2008-01-01から1年間の記事一覧

1月の展覧会

お正月の展示。人間国宝美術館、つーのははじめて知ったな。 人間国宝美術館なのにメイン展示が細川元首相…どーゆーことよ? 東京 期間 タイトル 備考 三井記念美術館 -1/24 寿ぎと幽玄の美-国宝雪松図と能面 茶道具有 五島美術館 -2/15 茶道具取合せ展 畠山…

それぞれが自慢のもの

私のお茶/藤原銀次郎より。老茶人の教える茶人の道具の褒め方の話は非常に勉強になった。 もし正客が「これは結構なお道具で…」といつたとして、すぐそれをホメてくれたのだと素人なら思ふかも知れないが、茶人仲間ではこの結構といふ言葉は、一通りの挨拶で…

益田さんの深謀遠慮

私のお茶/藤原銀次郎より。藤原銀次郎が茶の道に入ったいきさつ。 さて、縁あつてわたしがお茶の道に入つたいきさつは、三井物産における益田さんと社長社員といふつながりからであつた。 (中略) それも最初は不承不承、いや、それどころではない、世の中に…

私のお茶

藤原銀次郎 著。藤原銀次郎は(私の感覚では)あの世代の中では遅れて来たお茶人。近代数寄者達の掉尾を飾る男が最晩年に書いた一冊。これは最後の茶人の証言、とも言える。 いふなれば、つまりお茶の味は質素檢約の味だ。 質素檢約の味がわからなければ、ほん…

こびりつき

茶杓にみょーに抹茶がこびり付く時がある。というか、まとわりつくというか。 がっつらこびりついている、という程ではない。 拭いたら綺麗に落ちる程度。 でおとん、と茶碗の縁で打っても、あんまり落ちてくれなかったり。大したことではないのだが、帛紗で…

ぽち袋

ぽち袋に香木を入れて、香合代りにするとかわいくね? 紙の釜敷きを見ていて思い付いたんだけど。別に合わせ物でないと香合にならんわけでもあるまい。

八十島

"町人茶道史"には八十島の説明もあった。「江戸東京の茶の湯展」で展示のあった、裸お点前の錦絵の人である。東西庵こと八十島は茶道だけでなく風雅の道を嗜んだ力士で、六十才まで現役を張ったある意味怪物である。 ある人のもとへ行て、あやまちて茶わんの…

山里曲輪

大坂城の落城の際、山里曲輪の兵糧蔵で秀頼と淀殿は自決した、と言われている。大坂城の山里曲輪には茶室があった。…ああ、この二つ、おんなじ場所じゃん。つい昨日まで気付いてなかったぜ。茶室と蔵は違うけど。とりあえず近所。当然、山里の茶室もこの時灰…

紹鴎名物の行方

"町人茶道史"の今井宗薫のエピソード。 宗薫は、さきに豊臣家を裏切って摂津茨木城に退居していた片桐且元を頼って避難しようとしたやさき、大坂方の軍兵におそわれた。彼は嗣子宗呑とともに捕らえられて大坂城内に監禁され、家財、茶道具をすべて没収された…

町人茶道史

原田伴彦 著。桃山から江戸の町人茶人達に関する研究。島井宗室から平瀬露香まで。冬木家とはどーゆー家か?とか、謎だったトコも判ってうれしい。基本的に豪商のお話であって、割とお大尽な内容。江戸時代は武家なんぞより、商人の方が金をもっていて、文化…

ミゾロ道

ネットでいろいろ調べてると、たまに変なものをみつける事がある。謎のページ、ミゾロ道。http://fweb.midi.co.jp/~liberty/mizoro/本当に謎だ。

唐子の蓋置

松平定信の"茶道訓・茶事掟"には、唐子の蓋置は、熱々の釜の蓋を子供の頭に押しつけるので可哀想、とかいう趣旨の事が書いてある。そんな発想は無かったんだけど、こー書かれちゃうと、そういう風に見えてしかたない。んで、最近はこれに見える。

君台観左右帳記

君台観左右帳記へのリンク↓。http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=40069578&VOL_NUM=00000&KOMA=1&L=0こういうものが気軽に読める、という意味でインターネットは便利である。さて、君台観左右帳記といえば、書院飾りである。「下京茶の湯」をお…

茶人 豊臣秀吉

矢部良明著。まるで「一休さん」の将軍さまの様に、利休のやられ役として扱われる秀吉。その秀吉が、実際にどういう茶人であったか検証する一冊。利休と懇意になる前から茶事に創意を加える秀吉。 そして利休を死なせてからも茶事に創意を加える秀吉。そこに…

昭和初期の茶道

昭和初期の茶書を読んでいると、現代とは全然違う茶道観で面白い。高橋箒庵"おらが茶の湯"はこう語っている。 書院の台子茶などと云うのは原始時代の形見で、宗匠連中は心得て置かねばならぬであろうが、夫れが世間に流行らぬのは、草庵侘茶の趣味が夫れより…

