刀掛と脇差

前に、

もしかすると茶室に付随する刀掛は、町人中心茶道の中で塵穴の如く形骸化したものではなかっただろうか、とか思ってしまう。

http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20090901

なんて書いた。

でも、良く考えたら、武家にせよ町人にせよ江戸時代に刀掛は茶室に必須のアイテムだった筈だ。

だって、江戸時代は町人でも刀差してたんだもの。

時代劇のイメージでは

・侍…二本差し
・町人…刀差してない

なんだけど、実際には町人でも脇差を差す事は出来た。んで、大商人達は脇差で贅を競ったらしい。

刀による身分の表示は江戸時代の武家諸法度の定義らしいので、室町時代の町人、つまり利休や宗及はどうだったかは良く判らないけど。


明治9年廃刀令以降は刀が差せなくなった。

なので、それ以降の茶室には刀掛は付けなくていい筈だが、「降らずとも傘の用意」とかいう意味で付けてた人はいるかもしれない。

形骸化したとすればこの段階だな。