にて、蒔絵作家で某教室の主催である某大先生とお話しさせて頂く機会を得た。某だらけですまない。でも、ほんの短時間の会話だったけど、私にとって大きな情報を得ることができたよ。 丸粉は5号より大きい粒でないと綺麗な色…

平心庵日記 失われた日本人の心と矜恃

近藤道生/角川書店/2001年。 昨年亡くなった近藤道生。博報堂の社長にして風の谷のナウシカの製作にたずさわったひと。 今日庵老分にしていくつかの茶書を書いているひと。 一応私もこのひとの茶書を読んだことがある。 http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/2…

日本盛の惣花。http://www.nihonsakari.co.jp/sohana/index.html うまい、とにかくうまい 奇を衒わない古典的な味わい 誰もが知っている大手蔵元である 明治以来の宮内庁御用達 …というナイス諸条件が揃っていて、自分が懐石をする時のお酒はこれだな、と思…

民芸

柳宗悦の意見を要約するよ。 茶人は箱書きばっかで道具をちゃんと見てないよね。 来歴とか、そういう雑音を排除して道具を見ようよ。 無名の雑器にも名物クラスのいいものがあるってば。 俺の眼で選んだ「いい道具」は将来の名物になるね。 こんな感じ?で?…

茶の改革

柳宗悦/春秋社/1958年。内容はいつもの通り。以上。…では、読んだ意味がないのでちょっとまとめるか。 誰も氣づくやうに、初期の茶器ほど格が高く、中興名物に至ると格がずつと落ちる。 この點で、私はいつも遠州の眼を疑ふ。いはんや、後代の品においておや…

ひちきり

ひちきり。それは雛祭りのお菓子。女性器をかたどったお菓子(しつこい)。 雛祭りの当日、デパート何件かまわって探してみた。 ない、ない、ない。 つーか、雛祭り対応のお菓子を置いている店自体そう多くは無い。 実際のところ、大手の和菓子屋さんはたいて…

ひな祭り

雛祭り。それは幼女に自身の性を弄ばせる謎の祭典…。 菱餅は女性器をかたどったもの。ひちきりも女性器をかたどっている。そして多分女性器をかたどった蛤汁。なんか性的なものの象徴であったら嫌な白酒。 つーか女性器かたどりすぎだろ?常識で考えて。 ま…

マルセル・デュシャンと柳宗悦

シュルレアリスム展でデュシャンの作品を見る。 レディ・メイドシリーズの“瓶掛け”があった。茶の湯的な鉄瓶のっける奴ではなく、ガラス瓶を引っかけて干す針金のツリーみたいなものだ。この“瓶掛け”、有名な“泉”なんかと違って、その物自体が(私には)めずら…