茶道つれづれ草

大野宗量/高千穂書房/1974年。

弁護士の著者が弁護士会の会報に掲載した記事を含む、茶の湯のエッセイ。


前半は茶史茶人に関する内容。「利休は…」とか「井伊直弼は…」みたいな奴。ま、そんな新味はない。弁護士さん、というインテリでもお茶となると通俗的なエピソードの収集に終始しているんだなぁ、とか思ってしまう。

逆に言うと、この辺のエピソードレベルが茶人共通の知識ベースで使える上限なのかもしれない。あまりマニアックな知識は一人よがりになるよなー、多分。

あと昭和49年の茶人の常識が判るのは興味深い。まだまだ南方録は信じられていたんだなーとか。


後半。突然エッセイは無くなり、文献資料編になる。

何故か、著者が起こした“茶道便蒙鈔 客方心得”“分類草人木”が収録されているのだ。

ぶっちゃけ茶道全集には収録されているので、いらんと言えばいらんのですが、今、古文書を起こしている自分としては著者の努力に頭が下がりますよ。

お前がんばったな、俺もがんばるよ!って感じ。

茶道つれづれ草 (1974年)

茶道つれづれ草 (1974年)