茶道月報その三

茶道月報の興味深い記事をいくつか。

茶道問答:

問:お家元のやうなところへあがつた時はどうして御案内を乞へばよいでせうか。先日板木の事がありましたので先生に伺ひましたら若し上京したらお玄關からだまつて上つていつてお玄關に居られる方の前で拜見お願すると好いのだと云われましたが(後略)
答:今日庵の玄關には板木が吊してありますからそれをお打ち下さい。(中略)無言で上つて行つて…はチトどうかと思ひます。

今日庵に不審者?*1


「堺を語る<座談会1>」:

常盤−大体堺は裏が多いです。
(中略)
多田−そこのお宅には席が四つあります。全部木津さん好みです。
(中略)
常盤−碌々斎が席をして置いて、後で加納さんが手をお加へになつたのであります。御普請は木津さんがなさつたのであります(後略)

堺は流儀は裏なのに、茶室に関しては武者小路千家木津宗匠のテリトリーだったっぽい。なんか不思議だが、その辺の数寄屋大工が木津家と関連深かったのかもしれない。


最後に。

対談「観世・今日庵 兩家元に聞く」:

観世左近と淡々斎の対談で、聞き役は井口海仙である。

井口「家元にお生れになつて、どうお感じになります」
左近「弟の方が幸福でせう。」
淡々「私の方も同じで…」


読み物として今読んでも結構おもしろい。
見たらあるだけ買うが吉だな。

*1:追記:しまった「不審人開今日門」にしときゃよかった