ひけ

前に作った乾漆の「自作 利休形中棗」。完成から一カ月で「ひけ」が入って来た。

甲を障子ごしの日光にかざしたもの。全体にでこぼこになり、布目がうっすらと出ている。

下は当初の写真。反射具合の違いが判るだろうか?

実はその前に作った「じぶんなり小棗」もひけが入り、先日塗り直した。

乾漆は盛る/塗る→水砥ぎの繰り返しで、下地にも麻布にもどーしても水を吸わせてしまう。その水が内部に残留していて、完成後、少しづつ漆の吸湿性を利用し抜け出て行ったのだと思う。

これを防ぐには水砥ぎ後すぐに塗らず、長期間乾かしてから塗る、という手順を踏めばよい筈なんだが…なかなかそーはいかないね。
だって、研いで→一カ月乾かして→塗るのルーチンだと、失敗して塗り直したりするだけでまた一カ月待たなきゃいけないじゃん。そりゃ辛いよ。

ま、これはこれで味わいだと思えなくもない。
修理するかは今後の検討だなぁ。