2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

11月の展覧会

秋展示も終盤戦。内容ようやく判った徳川美術館が思いの他素晴らしげ。 行けなさそうだけど。 東京 期間 タイトル 備考 出光美術館 -11/3 仙涯 禅とユーモア 出光美術館 11/13-12/23 茶陶の道 天目と呉州赤絵 油滴 畠山記念館 -12/19 織部が愛した茶碗 高麗 …

婚活茶会

マイワイフに大山崎での婚活茶会のニュースを教えてもらった。http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20101028000100 女性の申し込みは約30人に上るのに対し、男性はリード役でもある「亭主」を務めるという条件が重荷なのか、まだゼロ。 そりゃそうだろ…

茶の湯古今春秋 その5 古田織部を楽しむ会

道具は織部づくしにして、点前は織部流にしよう、という企画。 道具はともかくとして、織部流のお点前する、というのがキモである。著者はつてを辿って大急ぎで織部流のお点前を学んだ。 織部流は広間でする式正の点前と、小間でするわびの点前の二つに分れ…

歴史秘話ヒストリア「わしの海でトルコ軍艦が沈んだ!〜はじめてのイスラム 大騒ぎ物語〜」

歴史秘話ヒストリア。今回は日本とトルコの物語。 前半はエルトゥールル号事件の物語。途中で文久3年の遣欧使節団がスフィンクスの下で撮った記念写真が出てくるが、この一行には少年時代の益田鈍翁も加わっていた。 後半は山田寅次郎の物語。山田寅次郎は後…

茶の湯古今春秋 その4 殿中茶の湯と町人茶の湯の相違

著者は足利将軍家の行っていたとされる茶の湯を殿中茶の湯と定義し、初期茶道の町人達による茶の湯を町人茶の湯と定義している。さらに、殿中茶の湯とはどういうものであったのか?そしてそもそも、殿中茶の湯は存在したのだろうか?と問いかける。 まず、君…

茶席の着物

本ブログはあくまでも私の為の覚書、という位置付けで書いている。そのつもりで書いてはいるのだが、このブログを続けていてありがたいのは、やはり皆さんにいろいろなご助言を頂けるという事である。 ありがとう、と改めて言わせていただきます。 さて、変…

茶の湯古今春秋 その3 十四屋宗伍の置合

松屋会記に載っている、天文六年九月十二日の“京都十四屋宗伍へ"の再現。松屋会記にはこうある。 台子ニ平釜 天下一、棒ノ先 蟹蓋置 上に曲ケ盆ニ高麗 茶碗ト薬籠ト置合セテ 台子をきちんとやっていない私でも、高麗茶碗が飾り置かれている、というのは天文…

冬の籠

今現在、籠花入は夏のものである。しかし、初期茶道では籠は冬のものだったという。んで、その頃は籠はむしろ夏には使われなかった。 理由?判らない。 私の仮説。 俗説通り、織部以前は籠に薄板を敷いていた、とする。籠花入は濡らさないものである*1。だか…

茶の湯古今春秋 その2 松永久秀の置合

天王寺屋他会記に載っている、永禄三年二月二十五日の“松永久秀殿御会"の再現。天王寺屋他会記にはこうある。 小板に てとり、ことく(五徳) 台天目 てとりならへて、二ツ置之様に つまり、小板に手取鍋と、台天目が並ぶ。 水指の座に台天目を飾る点前は、全…

茶の湯古今春秋

磯野風船子/雄山閣出版/1973年。 40年近く前。毎月一回、磯野風船子がテーマを決め、さまざまな茶人+出光美術館の所蔵品を持ちよって茶会を行う、という事をやっていたらしい。 本書はその会記であるが、それだけではない。 磯野風船子のさまざまな“う・ん…

炭手前の所作

炭手前の所作の中で、気になるのがある。 火箸を畳に押しつけて先を揃える所作である。 あれって「揃え箸」だよね? 食事の箸マナーと炭手前に解離があっても構わないと言えばそれまでだけど、やっぱなんか行儀良い所作には見えない。畳汚れそうだし。箸先を…

名物茶入の物語

矢野環/淡交社/2008年。本書は、現存する茶入に関し、有名なものをチョイスし、いろんな歴史資料にあたってその来歴を検討する、という本である。例えば。 つくも茄子について: 宗達文琳や小茄子と珠光の関連が唱えられる永禄前期でも、つくも茄子と珠光を…

花押の跡

骨董市で購入した花入。 面白い品物なのに、エラい安かった。 で、箱は無し。 買った後で、底を見る。 これ、花押を消した跡だよなぁ。誰の花押かはよく判らんが。ていうかどっちが上かも正直判らんのだが。んで、箱がないのは、箱に書き付けがあって、それ…

茶の湯志ほり その5 伝授

この茶の湯志ほりという本は、無記名の編者によって編まれた本、それも一般書としての叢書の一冊なのだが、どう読んでも一人の作者によって書かれた一冊の茶書、という印象である。んで、割と汎流派的に書かれているのだが: 茶の湯の傳授は何れも斯道熟達の…

茶の湯志ほり その4 箸

茶の湯志ほりに見る、懐石の頂き方。焼き物の後、飯櫃を持ち出す。 此所にて亭主相伴する客よりもゆるりと召し上れと挨拶あるべし、 客も三椀目の飯は盛りたるままにてあるべし、 左なければ亭主勝手にてゆるりと食事する心なかるべし。 なるほど。亭主にき…

