2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

6月の展覧会

春展示も終わり際。あいかわらず西高東低。とりあえず根津は行く、かなぁ。 東京近郊 期間 タイトル 備考 出光美術館 -6/10 悠久の美 唐物茶陶から青銅器まで 済 畠山記念館 -6/17 唐物と室町時代の美術 済 根津美術館 6/2-7/16 中世人の花会と茶会 泉屋博古…

初めての茶事3 茶事にテーマを持たせる

茶事の主題はなんといっても、テーマの設定にあります。 (中略) それでは、テーマはどうやって決めるのでしょうか。フォーマルでない、親しい間柄の客を招いて催す茶事ならば、これといった決まりはありません。強いていえば、オリジナリティを持たせること…

初めての茶事2 自分なりの茶事を計画する

茶事を始める、という事の敷居の高さ。 これは茶道にとって非常に重大な問題だ。わたしも自分ちの狭さや構造や動線やちらかり様を見ると、どうすればいいかわからなくなる。 この本はそういう事にも: そこで、自宅で茶事を催す際に役立つ創意工夫のポイント…

初めての茶事

世界文化社/1994年。「茶事の贅沢12ヶ月」シリーズの第1巻。最初のグラビアはお茶事の様子。正客は土田早苗さんのレポート形式。 お席は高輪プリンスホテルの恵庵。初めての所なので、前の日に準備中のご亭主にお礼のご挨拶に伺ったときに、所要時間を調べて…

大名時計

大名時計、と呼ばれる機械がある。江戸時代、大名達がステータスとして買い求めた高価な機械達。ま、現代でも1000万を超える超複雑系時計ってのは売っているわけだから、時代が変わっても人間やることが変わっていない気がする。 さて、大名時計ってステータ…

濃茶プリン

トーラクの「濃茶プリン」が想像以上に濃茶っぽい。http://www.toraku.co.jp/products/original/%E6%BF%83%E8%8C%B6%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3/ 安い抹茶を大量に使って蜜で甘味をつけたのが、逆に濃茶感を出しているのだと思う。次は加糖無しで高級抹茶で…

『茶道長問織答抄』を読む 総括

茶道長問織答抄を読んで分かるのは、織部が確固とした好みを持っていたこと。…あたりまえだけど。ただ、状況として、今みたいな「ある程度お点前に様式がある」世界ではない。「いろんな適当なお点前が世の中に存在した」中で、「俺はこれが好きだ!」と思っ…

『茶道長問織答抄』を読む10 すすぎ

一 こい茶の後、茶碗ニ茶つき候を、客人湯を入候ても所望候は、おなしくハすゝぎ候て、別ニうすく立候かよき由、 古織、浅但馬守所へ数寄に御出、こい茶の跡へ湯を入のミ候へは、わかき御人におなしくハ不似合候由、以来御のミなきやうに申候へと覚甫ニ御申…

『茶道長問織答抄』を読む9 茶杓を渡す

こい茶の時、茶を茶入より茶碗へ入、茶杓茶碗の上ニ渡し置きたるかよし、 茶碗の中へ茶杓入をきても定たる事ハ無之候へとも、おなしくハ上がよく候ハんよし、 濃茶の時、茶を汲んだ後で茶入を扱い直す時、邪魔な茶杓は茶碗の上に置くのがいい。 茶碗の中に突…

『茶道長問織答抄』を読む8 柴手水

茶入拝見の時、手をぬくひ候事、利休の仕たるをハみさるよし御申候 南方録でいう柴手水。利休がしているのを見たことがない、と織部は言っている。※ただし織部は「自分はしない」と言っているわけでもない。 この覚書が書かれたであろう慶長年代。織部が利休…

『茶道長問織答抄』を読む7 ふくさ

ふくさ物たヽみに置事、むさき心有之由、古織御申候よし、 昔、釜の蓋の取り方について、三種類あるのではないか?とまとめた事がある。http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20071112 現代の上田宗箇流がどれに該当するか分からない。 入門書を読んでもなんか…

畠山記念館 唐物と室町時代の美術

唐物名物と室町の日本美術をいっしょに並べた展示。結果として「室町まだまだっすね」みたいな感じになっているのは致し方ない。しかし堆黒倶利盆と鎌倉彫猩猩香合を比較しちゃうのはちょっと可哀想ではあるまいか? 青磁鳳凰耳花入。…青磁花入ってカッコい…

『茶道長問織答抄』を読む6 利休

一 利休を不閑夜会に御よひの時、足つけにて結構なる振舞候つれは、はしをも不被取機嫌あしきよし、 不閑が利休を夜会に呼んだ時、足付膳にて豪勢な料理を出した所、箸をも取らず、機嫌も悪かった。 利休の性格を表すエピソード。これを厳しい人、と取るか、…

『茶道長問織答抄』を読む5 筆者

夜会に花わろし、墨跡は不苦由、宗ケ御申候 夜会に花はよくない。墨跡はアリ、と宗箇はお話になった。 …。 このドキュメントの筆者は誰なのだろう? 古田織部が浅野幸長に通信教育した内容を上田宗箇が取り次いだもの、ではないのだろうか?この書き方だと筆…

『茶道長問織答抄』を読む4 床の拝見

一 床の物みる事、身をゆかますろくに、相客其心得すへし、 床の物を拝見するときは、体をまっすぐに向けなさい。相客も配慮しなさい。…という事。そんな変な事は言っていない。でも。熊倉さんの解説より: 相客の心得はよくわかりませんが、相客といえども…

