名物拝見記

京都国立博物館 国宝展

行ってきました国宝展2期。もちろん目当ては「龍光院の曜変天目」。あいにくの台風の雨のおかげでやや人入りの少なかった国宝展。30分程度の待ち時間で入れました。順路は最初に3階にエレベーターで上がり、ぐるぐる降りて来るのですが、龍光院の曜変天目は1…

藤田登太郎茶陶展

畠山記念館で開催中の藤田登太郎茶陶展。今年はGWでなくこの時期開催。昨年末交通会館で開催された展示の内容と、今年焼いた瀬戸黒を中心にした展示。http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20161216瀬戸黒の技法に、引出黒と置黒があり、それはどう違うか、と…

湯木美術館 江戸時代のやきもの

「ひとめでわかる京焼300年の歴史」とのこと。楽、仁清、乾山、道八、木米。堂々たる京焼の歴史である。長次郎の五月雨。「長次郎!」としかいえない作行きだが、長次郎としてはやや低調か。空中の芋頭水指。南蛮風の荒々しさがここちよい。のんこうの割山椒…

藤田美術館 ザ・コレクション

現・藤田美術館の最後を飾るコレクション展。茶道具限定ではない。利休作二重切花入「よなが」。利休作だと思うとありがたいが、よくよく見るとそんないいものでもないような…。 古瀬戸肩衝茶入「在中庵」。箱も展示されていてうれしい。さすがの迫力。 交趾…

木村茶道美術館 春風茶席

展示室1は青磁の道具。 展示室2は煎茶の掛物。木村茶道美術館にあるのは故木村寒香庵が蒐集した一級品。 どれも素晴らしい道具だと思います。しかしながら、こと青磁に関しては他の茶道具美術館が超超一級品を展示するので、比較するとしょぼく見えてしまう……

東京国立博物館 茶の湯

トーハクの茶の湯展の謎1。なんで平日行っても混んでるんですかね…。トーハクの茶の湯展の謎2。なんで展示室2は空いてるんですかね…。もしかするとだけど、展示室1を見終るとミュージアムショップがあって、そこ越えて展示室2なのに気付かず、帰っちゃう人っ…

出光美術館 古唐津

面白いけど、いろいろちぐはぐな展示。まず最初の位置に、奥高麗や絵唐津や斑唐津朝鮮唐津が並ぶ。 ここで唐津の技法を紹介しようということなのだと思う。だがここですべきは「古唐津とはなにか?」を定義することだったんではなかろうか?それをしないと古…

早稲田大学會津八一記念博物館富岡重憲コレクション 茶の道具

早稲田大学敷地入ってすぐの會津八一記念博物館奥、富岡重憲コレクション展示室の小さな茶の湯展。展示品は39品だが、見ごたえは十分。左入の黒楽茶碗。左入にしてはすごい大ぶり。久田宗全の赤楽茶碗銘「初ちぎり」。 「初ちぎり」という銘は柿のことで、赤…

藤田登太郎の窯焚き

有楽町の東京交通会館B1F ゴールドサロンで開催されている茶陶展。いつもの畠山記念館と違い、長机での展示である。 明るさも比較にならない。おかげで志野茶碗もいつもと違った表情を見せてくれる。 白く手取り軽い「雪舟」は、可憐で軽快で、暗い茶室だと…

永青文庫 仙厓ワールド

行ってきました展示替え第2期。http://www.eiseibunko.com/images_exhibition/2016/autumn_9.jpg「猫か虎か当てろ」の、毎度毎度のエクスキューズ。 頼む方も、虎が不得手なの判って依頼してないか? 今回の白眉?は、ふたつ有る狗子仏性図だろうか。5,60代…

東京国立博物館 禅 心をかたちに

平成館の2階をいっぱいに使った今回の展示、ざっくり二分構成である。第1会場は、全国の寺から集めた禅僧の頂相…頂相…頂相…。 これを見てなにを感じればいいんだろう?悪夢の坊主めくりという感じ。それぞれの寺にとっては偉大な先輩を偲ぶ大切な画だとは思…

出光美術館 大仙厓展

2010年の「仙厓 禅とユーモア」が、http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20101013仙厓の禅者としての側面と、ユーモアの側面を探っていたのに対し、今回の大仙厓展は、仙厓の人物に触れようと言う展示。 仙厓大回顧展って感じだった。結果から言うと、少し残…

永青文庫 仙厓ワールド

パンフレットの龍虎図がhttp://www.eiseibunko.com/images_exhibition/2016/autumn_1_left.jpg http://www.eiseibunko.com/images_exhibition/2016/autumn_1_right.jpg大変可愛い仙厓の展示である。行くと驚くのは、四分割の展示替えがあることで、仙厓のお…

新潟市美術館 天下太平 徳川名宝展

広島から巡回して来た徳川家の名宝展。内容的には徳川名宝というより、「好き好き権現様」って展示で、主催の徳川記念財団の…つまり徳川宗家の気分が良く出ている。尾張徳川家の徳川美術館とはちょっと引いた感じとは違うね。茶道具は 松花茶壺 古銅砧形花入…

木村茶道美術館 緑蔭茶席

新潟の茶の湯の美術館、木村茶道美術館は呈茶に特化した珍しい美術館である。二つの展示室にもいろいろお道具はあるが、やっぱりメインは大広間で、お道具を手取りさせていただくところ。今回の道具組は長入の赤楽馬盥茶碗。それに瀬田掃部の茶杓を添えて。 …

