お茶の話 茶人のわびとさび

江守奈比古/海南書房/1967年。

遅れて来た実業家茶人、江守奈比古の考えるお茶の話。
同意できるかはおいといて、いろいろ面白いよ。

一番びっくりしたのは、茶室の話。

戦国時代に考え出された茶室は、暗殺対策に非常に気が使われている、というのである。

また、壁の腰を高くし、客側の窓を高い位置にして、窓越しに客を槍で突く事ができないようにしてある。

確かに客の背後の窓は高い位置にあったりするが…体育館の掃き出し窓じゃないんだから、低い位置の窓は明り取りには使えないんじゃ…。

もしも懐中に小刀でも呑んでおっては、との心配をこの躙口の窮屈な入口で無言の間に検閲することが出来ると考えたものであろう。
(中略)
帯刀の廃された今日、興味本意で躙口を使用するのは主客とも芝居気があってよいが、真面目に客に窮屈な思いをさせることは失礼であろう。

暗殺恐れるなら周囲に警護の者を置けばいいんじゃないかな、とか思うのだが。


とりあえず江守説だと、桃山時代はえれぇ殺伐とした茶だったんだな、と思われる。


お茶の話―茶人のわびとさび (1967年)

お茶の話―茶人のわびとさび (1967年)

23区だと足立中央。