茶道月報と戦争
私が入手した茶道月報は昭和十年 五月号が一番古く、昭和十八年 九月号が最新。
しかし、その質はえれえ違っちゃっている。…もちろん、戦争の影響だ。
まずはページ数を比較してみるぜ。
昭和十年 五月号 | 134ページ |
昭和十三年 五月号 | 166ページ |
昭和十六年 十月号 | 72ページ |
昭和十八年 九月号 | 28ページ |
戦争が始まる直前、昭和十六年からページが減っていて、十八年にはぺらぺらに。…実は紙質も粗悪。見るに耐えないありさま。
佐々木三味「茶の道五十年」によると“茶道月報”は昭和十九年の一月に“茶道”誌と合併。更に六月号を最後に表千家の“わび”誌に吸収され廃刊となった。んで、茶道月報の前金購読料返還の為に“茶箱点法全伝”を出版し費用充当したのだそうな。
そういう意味では末期の茶道月報。
載っている茶会記の数。
昭和十年 五月号 | 57件 |
昭和十三年 五月号 | 66件 |
昭和十六年 十月号 | 6件 |
昭和十八年 九月号 | 0件 |
季節の違いというのもあるとは思うが、戦争が始まって全く茶会が開かれなくなった様子が良く判る。
当時の茶人は戦争を阻止する、という面で甚だ無力だった。というか、むしろ起こす側の人もいたと思う。
でも、雑誌の変遷を見ただけで、戦争が茶の湯の楽しみの為にはならないことが良く判る。茶の湯を楽しみたければ戦争が起きないようにせんとね。
ちなみに淡交 平成二十一年 五月号は198ページで70件。
平和って素敵だ。