茶道3

竹内撫石庵の“茶道”。

この本の紹介している茶人エピソードはちょいと「尾鰭」がつきすぎている気がする。

利休前妻宝心妙樹について:

前の妻は利休を惱ませた。さすがの利休もこれには大分閉口したものらしい。
勿論確實な史實によるものではないけれども、利休が茶室に女客を迎へて談數刻にわたり、やがて客を送り出して、茶室に歸つてみれば、茶器も爐も狼藉を極め、露地の樹木は諸々に刃物を入れられてゐた。

粟田口善法について:

『おみかけの如く貧婁にして一物も携へるものはありませぬ。たゞこの一つの釜のみです。おれを召し上げられては、茶を煮るものさへなくなりませう。
しかしそういふ仰せを蒙るのもこの釜があればこそ、−と言ひも終らず釜をとつて路上の石に投げうつた。
釜は破れて再び湯を煮ることを得ない。かれは忽ち身を起こして風の如く、何處ともなく走り去つて再び歸らなかつた。
(中略)
短氣な秀吉ではあるけれども、これを聴いて『それは必定主を討たれし敵國の者であらう。この釜忠義の者が所持せし器ぞ』といつて兩手に捧げて押し頂いた。

何を種本にここまで書いちゃったのかな〜、とか疑問。

でもあっしの師匠とかその師匠とかは、もしかするとこういう饒舌な茶史読んで育ったのかもしれんので、油断できんぜ。