読むべき料理本
私は一応料理ができるつもりだ。大学の頃は全然ダメだったのだが、結婚してから17年。妻と大体ヒフティヒフティで料理分担をしていたので、かなり磨かれた、と思う。
だから、私は自分の茶事で、是非私の料理を食べて欲しい、と思っている。…多分すっごく勇気いるだろうけど。
ってことで、今日は私が影響を受けた料理本の話。
最初に買った料理書は丸元淑生の“システム料理術”。
エンジニアとしてはこのタイトル買わなきゃね。って事で買った。
でもこの本が語る「システム」ってのは全くもって実用的ではない。
活ってる状態の魚なんて買って処理する暇あっかよ。もやしは収穫前にカビるし。
けど、鰹節を削って出汁をとる、という習慣と、塩こしょうなどはレシピに頼らず自分の舌で調整する、という習慣はこの本のおかげでついた。
料理をレシピ守って作るのって苦痛だから、好きにおいしく作れやという事がこの本の教えだと思う。
実用面では“男と女の基本料理100”の方がいいかな。私にとって丸元はジャガイモとキャベツのスープ、を教えてくれた神である。
ポルトガル料理の秀逸に、ジャガイモとキャベツでつくるスープがある。
材料はその二つ。調味は塩と黒コショウだけで行う。淡泊ながら滋味が胃にしみるようなスープである。
丸元のこういう文がぐっとくるんだよね。
名文の料理本つながりで北寺尾ゲンコツ堂の“「ゲテ食」大全 ”。
ドングリからはじまり、猫までの様々な食材を使った料理が載っている本である。
材料としていくつかの野菜を挙げたが、これにこだわる理由は何一つない。
(中略)
材料の調達は、決して人まかせにせず、自ら野菜売り場を歩き、琴線に触れた野菜を購入し、使用すればよいのである。
以上アメリカザリガニのサラダに関する記載である。
結局のところ、料理は食材に関する知識と技法の組合せ。
ゴキブリやナメクジの料理を作りたいとは思わない*1が、料理のできる人の感覚、ってのは通常使わないような食材の場合にも適用できるんだな、というのが判って興味深い。
丸元淑生のシステム料理学―男と女のクッキング8章 (文春文庫 ま 4-1)
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*1:カエルや亀、ハトの料理は作りたいね