古今東西陶磁器の修理うけおいます
甲斐美都里/中央公論新社/2002年。
金継ぎ勉強してみたい、の一念で、何故かうっかりイギリスへ陶磁器修復を習いに行ってしまった女性の本。勿論イギリスで金継ぎは学べない。
なので帰国後に日本で別に金継ぎ学びに行っています。これがかなりずーずーしい弟子入りの仕方。
西洋では「跡を残さない」修復が主流。パテ盛りに絵付けで修復跡が分からないように直すが、全く実用には向かない修理方法。
日本の茶人は露骨に修理跡を強調する金継ぎを珍重するが、彼らの感覚では:
「完全より美しいものはないに決まっている」という表情で首をふるばかり。
と理解の外らしい。
しかもアメリカ人の茶人が金継ぎに抵抗感があるらしい、というエピソードもあったりして、東西の感覚の違いが浮き彫りに。
巻末の陶片探し編は、中国は龍泉窯窯跡に行き、盗掘屋と交流したりとなかなかデンジャラス。
うっかりだったりずーずーしかったりデンジャラスだったりと露悪趣味なんだか天然なんだか分かりにくい部分もあり。
ま、おもしろいからええんですけど。
…ところで日本でもパテ盛りに金蒔いて金継ぎ、というインチキな業者もあるらしい。
そういえば某居酒屋の食器の金継ぎは、どうみてもエポキシ接着剤+ゴールドのペイントマーカー塗りだよなぁ。オソロシス。
- 作者: 甲斐美都里,金子しずか
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2002/04
- メディア: 単行本
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23区では、ええと、かなり多数の図書館に入ってます。