野点籠用茶杓と盆

市販の野点籠は筒型で、中に茶碗が入っている。
この茶碗の直径内に茶杓を入れる為、一般的な野点茶杓は二つ折れ。

ぶらぶらするし、段差があるので茶杓が拭きにくい。うちの流派はふくさで拭く最後に茶杓を貫通させるように押し出すのでよけい具合が悪い。
あと、プラの止め具も味気ないよね。

今回用意した籠は立方体。そもそも折りたたみ茶杓の伸ばした状態より長い。なので、短めの茶杓を作れば入っちゃうのだ。

というので作ったのがこれ。行の茶杓、というより、節でぶったぎった逆樋の茶杓みたい。銘は…旅先で使うハーフサイズの茶杓だから「道ハ続クヨ先ヘ先ヘト」としとこう。


お盆は適当な薄板を、籠に入るサイズに切断し、漆を塗っただけ。2分割だが綴じ紐も蝶番も付けていない。だから平たい場所がないと盆が展開できない。膝上でお茶を点てるのは無理。でも結界と言う意味で。

きれいには塗り切れてはいないが、盆の作成で得たノウハウ。

  • 錆漆による地付けで平滑面ができる
  • 塗膜を研ぐにはサンドペーパーより砥石が優れている
  • ほこりがついちゃうのはどーにも避けらんないこと
  • 少し研いで内部乾燥…がうまい手順
  • 時間経過で塗膜の強度が向上し、作業がはかどる。乾いてないトコを研ぐと、めろり、となる。当代の宗哲さんが「長く乾かせばそれだけ塗りが強くなって作業しやすい」と言ってたが、本当だった。
  • 色ムラは塗りムラだけじゃなく、乾きムラの可能性もある
  • 仕上げ研ぎ後の拭き漆ではじめて光沢が出る

等。

という事でMy野点籠の紹介終了也。