茶人織田有楽斎の生涯
坂口筑母著。
有楽斎といえば大坂城で淀君に寄生してる毒にも薬にもならないジジイで、甥の常真とキャラがかぶっていてあんまり区別がつかない。
「へうげもの」は随分酒脱な有楽斎を描いているが、一般的には前者のイメージじゃないか?
そんな茶人大名の、おそらく唯一の伝記。
当然だけど御曹司が如何に保身し続けたか、みたいな内容。
処世の面では当然として、数寄の面でも結構同時代人(というか主に織部)にボロクソに言われている。現代の私には有楽斎の審美眼はかなり的確に思えるので、結構ふしぎ。
あと、最晩年は金地院崇伝と仲良しだったのは知らなかったなぁ。
さまざまな資料から有楽斎のエピソードを収集して来たのは偉いと思うが、その羅列に終始しているのがちょっと残念。もっとおもしろおかしく書けると思うんだがなー。