家元御好
家元お好み。というのがある。うちの流派は家元がいないのであんま関係ない。せいぜい利休好みを尊重するくらいか。
でも、家元お好みって、面白くて好きだな。こればっかは家元いなくて残念。
そういえば抹茶の世界では家元好み認定は既に産業の一部。詰めの方で適当に作って家元に承認してもらう、みたいなプロセスと聞いている。
味の変化する茶葉相手に絶対値で味覚を決定できる様なものじゃないから、ブレンダー先行なのは仕方無い。もし絶対値でブレンドできるなら物故者の好みも再現できる筈。上林なら利休好の抹茶を出せるってことになる筈なんだよね。
道具に関する家元好みは、利休を、自流派を墨守はしないよ、っていう表明でもあるので、ちょっと危ういことなのも面白い。
それはさておき、いっつも不思議なんだが「家元の好み」って変わらないのだろうか?
淡々斎さんは一生ぐるぐる渦巻きに囲まれてすごし、不白さんは鶏頭がずーっと好きだったの?
僕ら一般人は流行に流されて生きているわけだけど、美意識にセンシティブな筈のお家元の好みが不易、というのは不思議な気がする。
それとも家元好みも時代に流されて変遷してたりするものだろうか。私が知らないだけで「08年春の坐忘斎好みはvividなカラーリングでキメッ」みたいな事がなごみに載ってたりするのだろうか?