2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「あきしぐれ」

大森宗晋“茶の湯・心と形”。茶禅一味にちなんで、禅についていろんな茶人家元が語っている。が、大森さんはひと味違う境地にある様に思う。 私は、ある和尚に次の様な言を聞かされたことがある。 「禪門では、弟子はそう沢山育成する必要はないのだ、ただ一…

「いねかり」

茶の湯・心と形

大森宗晋/白川書院/1978年。大森さんは玉川遠州流のお家元。南方録に関する部分はかなりお題目っぽいが、他は結構面白かった。 大森さん、濃茶を廻し呑みするのは、本来非礼であると語る。それが許されるのは気心の知れた人達の間だからである。なので、大寄…

「ともしび」

10月の展覧会

ちょっと早いけど、来月の展覧会。根津と逸翁がオープン。但し根津の初回展示が茶道具含みかはいまいち判明しない。 その他は中村記念美術館と福井市愛宕坂茶道美術館の日本海側が楽しそう。 東京 期間 タイトル 備考 五島美術館 -10/18 秋の優品展 出光美術…

「かかし」

村田珠光は侘びか?

なんとなく、ゴジャースなイメージのある武野紹鴎。それに対し、村田珠光は侘びたイメージが有る。ここでいう侘びとは近代の美学的な意味ではなく本来の「マジ貧乏」の方ね。 でもよく考えてみたら、「投げ頭巾」みたいな唐物肩衝の所持者だし、養子の村田宗…

「みやぎの」

趣向

小林一三の“雅俗三昧”を読んでいて茶人逸翁が意外にヨワムチなのに気付く。 こちらの弦月庵へは箒庵さんは來られたが、益田さんや原さんを呼ぶ勇氣がなかつたし、自分の考への陣容も充實してゐなかつたので、二度目三度目にもお招きしなかつたところが、益田…

「むさしの」

湯木美術館 棗と茶杓

京都→大阪 茶の湯の旅をすると、ついつい、大阪の茶道具系美術館の最初に藤田に行ってしまう。交通の便がいいから、つい。で、ここを最初にすると、次に行く美術館。ぶっちゃけ湯木の道具が色褪せて見えてしまう。…だけど、今回の湯木は一筋縄ではいかんかっ…

「うらのとまや」

藤田美術館 日本のやきもの・アジアのやきもの

京都→大阪 茶の湯の旅をすると、ついつい、大阪の茶道具系美術館の最初に藤田に行ってしまう。交通の便がいいから、つい。でも、ここを最初にすると、次に行く美術館(大抵は湯木)の道具が色褪せて見えてしまう。飴噛んだ後の果物ぐらいの印象。次からは最後…

「おとわやま」

楽美術館 勢揃い京の焼物

一階の展示を見て思った。「大した事無いなー」 いつもの「楽歴代」的な展示ではなく、京焼全般の展示。了入に旦入、道八に和全か。正直楽美術館の収集能力じゃこの程度が限界か、とか思ったよ。ま、清水六兵衛の御本立鶴茶碗はイカすし、旦入の伊羅保写し茶…

「なつのなごり」

北村美術館 秋興の茶

…暑い。東京から帰って来ると、予想外に夏な感じの京都。そんな暑さの中だが北村さんの中は秋。 古天明 霰傘地文釜。えらく迫力の有る釜だが、替え蓋が可愛い。取っ手が竹の枝みたいになっていた。利休茶杓“タヽイヘ様参”。全然利休形には見えない。蟻腰のな…

「からくれない」

教科書

古本屋巡り。狙いは戦前、大正、明治、そして江戸時代の茶書。明治あたりの本ってのは、背表紙に本のタイトルが書いてない奴が多くて、一冊一冊手に取って確認しないといけない事が多い。しかも状態が悪いので十把一絡げで積んである事も。そうやって古書を…

「やまかぜ」

曲尺割の実際

曲尺割に関し、曲尺割通りに置く事が美的なのだ、という人が居る。 そういう人は大抵曲尺割の話の中に「西洋で言う黄金分割」という。本当かな?では曲尺割にしたがって幅3尺の自作置床(板床)に、花入と香合を置いてみる。本当は茶室の陰陽はトータルなので…

「ふかくさ」

シベリア抑留

「にぎわいぐさ」を買ったのは、小堀宗慶さんがシベリア抑留に関して書いていた為。 昭和二十四年九月五日、舞鶴に上陸復員まで四年の星霜を、シベリア中部のタイシェット、ブラーツク、イルクーツクのバイカル湖地区において、最低零下四十数度という極寒と…

「うろこぐも」

にぎわいぐさ

小堀宗慶/大絖書房/1987年。毎度毎度、遠州流に厳しいなにがし庵でございます。 私は先般、海外から持ち帰った見立て道具の取り合わせ茶会を催して、来客の方々から好評を得たが、 誰が家元に直に「いやー、今回の感心しませんでしたよ」って言えるのよ?客…

「あかねぐも」

刀掛と脇差

前に、 もしかすると茶室に付随する刀掛は、町人中心茶道の中で塵穴の如く形骸化したものではなかっただろうか、とか思ってしまう。 http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20090901なんて書いた。でも、良く考えたら、武家にせよ町人にせよ江戸時代に刀掛は茶…

「おみなえし」

茶道3

竹内撫石庵の“茶道”。この本の紹介している茶人エピソードはちょいと「尾鰭」がつきすぎている気がする。利休前妻宝心妙樹について: 前の妻は利休を惱ませた。さすがの利休もこれには大分閉口したものらしい。 勿論確實な史實によるものではないけれども、利…