『茶道長問織答抄』を読む3 カネワリ

一 水さし、中柱よせ敷居より十目十一目、但三帖大目の時、 (中略) 一 茶碗、棗の間四目、五目程、但是も茶碗によるへき由、 現代の上田宗箇流では畳を等分割した曲割を採用している。だが、古田織部が浅野幸長に教えた茶では、目数で計る方式を採用していた…

『茶道長問織答抄』を読む2 掛物

是より、幸長、古織部殿御尋候覚一 墨跡の覚、ふうたい左を上に成様に重ぬるなり、 一 掛候時、緒右によする、 (略) 幸長が質問した件への解答である。 掛物をどうするか、というのは伝書に非常によくある質問で、織部の解答もごく普通の解答なのだが、疑問…

『茶道長問織答抄』を読む

熊倉功夫/第一学習社/2011年。上田家に伝わる茶道覚書を解釈したもの。 上田宗箇の主君、浅野幸「長」が「問」い古田「織」部が「答」えるという形式の通信教育。その中継ぎを上田宗箇がやっていた関係で、上田家にこのドキュメントが残っていたらしい。桃山…

上田宗箇流茶の湯 入門編6 三ツ指

三ツ指の礼、という礼の仕方は、世の中的には誤解されている。 どういう風に誤解されているかと言うと、「ひとさし指、中指、くすり指の三本の先を畳につけた礼」と思われているらしいのだ。 だがこれは本当の三ツ指の礼ではない。 三ツ指の礼とは「両手を体…

上田宗箇流茶の湯 入門編5 銅鑼

うむ、上田宗箇流はヤンキー座りしない流儀の様だ。 とりあえず確認しとかんとね。

上田宗箇流茶の湯 入門編4 曲割

上田宗箇流のカネワリ。これを見て判る事。 亭主は炉壇の隅を向く 炉縁の線より向こうに体を置かない。 建水は炉縁の向こうにはみださせてもよい。 柄杓は炉を三等分した右の線に交差させて置く 水指は畳の中心線より少しこちらに置くが、どのくらい前に置く…

点前は見せるものか

はなこさんから面白い問題提起があったので、それに関しわたしの意見を述べたい。 テーマはふたつ。 点前は人に見せる為のものか? 点前を見せる意識と侘びとは対立するか? 「お目だるい」「お退屈さま」の挨拶に、「点前は亭主が客に見せる為のもの」とい…

上田宗箇流茶の湯 入門編3 盆点前

盆点前は、入門用のお点前であるだけに、普通はより上位のお点前で使う所作を組み合わせて後のお稽古につながる様にするのが普通だと考えている。そういう意味でこの流派の盆点前は面白い。 盆を仕組む時に、茶碗と棗を置くだけでなく、帛紗も畳み置く所から…

上田宗箇流茶の湯 入門編2 割稽古

上田宗箇流の割稽古。右手を体の左側へ持ってきてから帛紗をぱらりと落とす。この流派のふくさ捌きはかっこいい。 しかし、この流派の所作の中で面白いのはやはり柄杓の構え方だろう。こんな構え方する流派他に見たことがない。鏡柄杓とは対極。柄杓の合を客…

上田宗箇流茶の湯 入門編

上田宗冏・上田宗篁/第一学習社/2011年。タイトル通りの入門書。紹介されているお点前は 盆点前 薄茶点前 濃茶点前 炭手前 立礼台の点前 点出し作法 盆点前、立礼台は明治以降に作られたお点前かな。点出し作法ってのはお運びさんの出し方の事。水屋でポット…

三露

大寄せの列整理なんかで一日露地に出ていると判るが、土の地面の上にいると直接地面に触れていなくとも、足袋が黄土色になってしまう。もちろんこれは土埃が巻上がるからである。 だから、三露といって、客が入る前、客が中立に出てくる前、客が帰る前に水を…

お茶のたて方 中立

松平宗圓の「お茶のたて方」。ひさしぶりに読んでいてちょっと気になる所があった。 客は順々に正客から湯相、火相を見、床の幅を拝見して外へ出て、腰掛けに居て次ぎの案内を待ちます。 亭主は客の出た後で席を掃除し、露地に水を打ち、つくばゐの水を新ら…

平和島・全国古民具骨董祭り

年5回もやっている大規模骨董市。 せっかく骨董市に行ったのに、リサイクルショップ的な店ばっかりじゃつまらない。でも、超高価な店ばっかでなんも買うものがないのもまた悲しい。 平和島・全国古民具骨董祭りは、そのバランスが非常にいい感じの骨董市で…

私は利休1

早川光,連打一人/集英社/2012年。監修は木村宗慎。 ジャンプ改に連載されている、利休が現代に転生したら…というマンガ。 いきなり自己紹介から笑ってしまうが、そこを切りぬけるとなかなか面白い話が待っている。親も自分が特殊な苗字なら、少し考えてやれ…

出光美術館 悠久の美

「唐物茶陶から青銅器まで」という、唐物特集。まずは平沙落雁図がお出迎え。…こういうぼやっとした絵をありがたがって掛けていた時代があったんだなと思うと、少々不思議。 今のお茶だとちょっと使いづらいよね、こういう掛け物。 続けて各種天目茶碗。あん…