クセジュ文庫(意味無し)
古文書の解読。手書きの崩し字はただでさえ読むのが大変。なんだけど、くせ字の場合はもっと大変。書き順適当だとさらに大変。
以下の左側を見て欲しい。
これ、なんて読むか全然判らなかった。
この文の前の部分は「茶会催し」である。
“m”みたいな部分と“号”みたいな部分“に”みたいな部分でできているが、これで一文字か二文字か三文字か判らない。
“m”みたいな部分は「候」あるいはひらがなの「つ」であろう、というアタリはついた。
しかし、“号”みたいな字が困った。真中の横棒から入る書き順はありえないからだ。
こういう時、どう解読するか?
判らない文字はそのままにして、とにかく読み進めるのが正解。いずれ、同じ文字が出て来るかもしれないからだ。
別のページに“号”+“に”が頻出していた。
だから多分、“号”+“に”みたいな字で1文字。
上記の2箇所の前は「茶手前○の」「炭の○」で、それぞれ帛紗に関する説明の一部。
しかも“号”の上の"口"部分は実際には“ソ”の様になっている事が判る。
んで、“ソ”で始まる部首で検索すると、やっとこ該当する文字発見。
「節」であった。
これを元に文章を解読すると
「茶会催し候節ハふみハ」
「茶手前節の」
「炭の節」
となる。
同じパターンの頻出を手がかりに、解読を行う。
やっている事はまるで暗号解読といっしょ。
手がかりとなるパターン、暗号の世界ではクリブというものをきっかけに探索して行く。
先に読み進む、という方法は非常に強力なのだが、短い文章には適用できない。
あと一回しか出て来ない固有名詞、とかも辛い。
一行書や箱書きの銘が読めないのは当然なのかもしんないね。
- 作者: 吉田一彦,友清理士
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