縁高と食籠

食籠の扱いを習う。重い食籠の蓋をひっくり返す。「それは佐渡おけさ」…そうか、前後にひっくり返してはいかんわけだな。食籠は裏ではあんまり使わないらしい。俵屋吉富さんのページより: http://www.kyogashi.co.jp/shiryokan/d-3-3/02-03.html 裏千家では…

長板

バーンと置いて、そこでお点前すると、お点前の格が(平点前よりは)ひとつあがる。それが長板である。いやさ、別に長板で無くても棚でも卓でも台子でもいいんだけど。ここで疑問。「置くと式正になる」ものはあるけれども「置くと侘びるもの」ってなにがある…

板を敷く

茶道にはいろんな約束事があって、それが意外に合理的だったりもして面白い。でも、そんな中で、どうにもピンと来ない事がある。板を敷くことの意味合いである。 花入の下に板を敷く。 茶入の下に盆を敷く。 長板を置いてお点前をする。 何かを敷く事で、道…

利休の茶

私は歴史への興味から「利休の茶とはどうだったんだろう?」というのを調べている。 それとは別に、茶道を学ぶ上での教養として、利休の様々な伝説を受け止めている。 この二つが別々に存在するのは、まぁ仕方が無いからと思って受け入れている。流布してい…

明星水

日本中で、昔の地名が失われている。残念なことだ。私は幼い頃、「明星水」という名の小さな区画に住んでいた。「明星水」という名の泉が湧き出ていたからだと言う。まわりの町名が「開田」「川原久保」「野添」とか、いかにも寒村臭かった中、その地名はき…

三の間

茶話指月集の注に曰く: 京にては醒井・柳の水、宇治にては三の間。 宇治橋の中程。三番目の柱の間から汲んだ、宇治川中央の水は名水。…という事になっていた。昔はおおらかだった…んだろうな。つーか、そもそも川の水飲む事に抵抗ないっつーか。私は川の水…

水屋流茶道

今日も水の話。伊勢松坂に水屋流という茶道があるらしい。http://www.mizuya.org/茶碗洗ったり菓子鉢に菓子盛ったりが中心の茶道…というわけではなく、「水屋神社」の宮司さんがしている茶道だとの事。http://blog.goo.ne.jp/goo25715/e/8e0a57cce25a2bafedf…

炭と水

世間的には「備長炭を水に入れると水がまろやかになる」んだとか。でも伝統的に茶道でそんなことしない(よね?)抹茶道ではないが、江戸時代の煎茶道の茶書「清風瑣言」は以下の言葉を伝えている。 又、水を製する法有り。常品の水を瓦罐に沸らせて、屋上、或…

畠山記念館 数寄者 益田鈍翁 心づくしの茶人

記念館を出て、見てきたものを咀嚼する。断腸と屁。困った。これしか印象に残ってない。「毘沙門堂」。 鈍翁が買わなかった事を「涙を飲みて」「断腸の思ひ」で後悔した柿の蔕茶碗。いや、ほんとうに素晴らしい茶碗。削り込んでシャープしかし山道な口縁。か…

痛車

痛車、というものがある。http://www.geibunsha.co.jp/mook/ita/萌え絵をでかでか描いた車で、実際見ると「な、ちょ、マジかよぉ?」ってな気持ちになる。ふと、思う。仁清の京焼がはじめて披露された時、当時の茶人はこーゆー気分になったのではあるまいか…

松風

私にとって松風は大徳寺脇の松屋藤兵衛にトドメを刺す。あのしっとりもっちりした食感。複雑な味わい。うまい。うますぎる。…京銘菓だけど。それはさておき、全国の和菓子屋を巡っていると、松風、という菓子銘で、割といろんなタイプのお菓子がある事に気づ…

煮〆

茶道全集巻の七 懐石篇、「懐石挿話集」末宗廣より。 利休まだ若かりし頃、奈良の宗春と云ふ茶人が突然訪ね來り、不時の茶を所望した。利休は兎も角もと煮〆の茶請を出し茶を供したのであつたが、其の煮〆を出した事を後々迄門弟達に失敗だつたと云ひ、斯か…

酒量

茶道全集巻の七 懐石篇、「酒器」佐々木三味より。 従來書いた大盃はいづれ攻め盃には相違ないが、これは相手を盛り潰すとか、下戸いぢめなぞの趣向から用ゐられる。 潰すとか下戸をいじめるとかが趣向に含まれた時代があるのか…と思うとなかなか恐ろしい。…

青首鴨

茶道全集巻の七 懐石篇、「料理の今昔」栗山善四郎より。羅漢会、鈍翁や松浦心月を客に招いたある侘び茶人のエピソード。 ところが其の侘茶人は清貧洗ふが如しといふ中から、うんと奮發して其日の椀盛には上等の青クビを使つたのです。連客は「こりや鴨らし…

風月洞書店

茶書を求めて神保町は風月洞書店に行った。 茶道古典全集の「松屋会記」を購入。古典はあるものの、逆に半端に古いものがないのに気付く。「数寄の革命」とか「テクノクラート小堀遠州」とか探しているんだけどなー。そんな中で千宗之(現 坐忘斎)著の本が点…