2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

8月の展覧会

夏枯れですな。特に関東は寂しい限り。 関西の方が楽しそう。湯木が気になるかな。 東京近郊 期間 タイトル 備考 畠山記念館 -9/19 明代陶磁の魅力 根津美術館 -8/14 古筆切 ともに楽しむために 涼みの茶 中近東文化センター付属博物館 -9/25 珈琲がやってき…

各家元御好

御好み。 「御好み」という言葉は「designed by」くらいの意味と認識している。 んで、ダイソーにあった懐紙。各家元御好…ってなんだろう? 日本中から家元が集まって、共同でダイソーの為に懐紙のデザインを考えたのだろうか?まさかね。 それとも、いろん…

3千と3万と30万

ほとんどの物の価格に関して、私は「3千と3万と30万」という捉え方をしている。 3千円以上3万未満のものは、その物の最低限必要な形態はしている。 機能も概ね備えている。 でも質は備えていない。 他人にはちょっと、みせらんない。 3万円以上30万未満のも…

100均の椀

昨日のエントリに対し、「塗りの四つ椀が買いにくいなら100均のを買えばいいのよ」と逆アントワネット的なburieさんのご提案。 実際「100均茶会」なんていうのも楽しそうだと思います。 しかしですな。一生「100均茶会」なんていうわけにもいかない、いかせ…

お茶をする、という事に、茶道具を揃えることは含まれている。 お客様にお出しする道具なくしてお茶は成り立たないからだ。ここでいう茶道具とは、茶碗や茶入などの狭義の茶道具の他、水屋道具や懐石道具、果ては茶室と茶庭に至る広義の茶道具があると思う。…

台所用品の見立て

台所用品のすり鉢を、風炉の代りに使うことがある。見立ての面白さを楽しむ侘び道具だと思う。だからそとっかわは荒々しく釉薬がかかった民具らしい方が面白かろう。京焼の優美な絵付けのついたすり鉢(あるのか?)なんて、絶対興醒めですもん。 さて、すり鉢…

お茶10 風爐

紅鉢がなぜ「紅」鉢なのか? 紅鉢とは元來臺所の調理用具で木製、全部大體木地、内部だけを朱漆で塗りあるより紅鉢の名があるわけ、これに濡れ紙を敷き灰を入れ、五徳を置き釜をかけたのであつたが、現在は陶磁器製で大なる平鉢のごとき、殆んどその起源を忘…

お茶9 建水

近頃古製の佛器を利用するものも見受ける。 年號入りの銅器のそれは實に古香の掬すべきものがあるけれど、佛具を下水容器に用ゐるなどは、あまり推奨し難い好尚ではあるまいか。 実は私も「仏具の建水転用はありだな」と考えていたのだが…駄目かぁ。 仏具の…

お茶8 掛物

だがこれら萬金に値するもの許りが決して茶掛けではないのである。 利休以來の巨匠の消息や、先輩師匠、乃至友人などの手蹟を用ゐて、しみ/゛\と人間愛を味ふことも亦茶道の眞髄なのである。 友人知己の消息をかるがると表装させて、それを掛けてお茶をす…

お茶7 茶杓

とり合せの道具と主人の好みや流儀から察し、作者をいひあてなどするのを普通とするが十に三・四作者が適中すれば、それは眞に偶然といふてよいほどその鑑定は困難なものである。 尤も數多く見てをれば、それ/゛\の作者の特色を多分に直感し得ることは、竹…

お茶6 茶入袋

茶入を取り出した後の袋は、その底を手前にして棚その他に置き、又、拝見の際も底を客付にするのが千家、これを逆にするのが古流、 うちの流派は古流と同じ。相手に仕覆の口が向く。 妻は裏千家なので相手に仕覆の底が向く。 おかげで濃茶の拝見の時に結構ば…

お茶5 濃茶と薄茶

著者は言う。 茶の銘に初昔・後昔など「昔」の文字を多く用いるのは舊暦五月廿一日に大抵の場合摘み初める故「廿一日」の三文字をつゞめて「昔」としたのであるといふ。 即ち「初昔」とは第一番目の製茶であることを意味し、従つて「後昔」とは初昔が摘み終…

お茶4 香合

いきなりなんですが、利休と言えば香合よりも香炉のイメージ。 利休時代の茶の湯道具中香合は後世ほど重きを置かれなんだのである。 だから利休時代の名物の香合…というのは確かにいまいちぴんとこない。ちょっと時代が経てば型物香合番付なんかが出たりする…

お茶3 茶巾

寸法 古流は巾は晒巾、縫立てほぼ曲尺六寸とするものと七寸との二種、 (中略) いまはこれ亦概して小さく、デパート型になつてから、日一日と可愛らしくなりつゝある。だが茶巾は大きいものほど使ひよいのである。 茶巾は年々ちいさくなっていたのか…。 今縫…

お茶2 袱紗

袱紗に関する故実。 寸法 袱紗は和巾又は不洗絹ともいはれ、昔時は大體曲尺九寸六分に九寸三分のものが普通とされてゐたらしいが、果してどうであつたか、當時のものが現存してゐないので確認し難い。 考えてみると、当時の古裂が現存しているのに、袱紗の現…

