茶室で立つ
大森宗晋“茶の湯・心と形”。
大森さん、茶室に関し二畳台目派である。
理由はこれ:
昔から三尺下って師の影を踏まずと云うが、三尺の距離を取れば、客が同輩、または同輩以下のときは、客前を立って歩行することが許されるのである。礼を失しないのである。
二畳台目の席は、客畳と道具畳との間に一畳あり、丁度此の條件に適っている。
従って二畳台目の席は客前で歩行による運び点前が許される最小の茶室と云うことになる。
確かに座っている目の前をずかずかと立ち歩かれると圧迫感はすごいかもしれぬ。
道具畳と客との距離が三尺以下になれば、亭主は茶道口を躙り込むのが原則で、歩行による道具の運びは許されない。したがって洞庫棚等を設けて坐ったまゝ道具の出し入れができる様工夫されるのが普通である。
この禁則は聞いた事無かった。でも合理的かもしれない。
でもなぁ。広間では運び点前が楽々できるが一畳台目の様な超小間では運び点前できない、というのは納得できない様な。