侘び茶と引切

茶杓を作る、というのは茶人としての私の意識の中に、確かにある。

…でも、竹の引切蓋置を作る、というのはないなぁ。同じ竹細工なのに。ただ竹の節付近を切断して穴をうがつだけなんだから、茶杓なんぞよりよっぽど簡単なんだが。


竹引切が茶境を示すとか示さないとか、そんな議論も聞いた事無い。

…じゃ竹引切って何がいいのさ?という疑問がある。

多分竹の選択時にかなりの部分が決まっちゃうんだろうな。


今じゃ僕等は竹引切に、なんの疑問も感じていない…と思う。

でも、おそらく紹鴎の時代に:

「竹引切なんて何処が良いのよ。ホヤが最高に決まってるだろ」
「いや、五徳だろ」
「夜学もお忘れなく!」

みたいな議論があったんだと思うんだけどな〜。その上で竹引切が他を圧して流行した、という事だと思うんよ。

そういう流行り廃りに至った経緯が残ってないので、竹引切の良さが逆によーわからんなぁ。