へうげもの第10集
第9集で利休が賜死。
本巻から織部中心の物語。
はっきり言うと、利休がいなくなった事で物語に入っていた背骨がすっかり抜けて、非常に断片的なエピソードの羅列になってしまった。
「利休の業と破滅」が、この物語のストーリーラインを形成していたんだな、としみじみ思う。
今、それに相当するのは「秀吉の老いと死」なんだろうけれど、やっぱそれでは弱い、弱すぎる。
でも、それも含めて計算の上なんだろう。
この物語、結局は自分探しを続ける「織部」の物語なので、確固たる人格者「利休」を失った今後は、おそらく物語の終りまでこの雰囲気なのだろう。
ずっと「決断を迫られて、流されて行く」男である織部。彼が「流されない決断」をするという事は物語自体の死を意味するからね。