千利休の「わび」とはなにか

神津朝夫著。

利休の茶道の実態を、定説の先入観を排除し「信頼できる」同時代資料から解明する、という本。

山上宗二記や天王寺屋会記より得た結論は

  • 茶道は禅の茶礼由来でも東山殿由来でもない
  • 紹鴎の茶道は侘び茶ではない。珠光は浄土宗の坊主で侘び茶
  • 利休は紹鴎ではなく辻玄哉の弟子
  • 利休はほとんど唐物を使わない。道具組も毎度同じ
  • 待庵の二畳間は秀吉の注文であって利休の創意ではない

んで、茶道における利休が与えた変化は飾り置きされている台子の手前に対し、運び点前を主流にしたこと。本来風炉も炉も一様に左に置ける逆勝手/風炉左だった当時の点前を、運び点前の見栄えを重視し現在の本勝手に改めた。

…てな内容。若干トンデモ臭いが結構刺激的な内容。

ま、そういう事が判ったからといって、僕等の茶道がなんか変わるわけでないですけど、ルーツって気になるよな。