茶の湯志ほり その3 柄杓の柄

手水を使う最後に柄杓の柄を洗う、と書いた昔の茶書がない、と書いた。http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20100514 手水の遣い方は、まづ右の手にて柄杓を持ち、左の手を洗ひ、 次に左の手に持ちかへ、右の手を洗ひ、次に又右に持ちかへ、水を汲みて 左の掌…

茶の湯志ほり その2 露地入

迎え付けに関し、以前まとめた。http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20100928 では、茶の湯志ほりに見る迎え付けのやりかた。 亭主立出で、路次口より御通り下されたしと案内あらば、客は答禮して之れより茶席に通るなり。 注目点その1。亭主が「お通りくだ…

茶の湯志ほり

日本家政研究会/藤谷崇文館/1926年。大正末年の茶の湯ガイドブック。全202ページと結構なボリューム。目次には 膳出し順の事 ………………… 四十九 みたいな事が書いてある。 膳出し順の事 ………………… 一一一 あれ?実は99ページから131ページは編者秘蔵の江戸時代の…

出光美術館 仙涯 禅とユーモア

仙涯*1の展示だが、前半は禅。後半はユーモア、という構成。 ちょっとお堅い感じの展示になっている。仙涯なので堅さにも限度あるけど。 いつもなら屏風を置く展示スペースに、ずらりと一行書だけを並べてあった。純粋に一行書だけを評価すると、仙涯のそれ…

永青文庫 永青文庫の茶入

正直に告白する。 永青文庫は茶道具美術館としてはしょぼい/つまらない場所と言う認識だった。 だが、私の認識はくつがえった。今回は実に素晴らしい展示だった。お勧めである。 茶入34点ずらりとならべてあるのも凄い。が、付属品の展示も素晴らしい。仕覆…

mixiのCM

テレビでmixiのCMをやっていた。私はmixiは使った事はないので良く判らないが、何人かのOLが、多分mixiのカレンダーかなんかを使って茶会の日程調整をやるって、CMである。内容は以下にある: http://mixi.jp/promotion.pl?id=cm 「たまには休息も必要です」…

上林日本一のお点前

「上林日本一のお点前」に関しては、特に説明はいらないだろう。上林竹庵が、利休が客なので緊張のあまり茶筅を転がしたが、利休はその粗相を逆に褒めた、という、例のお話だ。 この話、現代の茶商である上林にとってはどんな意味があるだろうか? 上林春松…

茶の精神 その5 精神茶と形式茶

例の上林日本一のお点前の話に関する論評。 形式茶の茶人は茶の形式的なことだけしかみてゐないが、利休はさすがに、主人の心をみてゐたのである。 そして、形式的の失敗は咎むべきではないとした。 ここに、精神茶と形式茶の態度のわかれ目がみられるのであ…

茶の精神 その4 かぶとむし

著者は、濃茶の廻し呑みの原点は、大燈国師であるという。 大燈國師が京都の五條橋の下で乞食の仲間に入つて修行していた時代に、橋下で仲間の乞食連中と一つの茶碗で湯を飲み廻していたことが動機となつて、今日の濃茶の様式ができたものだといわれてゐる。…

三つの紹鴎茄子

三菱一号館美術館にて 付藻茄子(松永茄子) 松本茄子(紹鴎茄子) の展示があった。二つの茄子が大正名器鑑のソレなら、漆繕いしてアレってことなのか。全然判んなかった。すごい繕い方だ。 さて。展示側は「松本茄子(紹鴎茄子)」としている。紹鴎茄子に関して…

茶の精神 その3 清正

著者は云う。 千利休と加藤清正の話は相當人に知られてゐるようだが、これは禪的な味のある話だから、ここに試みよう。 利休と清正の話?そんなんあったんかいな? 秀吉が朝鮮役を起こそうと計畫したときは、加藤清正はもちろん主戦論者であつた。 が、秀吉…

茶の精神その2 茶の正統

「茶の精神」の続き。求道者としての紹鴎が信長から死を賜わった、そういう竹内史観。じゃあ竹内史観的な茶史の正統はどういうものか。 なぜか信長に毒殺された紹鴎についで利休。内容はわりとフツー。 でも: 利休の傳書といわれる茶書はかなり多く殘つてい…

三菱一号館美術館 三菱が夢見た美術館

唐物大名物。付藻茄子と松本茄子。歴史に残るこの二つの茶入の展示最終日だったので、慌てて三菱一号館美術館へ参上。 仕覆の展示が無い。 …というのはまぁいいだろう。しかし、小展示BOXに二個まとめて展示、という扱いにびっくり。唐物大名物ですよ?唐物…

茶の精神

竹内尉/鮎書房/1949年。お茶の精神性について主に語った本。 当然お茶をホメまくるのですが。 世に藝術といわれるものは、人間生活の一部の、しかも最も美しい方面が、抽象せられたものが多いのだが、茶は日常生活の具體的に綜合された藝術だということにな…

お茶で景気回復

世の中、お金が回りにくくなっている。 政府はエコがどうのこうのと理由を付けて、液晶テレビや自動車に補助金をつぎこんで物を売ろうとしている。でかい液晶テレビの方が高いポイントが付き、自転車に補助金が行かないような行政のどこがエコなんだろう?と…