じぶんなり中棗製作記3 型取り〜乾漆型抜き
原型を中心にシリコンでメス型を作る。
レゴブロックで型枠を作り、粘土を半分入れる。原型を粘土に半分埋め、シリコンを流す。粘土を取り除き、離型材を塗ってからシリコンを流すと二分割の型ができあがり。
ちなみにアリモノのコピーを作る場合は中を粘土かなんかで埋めてムクっぽくすること。
これがシリコン型の実物。使用後に撮影したので黒くなってしまっているが。
おまけにピンボケ。
かなり余白を大きく取らないと、型自体がぐにゃぐにゃして作る器が歪んでしまうので注意。
ここに、まず下地用の錆び漆を塗る。
錆び漆は生漆と砥の粉と水を練ったもの。
砥の粉に水を少し加え、固く練った所に小量の漆を入れて延ばすとできあがり。ラップで包むと保存も効くぜ。
あんまり水も漆も多く加えないのがコツ。
んで、この錆び漆を型の内側に塗る。今回の型はメス型なので、内側に塗ったこの錆び漆が型を外した後で一番外になる。つまり下地。
ちなみにどーやって塗るかと言うと、指で塗る。手袋した指で。
これを一晩乾かす。
次に麦漆を作る。麦漆は生漆と小麦粉と水を練ったもの。
僅かな小麦粉を水で緩く溶いて、漆を混ぜてネバネバさせるとできあがり。
麻布を切って、この麦漆で型の内側に接着して行く。
これを一晩乾かす。
んで、錆び漆を麻布の目に埋める様に塗る。
一晩乾かす。
ここまでの錆び漆と麦漆の工程では水という乾燥促進剤が入っているので風呂に入れる必要はない。
んで、錆び漆の強度を増すために生漆を塗る。一晩乾かす。この生漆は風呂で乾かす必要がある。タッパー容器に水を含ませたキッチンタオルを入れ、湿度を高める。高温多湿でないと漆は乾かないのだ。
なお気温が20度以下の場合はフィルムヒーターなどで温度を上げる必要もある。
この工程を3回くらい繰り返す。
整理すると:
- 錆び漆(下地)
- 麻布の麦漆貼り
- 錆び漆で埋める
- 生漆塗って強度を増す
- 麻布の麦漆貼り
- 錆び漆で埋める
- 生漆塗って強度を増す
- 麻布の麦漆貼り
- 錆び漆で埋める
- 生漆塗って強度を増す
こんな感じである。
このくらいでようやく、型から外せるぐらいの強度になる。
あんまり早く型から外すと、外で歪んでしまう。でも外したくなるんだよねー。
かさぶたみたいなもんだ。
気が長い人向けの趣味かも。
…俺はそうではないんだけど。