茶の湯の歴史

神津朝夫/角川書店/2009年。

今、茶道研究本といえば神津朝夫と矢部良明。“千利休の「わび」とはなにか”の神津さんの新作。

http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20071006

今回の面白テーマは

  1. 現代の茶道は闘茶起源でも、北山起源でもなく、禅起源でもなく、市井の侘び茶由来。
  2. 初期茶道に客入の時に蹲を使う風習は無かった。中立に手水を使うのは名物拝見の為。
  3. 裏千家(特に裏)は他流派との差別化で流儀を変えて来た。利休の茶はむしろ遠州流に近い。

くらいか。

あと、華道の家元と弟子は結果が見える形で出来上がるので優れた弟子が独立する事があるが、茶道はそうではないので家元制が維持しやすい、という指摘は面白い。

あと、戦争中に開発された陣中茶箱点は今、和敬点という名前になっているのか〜。

等々、知らない事いろいろ書いてあって面白い。

が。

こちとらも2007年に前作読んだ頃よりは勉強しているので、むしろ「おお、思っていた通りだ」という方が多かったかも。意外と新味少ない?

私の読書スタンスは神津さんに大きく影響を受けているので、ある程度当然と言えば当然なんだけど。

でも、神津さんの本は刺激的で面白いんだけど、実用上はめっさ無意味なんだよな〜。先生に向かってこの本みたいな学説を開陳したりできるわけねーものー。

茶の湯の歴史 (角川選書)

茶の湯の歴史 (角川選書)

23区では…多すぎて書けません。