五郎棗

三井記念美術館 森川如春庵の世界。

乙御前の茶碗に平瀬家が付けてくれた天下一の五郎棗が展示されていた。

あれ?…なんで平瀬家はオマケをつけてくれたんだろう?

平瀬家は、左前になったので第二回の売り立てを行った筈。この五郎棗だって競りに出せばそれなりの値がついた筈なのに。


当時光悦の評価が低かった、と言う話は昨日書いた。光悦なんぞの茶碗にしては入札価格が思ったより高かったので、おまけをしてくれた?

でもそんな義理はないよなぁ。


平瀬露香が乙御前を愛用していて、如春庵の所に嫁にやるのに、嫁入り道具をつける気になった。

これならまーまーロマンチックな感じか。


一般評価が低い光悦だが、平瀬露香は高く評価していた。若い如春庵の目効きに、見込みのある奴と御祝儀を与えた。

かなりドラマチックになった。


平瀬露香は第二回平瀬家売り立ての2年後に死んだ。第2回の売り立てが異常に盛り上がったのでおまけ気分がでた、という気分が下敷にあったというのは否めないだろうけど、老練の数寄者から、若き数寄者への形見分けだと考える方が素敵だ。