2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

7月の展覧会

夏枯れの中だが、羽田空港のDiscovery Museumがなにげに凄い。 だって入場無料なんだぜ…。 東京近郊 期間 タイトル 備考 根津美術館 -7/15 やきものが好き浮世絵も好き 展示室6風待月の茶 静嘉堂文庫美術館 -7/15 せいかどう動物園 Discovery Museum 6/22-9/…

茶 私の見方13 名碗

谷川徹三の「茶碗」より。最初は茶道具に興味がなかったが、高麗茶碗に魅せられ、茶碗行脚の旅が始まる。 殊に「毘沙門堂」は素晴らしい。高松家の時にはこちらから人を介して拝見したいと申入れたのだが、高松家が出入りの道具屋野崎に取扱ひをまかせてある…

茶 私の見方12 職業茶人

志賀直哉の「茶について」より。 私は茶道の事をいふ資格のないものであるが(略) 今回は一応自称門外漢の意見。 茶の精神といふやうな事も云はれてゐる。 さういっていいやうな、禪などとも多少通ずるものが茶にはあるかと思ふ。 然し、實際の場合として、精…

茶 私の見方11 貧富

鈴木大拙の「茶の哲學」より。 茶の極意に達せんとするには、貧の何ものたるかを知らなくてはならぬ。 只貧を守るだけでは駄目、貧の極意に徹しなくてはならぬ。 貧に安んずるといってもいけない。 貧の哲學なるものを持たなくてはならぬ。 貧の哲學が茶の哲…

茶 私の見方10 素人

柳宗悦の「茶の病ひ」より。 茶事に心得が出來ると、とかくやりたがることの一つは、茶器を作りたがることである。 おおっと耳が痛いぞ。 私のやうに殆ど諸國の窯場を見てゐる者の眼からすると、この茶趣味の介入ほど、窯を毒してゐるものはないのである。 (…

茶 私の見方9 千家十職

柳宗悦の「茶の病ひ」より。 千家には十職なるものがあって、茶器をつくらせてゐるが、之も今は全く經濟的な相互關係に過ぎない。 何も工人達の獨創的仕事が切り開いた名聲ではなく、その十職といふ看板で商賣をしてゐるに過ぎない。 今日出來るものを見ると…

茶 私の見方8 家元

柳宗悦の「茶の病ひ」より。 民主主義の今日にあって、最も呪はれてゐるのは封建制度である。 (中略) 今の茶の湯は不思議なくらゐ家元中心主義である。 (中略) 何故家元がそんなにも有難いのであらうか。 千利休の末裔だから有難いのでは筋が通らぬ。 (中略)…

パナソニック汐留ミュージアム 幸之助と伝統工芸

第一展示室には松下幸之助の使った茶道具。 第二展示室には、幸之助が役員をしていた日本工芸会の作品。 一入の黒楽茶碗「閑談」。少し飴色がかった小ぶりの楽茶碗。雅味がある。宗入の黒楽茶碗「毛衣」。普通の黒楽。悪くはない。あとは近現代物なのでどー…

茶 私の見方7 貧富

柳宗悦の「茶の病ひ」より。 茶禮に貧富の差はないはずである。 貧しい者とても「茶」をたしなむことが出來る。 (中略) 併し事實はどうであらうか。 (中略) 私の考へではさういふ茶會は金力が何よりも、ものをいふのであって、心の力が先立ってのことではあ…

茶 私の見方6 器物中心

柳宗悦の「茶の病ひ」より。 嘗て私が「茶道を想ふ」といふ一文を公にした時、私の見方が餘りにも器物中心だと云って詰られたことがある。 尤もその人は眼の利かない人であったが、想ふにその主張は、茶の湯は寧ろ心の天地に悠ゝ遊ぶことにあって、用ゐる器…

茶 私の見方5 箱書き

柳宗悦の「茶の病ひ」より。 このほか文字に依るものに箱書があって、作者のみならず、有名な茶人の極めなどのあるものが悦ばれる。 (中略) 併し注意しなければならないのは、かかる箱書を悦ぶことと、物そのものの美を悦ぶこととは別であって、箱書があると…

茶 私の見方4 銘

柳宗悦の「茶の病ひ」より。 茶人達は銘が好きである。 こゝで銘といふのは多くは二通りの意味があって、茶人が茶器につける固有名詞と器物に記された作者名とである。 茶人が器物に銘を輿へてその名で呼ぶのは、別に惡いわけはなく、他の支那と區別する上に…

茶 私の見方3 茶の道 着物

柳宗悦の「茶の病ひ」より。昨日の文章の最後の部分に続く一文。 それに茶會といふと若い女達が競ってきらびやかな着物を着てくるなどは、凡そ「わび茶」からは遠い風景である。 まぁそうなんだけどさ。実際問題紙子とか渋い茶色の木綿の着物とかが必須の集…

茶 私の見方2 茶の道

柳宗悦の「茶の病ひ」より。 誰も「茶道」とは呼ぶが、今は「道」はどこかに匿れて、せい/゛\「茶の湯」があるに過ぎなくはないか。 東洋人は凡ての藝を道に高める要求が強く、弓術は弓道となり、劔術は劔道となり、活花は華道となり、同じやうに茶の湯を…

茶 私の見方

柳宗悦他/春秋社/1953年。茶に関するエッセイ集。執筆者は以下の通り。 柳宗悦 鈴木大拙 志賀直哉 真船豊 谷川徹三 肥後和男 堀口捨巳 谷口吉郎 古田紹欽 1番2番と最後だけでも、現行茶道に批判的な本だと判る…けど、多分この人達の足並みはいまいち揃いそう…

