釜を釣る

分類草人木の記述で、とても好きなのがある。

風炉に釜を鎖、自在にて釣る事あり。宗悟釣らるる也。宗珠は之を笑う。

吟じます。風炉に鎖と自在で釜を釣る〜…あると思います。(ないやろ!←ツッコミ)


それはサテオキ。この本の出た永禄七年(1564年)頃を松屋会記で調べると、五徳の蓋置が流行している。ってことは釣り釜が大流行だったのかもしれない。

但し、永禄七年の松屋会記に

廿二日
一 鉢ヤ紹佐ヘ 生女 久政二人
イロリ 眞釜、五徳スヘ、 土水指 龜ノフタ 高ライ茶ワン
珠徳茶杓 コトク

とあるので、この時代はリアル五徳と蓋置の五徳がかぶってもじぇんじぇん平気だった可能性もある。

じゃ、この時代が風炉&釣り釜の初出なのか、というと実はその30年ばかり前の松屋会記に、風炉の釣り釜は記録されていたのであった。

天文六年(1537年)

九月十四日
一 京針屋浄真へ 久政
床ハミヲツクシ茄子。 天目 風炉ニツリ物 カツテニ合子水下

しかし初期茶道って意外とフリーダムだよなぁ。