お茶

佐伯太/文友堂書店/1943年。茶の湯の故実について解説した本。 「序に代へて」より: 筆者は大大阪の衛星都市の一つに住んでゐる。 (中略) 而もその町にすら近頃茶の湯の流行につれ、師匠の人數が二十にも餘り、一町に一人以上、實に師匠の目白鳥押しである…

茶入の古茶

茶入の中。ティッシュを突っ込んで拭うと、時折ショッキングな汚れが出てくる。「お茶ってこんなにヤバい色になるんだ」事前に掃除し忘れると、お茶の味に影響がでそうな気がするくらい。 特にカルチャーの備品は凄いゼ。…準備の掃除は頑張るけど、仕舞いの…

姥口釜

私の持つ風炉の釜は姥口である。 風情あっていいんだが、お手入れの時に困る。 だって姥口の凸面は、ひっくりかえした際には凹になる。ってことは裏側にお湯が溜る。これ結構馬鹿にならない量のお湯で、釜を乾燥させるのに結構な障害になる…というか煮え切ら…

昔の茶会記を読んでいて思う。 いろんな唐物の道具が使われている。しかし、釜の唐物が無いような…? そういえば、現代に伝わる唐物の釜ってのも見たことない。あんだけ唐物崇拝だったのに…。 風炉や釜は消耗するから現代に伝わりにくい…というのは一理あり…

わびの芸術6 わびの本質

侘び茶の心、といえば紹鴎や利休が定家などの和歌に託した、といわれるものがある。 ところが「わび」の世界は、その花にも紅葉にも期待を持たないところに第一の特色がある。 (中略) このように一応美しさも感激も見出すことができないような景色のなかに、…

わびの芸術5 わび茶の発生

侘び、という美意識に対し、大きな影響を与えて来た茶の湯。著者はその発生に対して言う。 禅僧が一衣一鉢の簡素な日常生活をしていることは何びとも知る通りであり、その禅に刺激されて発生した茶がありとすれば、初めに「わび茶」式の茶道が生まれ出るであ…

ディスカバリーミュージアム 和敬清寂 茶席 千利休展

羽田空港第二ターミナルで開催されている無料の展示。平和島骨董市のついでに行ったよ。主にJALを使う私としては、あまり行かない場所なこともあり右往左往。…心底どうでもいいね。 本展示は、永青文庫とのコラボ企画。無料展示なのに目録配ってくれてありが…

わびの芸術4 わび生活の発生

華美を好んだ日本人がどうして侘び生活をはじめたか?まず、日本に仏教が来て、厭離穢土欣求浄土的な思想を広め、華美な世界はかりそめのものである、という認識が生まれた。 このように世相が変化しつつあった時に突如として、わが国の歴史上最も忌むべき大…

わびの芸術3 日本人は華美を好む

著者は指摘する。 いずこの人種でも、美しいものを制作し、これを観賞し、悦ばないものはないであろうが、なかんずく日本人は特別に美しいものを好む国民である。 以後束帯や十二単などを題材に、日本人が過去どれだけ華美な物を好んで来たか、を延々語る。 …

わびの芸術2 侘びとはなにか

「わび」という言葉は、われわれが深くも考えずに日常何の気なしに使用している。 そして、その「わび」は誰でも、一応おぼろげに頭のなかに一つの概念が浮かび上がり、説明をしてもらわなくても何かわかったものを持っている。 (中略) さて再びこの「わび」…

わびの芸術

望月信成/創元社/1967年。侘びとはなにか、という事を語る本。 意外に目から鱗的な感じなので御紹介。 序で著者は言う。 わたしは静かに茶室に坐って、ゆっくり茶を喫することがことのほか好きであるが、現代の茶会のあり方にはいささか辟易するものを感ずる…

♪でもメンバーには諸説あるんだ

利休七哲。蒲生氏郷とか古田織部とか、利休の高弟七人を言う。初出は江岑宗左が言ったことらしい。人によってそのセレクションは違うけど、基本全員お侍。利休から台子を習った七人衆がベース、という事になっているけど、それ自体結構怪しい気がする。 第一…

茶人の掃除

カルチャーの稽古場。 毎回私が掃除している。先生の御自宅の稽古場。 こちらは先生が掃除されている。さて。私は足運びの練習になるかと思って、白靴下でなく、足袋を履いてお稽古に参加している。 カルチャーでのお稽古の後、足袋は薄黒く汚れている。先生…

新茶

夏が来て「新茶」というのぼりを見掛ける様になった。…でもあんまりうれしくない。放射性物質の事を考えると、むしろ新茶でない方がうれしい感じ。今年は口切りで新茶よりも古茶の方が喜ばれる様な時代が来ちゃったんじゃないかな?とか思う。 特に静岡茶は…

竹窓茶話5 和

(前略) 抑々季節に應ずる草花を稱美するのは、即ち天地自然との和であつて、その「常」を尚ぶものである。季節はづれのものを賞翫するのは、奇であつて常ではなく、また和でもないのである。 (略) 茶室では、花入の花入によりその季節を示すのであるから、古…