じぶんなり中棗製作記2 原型製作
まず、なにかで原型を作る。
なんで原型を作るかと言うと「じぶんなり」の形が作りたかったから。もしアリモノの利休形中棗を写す場合などはこの原型製作は必要無い。
ろくろで棗をひく場合は、外も中も削って、棗と言う容器を作らねばならないが、乾漆の場合はメス型を作るためなので、中を削る必要がない。ムクの固まりを作ればいいのて簡単である。
なお今回の原型は、ホオの木で、木工旋盤を使用して作成した。
棗には蓋と身がある。
最初、蓋と身を別々に削ってみた。しかし、削った身と蓋を組み合わせると、てんでなってない形になる。直径も合わないし、組み合わせた曲面もおかしい。
蓋と身を組み合わせた状態で、一体のまま整形しないと綺麗なかたちには作れないのだ。
しかし、ムクの木材を綺麗に削った後で、身と蓋を切断するのは至難の技だ。
だから、蓋と身を固定して、旋盤に掛けるしかない。こんな感じだ。
蓋と身の木材を用意する(左)。
蓋と身を木ネジで接合する(中)。
旋盤に接合する為の台座に身を接合する(右)。
この状態で、木工旋盤に掛ける。
木ネジを抜いたらこんな感じ(左)。
パテなどでネジ穴を埋めてきれいにする(中)。
別に作っておいた立上りの部分を身に接着する(右)。
これで木製の原型完成である。