永青文庫 千利休と武将茶人 茶入を中心に

なんだかんだで行けなかった展示をやっと展観。まず四階。茶入茶碗写真帖に驚く。 幕末頃の、細川家名物道具の写生したもので、非常によく出来ている。 博物画の影響も感じる。底の糸切りまできっちり描いてある。執念としかいえない。三階。まずは利休書状…

畠山記念館 桃山茶陶と「織部好み」

桃山趣味とはいえ、織部と志野だらけにしては、俗っぽすぎるかな…そういう配慮を感じる展示。主力はむしろ、備前や伊賀や高取かも。備前陶がずらりとならぶのはなかなか壮観。 備前茶杓はミュージアムスコープ必須。また、招来茶道具も桃山趣味の一部ではあ…

根津美術館 根津青山の秘宝

根津青山の、初陣茶会を一階で。 最後の茶会を二階で。つまり根津青山の一生を垣間見ることのできる、そんな展覧会。 根津青山のコレクションをまとめてみた感想は一つ。 「あ、広間の茶だ。つまんね」 であった。うん。趣味合わねぇ。 でも加賀光悦と、信楽…

湯木美術館 禅僧と茶道具

禅僧ゆかりの茶道具を集めた展示。入り口近くの置き合わせが目を惹く。ツルリとした唐金撫肩の風炉に、荒れた肌の小雲龍のミスマッチ。 撫子文朱手付の茶器は紅一点。 目を上げると即全の青交趾尺八、ただ、孤蓬庵と鵬雲斎を取り混ぜたのはいかがなものか。…

藤田美術館 花hana華

全国ヘ巡回展を出した抜け殻の藤田美術館。こーゆー時こそ真の実力が試される。 ……抜け殻でした。つーか、客いねーでやんの。 仁清の花器はゴジャースでよかったけど。

湯島天神 利休を超えた織部とは──?

現在は湯島天神で開催されている織部に関する巡回展。織部の消息、好み道具、織部焼などがバランス良く、網羅的に展示されている。織部の釜の好みが、非常に保守的で地味なのに驚かされる。伊賀焼をたっぷりみれるのも面白い。半畳の畳に、織部茶会の道具組…

サントリー美術館 国宝曜変天目茶碗と日本の美

入口に飾られた「名品ずらり。めっちゃええやん!」に、パチモノ関西弁のスメルを感じるが、サントリーは大阪の企業だった。虎屋化が進んでいるのかもしれない。 さて、結論から言う。藤田美術館の蔵は、親しみは持てるが、やはりあのモコモコのガラスとへっ…

サンリツ服部美術館 茶の湯を支えた竹と鉄の道具

サンリツ服部の、主に茶杓と茶釜の展示。ずらりと茶杓が並ぶ様は壮観。紹鴎から、覚々斎ぐらいまでの茶杓が17本もならぶ。意外にも利休のは一本も含まれていない。 こうやって比べると、遠州の茶杓が際だって端正だが、スケールが小さい感じがする。 覚々斎…

神奈川県立歴史博物館 中世東国の茶

入口に入ると、二つの茶臼がお出迎え。片方は南宋の唐物茶臼(野村美術館蔵)である。鎌倉の茶は宋代の禅由来抹茶喫茶文化の伝播である。そのキーアイテムが茶臼であり、本展示ポスターを堂々と飾る一品である。 …けっして「ウッス!」という挨拶でないと信じ…

木村茶道美術館

ひさしぶりの木村茶道美術館。新潟県柏崎市、という立地は、なかなかに行きづらいが、行くと素晴らしい体験ができるのもまた確か。 第1展示室は水指展。水指は、木村さんの美意識がぴしっと通っていて、派手なものも地味なものも、どれも上品でやや侘びた風…

畠山美術館 畠山即翁の大師会茶会

「なんか空いてた」 それが第一印象。 今回の展示は、即翁の大師会茶会で出した道具に、鈍翁の道具を合わせた展示。ぶっちゃけ過去の大寄せの、跡見の茶会。お客さんも鋭敏である。レベル低いと思って来やしねぇ。…実際いつもの展示よりぐっと格は落ちる感じ…

藤田登太郎 茶陶展

畠山記念館の茶室、明月軒と翠庵を使った、藤田先生の茶陶展。藤田先生の茶碗を、目と、手と、舌で楽しませて頂く。五感を使いまくるので、普通の展覧会よりずっと頭が疲れるね。 たっぷりした志野茶碗、「雲珠花」。すくっとした「奈良川」。黒々として、で…

あべのハルカス美術館 川喜多半泥子物語

素人の陶芸作品を、1200円も払って見るなんて!と思わなくもない。 でも思ってたより客が多くてびっくりである。展示室の前半は、川喜多家がどんだけ偉かったのかの展示。 半泥子の西洋絵画と、絵の先生にあたる藤島武二の絵が並べられる、という羞恥プレイ…

湯木美術館 千家歴代と樂歴代の茶道具

タイトル通り、千家歴代の好み物あるいは箱書きのる道具に、樂歴代の道具を混ぜた展示。左入の槌之絵赤茶碗。左入二百の一つ。すごく左入らしい左入。唐物組物盆。利休所持。おしゃれ。利休在判の黒大棗。でかい。ごつい。いかにも耳庵所持らしい。丶貫在判…

藤田美術館 組む楽しみ

組合せの妙を楽しむ今回の展示。人形手茶碗に交趾桃香合「みちとせ」、備前緋襷肩衝「わか草」、利休茶杓「東方朔/藤の裏葉」を組み合わせる、みたいな感じで。 伝祥啓の瀧山水図に、竹花入「那智」を。瀬戸唐津皮鯨茶碗には染付網薄茶器を。珠光青磁茶碗 …