茶筅レビュー 竹茗堂久保左文

竹茗堂久保左文。春日のいとうや商店で購入。 数穂で3200円。軸太さ23mm。穂先一本一本は細く均一。固からず柔らかからず。しなやか。見た目も美しい茶筅。 でも:穂先にねじれる傾向あり。…耐久性いまいち、かなぁ。本気の使用時での使い捨て前提にはいいと…

茶の湯講座9 飯と中立

例によって例の話。 この飯の炊き具合といふのが最も難しいものであります。 (中略) 懐石なども飯から先に食べる。 さうして本當の飯の味はひを噛みしめて見るんです。 本当の飯の味、とか言う話からは「最初はまだ蒸れてない飯を出す」という事は読み取れな…

茶の湯講座8 立礼

立礼について。 (略) 第二として今日普通の一の生活樣式から考へて、何よりも樂な腰掛けで先づやつてみたらばと言ふ註文が屡々出て參ります。 (中略) そこで實際の御手前をやらない茶道研究家や、又俸給生活者などでこれから御茶を初めようと企つる人々が腰…

茶の湯講座7 家元のお言葉

薄茶の点て方の一部分。どれだけ泡立てるかの注意書きは以下の通り。 十九、茶筅を右手で取り茶碗へ手なりに入れ、左手で茶碗を持ち適當に右に傾け、茶筅を廻轉して茶をたてる。 茶のたつた頃茶筅を前中央よりぬき上げ、元へ戻す。 デフォルトで茶碗傾けるの…

茶の湯講座6 茶筅とほし

この本、お点前の手順の中で、なぜか茶筅通しのトコだけ妙に描写が細かい。もしかすると茶筅通しは武者小路千家の流儀の中では、ものすごく重要なステップなのかもしれない。なぜなら: 茶筅を客の前でよく調べ又茶筅の固い初めて使ふものなどは、多少お茶碗…

茶の湯講座5 茶筅

官休庵形といふのは利休形と稱して頭の開いたものを用ひる。 又これには數穂といふもの薄茶に用ひ、荒穂といつて數が少なくて腰の強いものは濃茶に用ひられる。 茶筅には白竹、煤竹、青竹などの種類があります。 現代では武者小路千家用の茶筅といえば、煤竹…

茶の湯講座4 大爐

爐の大きさは今日では、凡そ何處でも一尺四寸四方といふことになつて居るが、昔はいろ/\と大小があつて、このやうに一尺四寸に決つたのは、凡そ利休時代からの以後のことである。 (中略) 今日では茶席の建方が田舎屋といふやうな場合、或ひは部屋が相當大…

茶の湯講座3 眞面目

お点前のうまい下手は茶事とは関係ないという話ではあるが、そもそも昭和11年頃、男は点前を習うのが恥ずかしかったらしい。 ところでおてまへと言ふものは男、男子の方でありますとなか/\やり難い。何か人前で殊更に藝事でもやると言ふふうな考へで却々實…

茶の湯講座2 御手前の効果

ラジオの表現力の限界を知った官休庵。結局は家で耳から聞くだけでなく、実際に繰り返し繰り返しやってみるしかないと結論付ける。 さてそれならば御手前をそんなに年月を費してやつて見て、そこにどんな効果があるであらうかといふ疑問が生じて來る事となる…

茶の湯講座

千宗守/日本放送出版協會/1938年。昭和13年のNHKラジオ講座のテキスト。ただし: 點前の講義は、昭和十一年十一月末から十二月にかけて八回テキストを用ひて講述したものゝ速記を修正し且つ増補を行つたものであります。 という事は、実際のラジオ放送時には…

やさしいお茶とお花入門8 総括

子供のお茶の本を読んで来たが、以下の様な感想。 書く側は、子供相手だからといって本格的である事を捨てたくない。あるいは子供向けに曲げたくない。手加減はしたくない。 だから子供には無理な事は書かない。あるいは無理は承知で書く、という事になる。 …

やさしいお茶とお花入門7 みんなじょうずにいけられるかな

本書の花の活け方はこんな感じ。…なんじゃこれは。 まぁそれはともかく、これは茶花の世界ではなく、いけ花の世界。お茶入門の側では茶花の入れ方に関して言及無し。 茶花の地味な世界は子供にはアピールしないという事か…ま、ニンジン活けてる方が楽しいか…

やさしいお茶とお花入門6 はじめてお茶会にいくとき

お茶会は日ごろのけいこを、実際に体験するよいチャンスです。 (中略) みなさんがいくとしたら、気がるに出席できる大寄せの茶会がいいでしょう。 大寄せ経験そんなにあるわけでないけど、小さい女の子「ミニレディー」が来てるの見たことないなぁ。 女の子…

やさしいお茶とお花入門5 お点前にもいろいろあります

点前を季節でわけると、風炉を使うものと、路を使うものになります。 (中略) 風炉や炉の点前はむずかしいので、この本にはのせてありません。 風炉や炉の点前は難しい、という事はないと思う。 どちらかというと子供の体格に風炉という装置は高過ぎ、炉は捻…

やさしいお茶とお花入門4 おかしをいただきましょう

まずは菓子を食べる所がスタートです。 これはお子さま向けに訴求力の強い構成です。しかも 茶会でお客さまが席についたら、最初にはこばれてくるのがおかしです。 大寄せの茶会では正客は、はやめにおかしをとり、順におくります。 大寄せ重視というのも現…