當世茶会心得 弐

 

客は順に座敷に入り、順次居換わりしながら、床の掛け物を拝見します。

最後の客は密になりますので戸を閉め切ってはいけません。「最後に入りますが戸は空けさせて頂きます」とご挨拶して入ってください。それが亭主への合図になります。

客は間隔を空け畳一枚に一客を目安に座りますが、六畳なら三客、八畳なら四客、十二畳なら六客がせいぜいで、それ以上の相客が居た場合は続きの間に案内を乞います。

全員が座った所で、亭主が茶道口に挨拶に参ります。

ここで正客が挨拶し床の道具について尋ねます。

客と亭主の間は2メートル程度は離れている筈ですので、唾が前に飛ばないよう少しうつむいて意識して大きめの声を出してください。

全員がマスクをしているのを献茶式の様相と嫌う方もおられますが、マスクを外してはいけません。マスクをしたまま談笑するのも嗜みと御理解ください。


ここで亭主が水屋へ戻り、炭道具を持って入ります。

亭主が炭を直しますが、その最中に近くに寄って拝見してはいけません。炭を直し終ったところで亭主が控えますので、順に近寄って拝見してください。

亭主が戻り、香を焚きますので、客は息を吸いながらマスクを少し緩め、香りを聞いてください。
当流ではマスク紐の下側を両手でつまみ、前に出すようにしてすき間を空けます。
マスク自体に手を触れてはいけません。またマスクが緩んでいる間は息を吐いてはいけません。

次に香合を順に拝見いたします。

香合が亭主に返り、亭主が炭道具を持ち帰ると、いよいよ懐石になります。

(続く)