塗り蓋の急須水指
急須水指の共蓋が使いづらいので塗り蓋を作った。
共蓋はぶ厚過ぎて使いにくかったらだ。
この蓋は、蓋とつまみを別々に電動ろくろでひいて、くっつけて漆で塗ったもの。
つまみはよくある半円の弧ではなくはじき状。急須の蓋だから。いや、あの半円つまみ、トーシロには作りづらいのよ。
塗る前に蓋とつまみをくっつけたので、つまみの下の面の表面処理が甘い。でも後でくっつけると、それはそれで接合部をきれいに塗るのが面倒なので、痛し痒しである。
そういう意味では半円のつまみは、つまみをつけた後で塗っても仕上げしやすいと思う。
ずっと乾漆をやっていたので木地はあんまり塗った事が無い。今回の塗りで判ったのは、強く爪でつまむとへこんで跡がついちゃうことだ。木地の初期処理、生漆を吸わせる工程が十分でなかった為に下地が弱かったんだと思う。これ反省点である。
ぐっと水指っぽくなったのではなかろうか?
さて、こうやって水指の蓋が自作できる様になったと言う事は「あらゆる器を見立てで水指に転用できる」様になったと言う事だ。
さて、これを実用してみると、妻から注文がついた。
「客の位置から急須の茶漉しのぶつぶつが見えて気持ち悪い。」
…確かに。
内側の茶漉しは朱漆仕上げ。グロイといえばグロイな。注ぎ口の側をあえて客付に向け、中の処理が見えない様にした方がよさそうだ。