へうげもの第七十七席「愛しき反逆者」

こーゆー連載物は単行本にまとまってからしか書かないんだけど、今回はあんまりにも凄かったので、感想。

今週の掲載なので一応「続きを読む」で。


今回のキモは娘お吟を差し出せ、との秀吉の要求。そしてお吟は“松永久秀の娘として”秀吉を殺す決意をする…というお話。


千少庵は宗恩ことおりくさんの連れ子である。父は宮王三郎っていう説の他に、松永久秀説が有る。この俗説と、「お吟側室」という俗説を組み合わすとは想像もしていなかった。やられた。

未だへうげものには道安も少庵も出て来ないのだが、これで彼らは出て来ないのが確定したのではないだろうか?

へうげもの」はあくまでも利休と、その後継者である織部、そして信長秀吉家康と言う権力者との関係を描く漫画である。

道安あたりをちょっとでも出すと、キャラ立てたり立場説明したり父と共に失脚したり死んだり…なんて事を説明しなきゃいけなくなる。利休が道安で世襲を目論んだ形跡とかも描かなきゃ行けなくなるかもしんない。それじゃめんどっちいし焦点がボケる。

大胆にも「二人の息子を描かない」事を選択したのではないか?


しかし、俗説・史実の取捨選択のしようが実に面白い。


今後は多分、おりくさんが三成の蛇攻めで殺された、という説が採用される気がする。

あと、利休は切腹する時に腸を釜蛭釘に掛ける、という説も採用される気がする。
もしかすると自在の長さを調節するように炉の前に座って腸の長さを調節するかもと思っている。

今後が楽しみだ。