食・花・酒とやきもの

矢部良明/日経BP/1997年。

イカ茶の湯の歴史書を書きまくっている筆者による、食器、花器、酒器に関するうんちく本。

「食と焼き物」とテーマを与えられて、一番現在の筆者が強調したいのは、東洋人、特に日本人が飲食器に精神の表現領域を開拓したことである。飲食器を単なる機能の道具とだけ見做したのではなかった。
この点は、分かっているようでいて、多くの日本人の識者にも、しかとは得心されていない様なので、あえて力説してみた。

作者が力説しているので、あえて引用してみた。この文の後に、日本の精神性のある茶碗の出現は中国の青磁→天目への流れの影響との指摘も面白い。

ジョアン・ミロの絵と織部茶碗、茶人注文の、茶味のある景徳鎮。

いろいろおもしろいネタを大量にぶちこんであるのだが、惜しむらくは一つ一つのネタが短くて薄い、そこが少々残念である。

食・花・酒とやきもの (日経アートブックス)

食・花・酒とやきもの (日経アートブックス)

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