茶碗を拭う。
宗偏流のお点前の本より、濃茶のお点前。そのおしまいの部分。
そして、戻った茶碗をとり、常座に戻ってひざ前におき、つけ込み柄杓で湯をくんで茶碗に入れ、さらに水をくみ入れ、柄杓は引き柄杓で蓋へかけます。
右手で茶碗をとって左手に持ち、右の親指で茶を洗い落しながら、二回半で茶碗を一回りし、四つ指を握り込み、親指で見込みを洗い、茶碗の湯は建水にあけます。
つまり客の前で、戻ってきた茶碗に、湯と水を注ぎぬるま湯にして、親指で中を洗い清めるお点前なんだよね。
実はうちの流派もこれに似た事をやる。
我が家での夫婦のお点前は、「柄杓の合とお見合いしてんじゃないよ」みたいにお互いのお点前に突っ込みいれまくりなのだが、ここは私が突っ込まれるところ。「客前で水屋仕事すんなよ」みたいに。
ただ、うちの流派が茶碗を濯ぐのは、濃茶のお代りを所望される事に備える為だ。
もし客が「十分いただきましたのでおしまいにして」と言わないと、濃茶のお代りが出てしまう。勿論、一旦水屋にもどって替えの茶器を持ち込まないといけないだろうが。
ところが宗偏流のお点前では、お代わり無しにおしまいにするので、そっち方面ではあんまり意味を感じない。
もしかすると茶碗の拝見に備えて綺麗に清めているのかもしんない。
拝見盆があったり拝見専用帛紗があったりと、拝見に関し特にリキが入っている流派みたいだから。