茶道の心
松浦素/国際図書/1966年。
鎮信流の松浦家ご先代の書いた、お茶の本。
文武は武家の二道にして、茶湯は文武兩道中の風流なり。さるによりて柔弱をきらふ。つよくしてうつくしきをよしとす。
初学にはひやうし(拍子)付てひやうしをはなれ、ほどゆきて位をゆく。
茶湯は事ふかく成處にあじはひ有り。
ほどゆきて位をゆく、ってのがなんとも格好良い。
ご先代はそこまで素晴らしい文章家ではない。残念ながら。
お茶の点前は人に見せるものではないのでありますから──客の前で点てるのは見せるためではなく、客を席に通してお相手もしないで別の場所でお茶を点てて持って出ることは客に対して迷惑を掛けることになり、主人自から点ててもてなしてこそ本当のもてなしでありましょうから客の前で点てる。
お茶は心ですよ、とか道具は主人の手の延長ですよ、という論調でそう悪い事は言っていない。句読点をもう少し整理すればいい文章になると思うんですけどねー。もったいない感じ。
あと、時折、先祖崇拝の文がはいっちゃったりで微妙な気分になるのも読みにくさの理由かも。
例えば:
「道」は武士道に限ったことではないのでありますが、(中略)その起源は武士道にあると考えられますし、
武士道→禅経由→茶道、という茶道史は、京の町方をあまりにあっさり無視していて、剣呑な感じもする。
内容は結構ヨイんで、それだけになんか微妙な残念感もあり。
- 作者: 松浦素
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*1:鎮信流として。鎮信としては2代目。鎮信2人いるのでややこしい